新たな能力に目覚めた4人と再確認するヒーロー
ジョブ確認の儀式が終わった後、聖女リリアンが5人に向き直り、柔らかな声で促した。
「皆さま、次は心の中で『ステータス』と唱えてみてください。神が授けたジョブやスキルの詳細が分かるはずです。」
豪と高校生たちは顔を見合わせながら、言われた通りに心の中で「ステータス」と唱えた。すると、一瞬頭の中に光が差し込んだような感覚が広がり、それぞれの能力が文字となって浮かび上がる。
篠崎 陽翔
•ジョブ:聖騎士
•スキル:
•光魔法:光属性の攻撃・防御魔法を扱える。
•聖盾:光の盾を展開し、仲間を守るスキル。
•聖なる剣:光の剣を出現させ、敵に強力な一撃を与える。魔族やアンデッドに特効効果あり。
陽翔は静かに頷きながら、自分の能力を頭の中で確認する。
「聖騎士か……。魔族へ対する特化型か、後守りのスキルが多いね。みんなを守りながら魔族と戦う役割があるんだね。」
鷹野 莉奈
•ジョブ:魔導士
•スキル:
•全属性適応:火・水・風・土・雷など、すべての属性魔法を使用可能。
•魔力増幅:魔法の威力を増加させるパッシブスキル。
•高位詠唱:複雑な呪文を短縮して詠唱する能力。
「全属性適応、ね。」莉奈は小さく笑いながら呟く。
「これならどんな状況でも対応できそう。なかなか良いジョブじゃない?」
藤崎 美桜
•ジョブ:癒し手
•スキル:
•治癒魔法:傷や病を癒す基本的なスキル。
•回復領域:範囲内の味方を徐々に回復させる魔法。
•リザレクション:戦闘不能状態の仲間を蘇生する高位魔法。
「回復系か……私にできるかな。」美桜は少し不安げに呟いたが、陽翔が優しく声をかけた。
「十分だよ。仲間の命を守れる力は、戦闘では何よりも重要だからね。」
大友 直人
•ジョブ:闘技士
•スキル:
•全武器使用:どんな武器でも扱える才能。
•瞬撃:超高速の連続攻撃を繰り出すスキル。
•絶対防御:短時間ながら無敵状態になるスキル。
「おお、全武器使用か!これめっちゃ強くないか?」直人は声を弾ませながら笑った。
「何でも使えるとか、俺にピッタリじゃん!」
神宮寺 豪
•ジョブ:戦士(ナノマシンの戦士)
•スキル:
•身体強化:常時身体能力を強化する能力。
•身装:ナノマシンの装甲を身にまとい、全能力を10倍に引き上げる。
•武器強化:ナノマシンで武器を覆い、攻撃力を飛躍的に向上させる。
•バイク召喚:ナノマシンによってカスタマイズされた特殊バイクを呼び出す能力。
豪はその能力を確認しながら内心驚いていた。
(ナノマシンの力が、異世界でもそのまま使えるとはな……。まあ、正直に言っても信じられないだろうし、警戒されるだけだろう。)
彼は「普通の戦士」程度に情報を誤魔化し、特にナノマシン関連のスキルについては話さないことに決めた。
高校生たちはそれぞれの能力を共有し合いながら、豪のスキルにも興味を示した。
「豪さんはどうなんですか?」陽翔が尋ねる。
「俺か?まあ、戦士らしいスキルだな。力任せで戦う感じだ。」豪は簡潔に答える。
直人が笑いながら声を上げた。
「やっぱ戦士系は頼れるよな!豪さんなら前線任せられそう!」
豪は苦笑いを浮かべつつも、心の中ではその評価を少し申し訳なく思っていた。
そんなやり取りの後、リリアンが優雅に微笑みかけた。
「皆さま、能力の確認を終えたところで、今日はこれで一旦お休みいただきます。この後、晩餐会を用意しておりますので、ぜひそちらでリラックスしてください。」
「晩餐会?なんか、いいところ連れてってくれるみたいだな!」直人が目を輝かせた。
リリアンは一同を再び導き、神聖な空間から豪華な広間へと案内した。そこには豪華な料理が並び、異世界の新たな生活がゆっくりと幕を開けようとしていた。