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転生から始まる私と魔王の天下無双!燃えて死んだけど二人ならガチで最強です!  作者: 無色
斬騒天外編

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22.魔物の住む山

 ガジャさんが言ってた裏山に来たけど、今のゴブリンの姿は無い。

 もっと奥の方かな。

 

『あまり行くと、村長が言っていた山とやらに足を踏み入れてしまうのではないか?』

「あ、そうだね」




 ――――――――




蝶羽(あげは)ちゃん、()らずの山には入っちゃいけないぞ」

()らずの山?」

「裏の山の向こうにもう一つ山があるんだが、そこは入ったら最後誰も戻ってはこられないって昔から言い伝えがあってなぁ。地元の者は誰も近寄らないんだ。」

「ほぇ〜」




 ――――――――




 ()らずの山か。

 イディオンだとそんな名前のエリアは無かったけど。


『昔から入れば祟りがあると噂される深山幽谷の山か。くだらぬ迷信じゃ』

「唐突な神仏アンチ」


 魔物蔓延る世界に転生したくせに何言ってんだこいつ。


『どうせ山の中で養蜂やら椎茸の栽培やらでもしてるのじゃろう。それを隠すために祟りだ何だと迷信を吹聴したのであろう』

「誰がだよ」

『そんなもの知らぬ。さっさとゴブリン共を討伐して用を済ませよ』

「はいはい。おっ、噂をすれば」


 木の陰から様子を見る。

 ゴブリンが三体、武器は錆びた鉈に石斧に棍棒。

 どこにでもいる普通のゴブリンだ。


『他に姿は見えぬな。行け蝶羽(あげは)

「うん。……? ちょっと待って」


 あのゴブリンたち、どこへ行くんだろ。

 村は逆方向だし、近くに動物の気配も無いのに。

 私たちに気付いて逃げたわけでもなさそう。


「追いかけてみる」


 山の奥へ奥へ。

 どんどん薄暗くなって、足場も苔むしてきた。

 まだ夕暮れ前なのに変に視界が悪い。

 魔王の眼が無かったら道に迷ってた。

 とりあえず灯り……【炎熱操作】で周りに火の玉浮かばせて、っと。


「ここ、もしかして」

『入り込んでしまったのかもしれぬな。()らずの山に』


 おばけでも出そうな雰囲気ある。

 

「思ったより怖い」

『わしがついとるじゃろ』

「え、信長かっこい。キュン」


 でもよく考えたら信長が幽霊みたいなもんか。


『誰が幽霊じゃたわけ』

「あ、さっきのゴブリン」


 まだ奥へ行くっぽい。

 どこまで……って追いかけると、しばらくして開けた場所についた。

 そこには三体どころじゃない。

 百、二百を軽く超える数のゴブリンや他の魔物がひしめき合っていた。


「なんだこれ……集落? にしてはなんか様子が……まさか魔物の氾濫(スタンピード)でも起きてるんじゃ……」


 ……?


『どうした?』

「いや、なんか甘い匂いが……」


 果物……メロンみたいないい匂い。

 嗅いだことがあるような気もするけど、なんだっけ。

 鼻をひくつかせると、魔物たちは森の奥へと進んでいった。

 後を追ってたどり着いたのは、轟々と音を立てる滝。

 甘い匂いの元はあの滝か。

 魔物たちがこぞって滝壺に口をつけて、おいしそうに喉を鳴らしてる。


「魔物の水飲み場……?」

『いや、よく見よ』


 滝の水を飲んだ魔物がフラフラしてる。

 そのまま倒れて……寝た?


「なんか、酔っ払ってるみたい。あ、そっかこの匂い。お酒だ」

『酒? 諸白(もろはく)か?』

「それはわかんないけど。お父さんがよく飲んでた」

『ふむ、ならばさしづめあれは養老の滝じゃな』

「養老の滝……たしかイディオンにもそんなのがあったような無かったような……」

『はっきりせぬか』

「いや、イディオンもお酒とタバコは二十歳未満禁制で」


 情報としては知ってたはずなんだけどなぁ。

 なんだっけ……


 ザパン……


『む? 今、滝壺の水面が盛り上がったような……』

「養老の滝……お酒……酔っ払い……えっと……」

『滝壺から何か伸びて……おお、酔った魔物が引きずり込まれおった!』

「そうだ思い出した! 滝壺の底にはお酒で酔った相手を触手で引きずり込む魔物がいるんだ!」

『魔物共が次から次へと滝壺に……』


 魔物が一掃された後、滝壺が盛り上がって女性の上半身が露わになった。

 綺麗な十二単(じゅうにひとえ)に怪しげな能面。

 そして裾から覗く水の触手。

 ビジュアルの良さはイディオンの魔物の中でも常にトップ帯に位置したそれの名前は。


酒乱御前(ゴゼンズドランカー)


 酔わせた魔物を養分にする、食物連鎖の上位に君臨する魔物だ。




 酒乱御前(ゴゼンズドランカー)を見て、信長が最初に言った言葉が。


『美しいな』


 だった。

 

「私のが美しいだろ」

『否定はせぬ』


 まあ私、可愛いと美しいが高い次元で同居してるもんね。


『あんな見た目で随分な大食漢のようじゃな』

「食べたそばから栄養を魔力(マナ)に変換してるんだったかな」


 あの女性の上半身っぽいのも人間の擬態で、実際はイカとかタコみたいな軟体生物だし。


『しかし、これだけ近くにいるのに攻撃の一つしてこぬな』

「ね」


 眼中にないってか?


「どうする? 魔物なら倒しておくか?」

『そうだね』


 って、刀を抜くと。


「わーっ! ダメダメダメ! ダメっすよー!」

「ぐほぁ!」


 横から強烈な体当たりをくらった。


「いったぁ……どこのどいつだ私に当たり屋かましたのは!」

酒乱御前(ゴゼンズドランカー)は人を襲う魔物じゃないっす! 目の前で酔っ払わなきゃ何もしないっす!」

「そんなこと馬乗りになりながら言うな……って、ん?!」

『此奴……もしや』

「ゴブリン?!」


 喋るゴブリン……って、マ?!

 いや、それよりまず……そこどけ貴様。

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