11.一人遊び
新章、斬騒天外編。
どうぞお付き合いくださいm(_ _)m
イディアルオンライン、通称イディオンに限りなく酷似した異世界に転生した私こと斎藤蝶羽は、今日も今日とて長い道のりに歩を刻んでいた。
空は青々。
見渡せば緑生い茂る草原。
乗り合いの馬車に揺られる旅の優雅なこと。
「世はおしなべて事もなし、みたいな?」
『これを見てそう言えるなら、そうなんじゃろうな』
この世界に慣れてきたってことじゃない?
馬車が盗賊に襲われてるくらいじゃ、あんまりびっくりしなくなってきた。
「男は身ぐるみ剥いで殺せ! 女は犯して殺せ!」
すっげーテンプレみたいなセリフ。
『野盗如きが頭に乗りおって。構わん斬って捨てよ』
そういうわけにもいかないだろって。
私たちで決めたルールじゃん。
「ママ、ママぁ! 怖いよぉ!」
「大丈夫、大丈夫だからね……!」
小さい子ども泣かせたのはムカついたから、ちゃんとボコボコにはするんだけど。
「どうもありがとうございました!」
盗賊をまとめてボコしたら、御者さんや乗り合わせた人たちに泣いて感謝された。
「なんとお礼を言ったら……」
「いえいえ、皆さんが無事でよかったです」
「あの、失礼ですがあなたはもしや……黒衣の……」
言いかけた奥さんの唇に指を当てる。
「ただの旅人ですよ」
「はうっ!♡」
ウインクばちこーん。
『またおぬしは。この人誑しめ』
だってモテるんだから仕方なくない?
……まあ、女の人限定だけど。
『スキル関係なくモテようとしとるじゃろ』
いやぁ、女の子の反応って可愛いよねグヘヘ。
『下衆』
端的に殴ってくんな。
私たちは今、ファスティスを離れて次の街セクアンダを目指している。
時には野宿をしたり、途中の村に泊めてもらったり、川で魚を獲ったり、まあ贅沢な時間の使い方をしながら。
道すがら乗り合いの馬車に拾われたら、まあこうなったってところ。
のんびりとした旅だけど、それを楽しむに当たって私たちはお互いの間にルールを決めた。
一つ、人は殺さない。
一度は死んで生き返った身としては、命の尊さを大事にしたい。
どんな悪人でも、だ。
二つ、命は大事に。
これは言わずもがな、死なないようにしようってこと。
用意は周到に、油断は大敵、今ある命を精一杯生きよう。
三つ、やりたいことは全部やる。
遠慮は無し、めんどくさいも無し。
無茶だって否定することなく、何でも全力で楽しんじゃおう。
他にもプライバシーは守ろうねとか、おはようおやすみいただきますの挨拶はしようねとか、そういうやつ。
『女子面倒すぎんか?』
ルールっていうか人として最低限のマナーだろ。
『時代というものは移ろうのう。わしらの時代の女子といえば、淑やかに男を立て、陰ながら家を守るものであったが』
それでも女の人の立場が強くなったのはわりかし最近だよ。
男女共同参画社会基本法とか。
まあJKの私にはあんまり関係ないけど。
てかお前今ゴリゴリに女の子だろ性別。
『たしかに。すると困ったぞ蝶羽』
んぁ?
『いざまぐわおうとすると刀が無い。女子同士だとどうするのじゃ? 鞘と鞘ではまぐわえぬじゃろ? まぐわいと言ってわかるか? おぬしの時代でいうセッ――――――――』
「うるせぇよ黙ってろエロ殿!!」
あ、馬車の中だった……
「あ、アハハ……ね、寝言かなぁ……恥ずかしいなぁ、なんて」
『恥ずかしいやつめ』
うっさい……
うう、視線痛い……
『おお、わしの知識の中にあるではないか。女子同士のまぐわい……ふむふむ、なるほど……ほう、これは……なかなかの……ふーむ』
要らねぇ知識吸収すんな。
信長って結構スケベなんだな。
『蝶羽よ、わしもまぐわいたい。性技というのはかくも進化するものか。ぜひとも楽しんでみたいものよ。これもやりたいことに追加じゃ』
っざけ……いや、否定することなく……か。
なんで私がこいつのスケベに付き合わなきゃなんないんだよ。
『おぬしも大概じゃろ。ゲームのために一人暮らしを始めておきながら夜な夜な一人で遊んで』
「だぁーーーー!!うるせぇーーーー!!」
だから……馬車の中で大声出させんなって……
《プロフィール》
名前:斎藤蝶羽
種族:人間
性別:女性
職業:旅人
称号:無し
エクストラスキル
【炎熱操作】
ユニークスキル
【第六天魔王】
権能:魔王の眼……鑑定、解析、視野拡張、俯瞰、望遠、夜目、動体視力、真贋看破
魔王の刀……剣術の極意、切断力上昇、武器耐久
魔王の肉体……武芸百般、騎馬、身体能力強化、五感強化、気配察知、自然治癒力上昇、状態異常耐性、環境耐性
魔王の宝物庫……容量無限、内容物不変
魔王の理……思念共有、纏魔、魔力制御、威圧、演算処理、能力吸収
魔王の寵愛……魅了、献上、床上手、絶倫




