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2回目のダンジョン

 久しぶりにミランのダンジョンにやってきた。1階層から5階層までは余裕でクリアできた。前回とはだいぶ違う。やはり僕自身強くなっているのだ。そして6階層に降りるとホブゴブリンとコボルト、それにトカゲや昆虫の魔物が混在していた。



「アル!確かにお前は強くなった。だが、油断するなよ。今までと違って毒を持ったやつらや魔法を放つ奴らがいるからな。」


「はい!」



 ティオが言った通り、巨大な蜂の魔物がお尻の針から毒液を噴射してきた。慌てて避けたが、地面が紫色になっている。



「あれはジャイアントビーだ。気をつけろ!」



 ジャイアントビーは上空からこちらに攻撃してくる。地上にいる僕では剣が届かない。すると、ティオが風魔法を放った。ジャイアントビーが耐えられずに地上付近に降りてきた。



「アル!今だ!」



シュッ スパッ

バタッ



 何とか県の届くところまで来てくれたので、僕の攻撃を当てることができた。



”やっぱり魔法を使わないで戦うのは厳しよな~。“


“魔法を使えばいいじゃない。”


”でも、ティオさんに見られるじゃないか!“


”いつまでも隠しておけないわよ。“


“そうだけどさ~。”



 その後、6階層をクリアして7階層に降りた。7階層には大型の昆虫の魔物がいた。



「あれはポイズンスパイダーだ。気をつけろ。」


「はい。」



 巨大な蜘蛛の巣の中心にこちらを睨んでいる巨大な蜘蛛の魔物がいた。巨大な蜘蛛はティオでなく僕に狙いをつけたようだ。ティオが強いと分かっているのだろう。天井に糸を吐きだして僕に向かってきた。



「えい!」


シュッ



 だめだ。僕の剣は簡単に避けられる。逆に巨大な蜘蛛が僕に糸を吐きだした。すかさず横に飛んで避けるが、何度も何度も繰り返されているうちに逃げ場がなくなってしまった。このままではまずい。



「アル!限界のようだな。そこで見ていろ!」



 ティオが巨大な蜘蛛に手をかざすと、手から見えない刃がいくつも飛び出した。その刃が蜘蛛の糸を次々と斬っていく。逆に足場を失った蜘蛛が天井に糸を吐きだして逃げようとした瞬間、ティオが剣を振った。剣から出たすさまじい風が巨大な蜘蛛を一刀両断した。



ドサッ



 やはりティオは強い。剣術と魔法をうまく組み合わせて戦っている。魔法を使わない僕とは大違いだ。



「やっぱりティオさんは強いですね。」


「あの程度の魔物なら余裕だ。」



 その後は巨大なカマキリの魔物や巨大な蛾の魔物を相手したが、攻撃力では僕の方が勝っているのにティオの力を借りないと倒せなかった。当たり前だが、僕の攻撃力は魔法も含めた数値なのだ。魔法を使わなければ剣術の120レベルしかないのだ。



 7階層もクリアして8階層に行くとそこには大きな沼があった。その沼にぷかぷかと浮いているものがいた。



「あれはアリガーターだ。顎の力が半端じゃないから気をつけろ。皮膚も相当固いぞ。」



 水の上に浮いていたアリガーターが僕他の方に向かってきた。水から上がり地面をのさのさとこちらにやってくる。体長3メートルはありそうだ。



「僕にやらせてください。」


「わかった。頑張れよ。」



 僕は剣を抜いてアリガーターに向かって走って行った。アリガーターが口を大きく開けて僕を噛もうとする。僕は大きくジャンプしてアリガーターの背中を剣で突き刺そうとした。



ガキッ



 皮膚が固すぎて剣が通らない。逆にアリガーターが巨大な尾で僕を攻撃してきた。



バキッ グハッ ドサッ



 僕は地面に弾き飛ばされた。口の中に苦い味がした。恐らく血だ。それでも僕は再度アリガーターに向かっていった。同じことを試みたがやはりアリガーターの皮膚を突き通すことはできない。



バキッ バンッ ドサッ



「どうした?私が手伝おうか?」


「いいえ。まだです。まだやれます。」



 今度はアリガーターの正面から目を狙って攻撃を加えてみることにした。どんなに皮膚が固くても目は強化できないと思ったのだ。



デヤー

ガキッ



 僕の剣をアリガーターが口で受け止めた。物凄い力だ。今にも剣が折られそうだ。



”このままじゃまずいな。どうしよう。“


“身体強化して剣に光魔法を流すのよ!早く!”



 こうなったらもう仕方がない。僕が剣に意識を集中させすると一瞬剣が光った。



ズバッ グシャ



 僕の剣は口からアリガーターを切り裂いた。



ハーハーハーハー



「見事だ!やればできるじゃないか!だが、あの光はなんなんだ?アルは魔法が使えないはずだよな?」



 ティオが僕に聞いてきた。何と答えようか悩んでいると草の陰からのっしのっしとアリガーターが6体現れた。僕の額に汗が流れた。もう僕に余力はない。



「アル!アリガーターはこうやって倒すんだ!見ていろ!」



 ティオが手をかざして魔法を唱えると、目の前につむじ風が起きた。巨大なアリガーターが空中に舞い上がり、じめんに腹を見せて落ちてきた。そこをティオが剣で突き刺していく。



グサッ グサッ グサッ



 何の苦労もなくいとも簡単に6体のアリガーターを討伐してしまった。



「やっぱりすごいや~!ティオさんは。僕なんか1体だけでも必死だったのにこんなにあっさり倒しティオうなんて。僕、ティオさんを尊敬します。」


「おだてたってなにも出ないぞ!」



 その後、先ほどの件については何も聞かれなかった。そして、8階層のジャングルエリア、9階層の砂漠エリアもクリアして、いよいよ10階層まで来た。



「ここはボス部屋だ。ゴブリンキングがいるはずだ。気を抜くなよ。」


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