表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/46

Epilogue and Prologue

「ついに……ついにこの時が来た!」


 あと五分でサービス開始。

 大人気フルダイブゲーム、イディアルオンライン……通称イディオンの最新作、イディアルオンラインⅡ……

 世界中で一大センセーションを巻き起こした超名作の続編だ。

 私が中二のときだから、三年越しのリリース。

 SNSはイディオンで話題一色。

 みんな神ゲーのサービス開始を今か今かと心待ちにしている。


「あと三分……!」


 やり込みすぎてお母さんに怒られた。

 部活もサボりまくった。

 彼氏……は、いたことないけど甘酸っぱい青春も全てをこの神ゲーに捧げた。


「あと一分……!」


 ああ……すごい熱い。

 身体中に熱を感じる。

 ゲームをするために成績を落とさなかったし、偏差値が高い高校に入るのを条件にアパートで一人暮らしも始めた。


「十、九……!」


 データの引き継ぎもやった。

 もう私を止められるものはない。


「六、五……!」


 いざ、イディオンの世界へ。


「三、二、一……! ゲームスタート!」


 サービス開始直後。

 私は隣の部屋のガス爆発が原因の火事に巻き込まれて死んだ。

 



 ――――――――




 同時刻。


「もうすぐリリースですね先輩」

「ああ。ここまで長かったな」

「終わったら軽く打ち上げでもしますか」

「そうだな」


 イディアルオンライン開発スタッフは、部下と他愛ない話をしながらキーボードを叩いた。


「もう調整終わったんですよね? それ何してるんですか?」

「一応チェックをな。ふぅ、ちょっとトイレに行ってくる」

「はーい」


 部下の女性はチラッと隣のパソコンを覗き込んだ。


「これプログラム? キャラクリ? にしてはコードがおかしいような……次のアプデ用かな」


 まじまじと見ていると、ふと指先がキーボードに触れてしまった。


「あ、ヤバっ! コード書き換えちゃった……どうしよ……」


 直そうと試みたところで先輩と呼ばれた男性が戻ってきた。


「ん? どうした?」

「あ、あは、なんでもないですよ! なんでも!」

「そうか?」

「アハハ……あ、あの先輩、そのコードってなんですか? まさか次のアプデとか……」

「ああ、ちょっとしたAIだよ」

「AI?」

「アルゴリズムに由来しないAIサポートのスキルを取り入れてみようと思ってな。おもしろそうだろ? 歴史上の偉人の力をその身に宿す、なんて」

「へ、へー。そ、そうなんですねー」


 部下の女性は冷や汗を垂らしながら相槌を打った。


「まあ、まだまだ実用段階じゃないから試作品なんだが。……って、あれ?」

「ど、どうかしましたか?」

「いや、データが消えて……」

「ええっ?!」

「どこか違うファイルに保存したか……? バックアップは……おっと、もうすぐサービス開始だ。サーバー管理しっかり頼むぞ」

「は、はいっ!」


 そのデータは、人知れず電子の海を潜った。

 そして――――――――




 ――――――――




 暗い。何も見えぬ。

 ここはどこじゃ。

 わしは死んだはず。

 何故生きておる。

 わしは……いや、最早どうでもよい。

 このまま無明にて散るもよし。

 わしはもう、何者でも――――――――


「死なない! 絶対死なない!」


 闇の先にて光が見えた。


「こんなところで……死んでたまるかぁ!」


 光は燃え盛る炎ではけしてなく。

 わしは其奴に、其奴の輝きに目を奪われた。

 ふと書きたくなった新連載でございます。


『転生から始まる天下無双!私と魔王の自分探し〜燃えて死んだけど二人ならガチで最強です!』


 火人爆命編(かじんはくめいへん)、どうかお付き合いいただけましたら幸いですm(_ _)m


 本日、大量更新あります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ