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冬前期〜日常(?)〜

撮影も終わり、この共同生活にも終わりの見えてきたある日のこと。互いの仕事や自主練に精を出していた役者たちは鱫史のメッセージによって共有スペースへと集められていた。

礼之「で、結局これなんなんだ…?《13:00 共有スペースに集合》って…。要件も書いてないし、部屋にもどりたいんだけど」

成十「まあまあ…なにか大事な用事があるのかもしれないし!…でも、みんな揃ったみたいだけど…夜詩さんだけいないような?」

おかゆ「確かにィ!んー…呼び忘れたとか?」

心理「それはないんやない?鱫史さんやし」

部屋に集められた役者たちが困惑する中、少しして呼び出した張本人が現れる。一体何事かと注目される中、ぐるりと周りを見渡して満足気に頷いた後、ゆっくりと鱫史は声を上げた。

鱫史「集まってくれた諸君に感謝する。早速本題だが…、皆には協力を頼みたいことがある。夜詩が危険なんだ!」

宗光「なっ、ななな、な、どういうことだ!?夜詩さんが危ないって…!!」

鱫史「実は昨日、夜詩の部屋が何者かによって荒らされたんだ。夜詩は『いつもの事だから』と全くもって気にしてないが、これは一大事だろ?」

おかゆ「えぇッ!?それはフツーに警察案件じゃん!?いつもの事ってどっこと!?」

鱫史「そういうことだ。これは夜詩の紛れもない一大事。だからこそ____」

ごくり。誰とも言えない唾液を飲み込む音が聞こえる。メンバー達の緊迫した空気の中、更に言葉を続ける。

鱫史「俺が真犯人特定して夜詩に見直してもらいたい!そしてあわよくば役者たちに協力してもらって夜詩に意識されたい!!!」

心理「清々しいほど私欲やなぁ」

美弧「一大事なわけだし、そういうのは一旦置いておいてもいいんじゃないかしら?大事な人のために何でもしたいって気持ちは間違ってないと思うけどね…!」

宗光「だ、だよな。なんかそれだとちょっとなんつーか…」

礼之「打算っぽい感じがする。とか?」

宗光「そう!それだ!」

駿平「ぁ宗光の言うとーりッ!純愛はぁ!見返りを求めない!」

鱫史「チッチッチ、甘いな凡人ども。あと数ヶ月したら何があると思う?」

あきら「あと数ヶ月したら?…ああ、健康診断の予定があったな。思い出させてくれてありがとう」

駿平「ええ〜多分この人そういうこと言ってるんじゃないと思うんすけどぉ〜…」

心理「あと数ヶ月…ああ、セントバレンタイン…バレンタインデーやねぇ」

鱫史「そう!大学一年で夜詩と出会って早5年…。これだけアピールを続けているのにも関わらず!バレンタインにチョコレートは愚か!デレすら貰えていないが!今年は一味違う…今年こそは夜詩の愛の告白を勝ち取ってみせるのだ!」

礼之「え、大学からずっとあの状態で片思いし続けてるんすか?よく続きますね…」

どくだみ「まあ…こっちを見て貰えないかも、と思ってもそれだけで割り切れるものでもないんでしょうね。それにしても不憫ですが」

鱫史「やかましい!とにもかくにも、君たちにはその協力をしてもらいたいんだ!犯人探しと、両思い大作戦をね!」

心理「人に協力を頼む態度やあらへんな…まあええよ。人の恋の手伝いをするのは嫌いやないしなあ」

美弧「うんうん。誰かのために何かをしたい、という気持ちは尊いものだもの。お姉さんにももちろん協力させてちょうだい!」

夏目「俺も協力しますよ。といっても演技と料理作ること以外で、となるとなにか役に立てるかな…とはなりますが…はは」

あきら「うん。そういうことなら、丁度役に立てるかもしれない…もしかしたらだけど」

成十「?なにか心当たりでもあるのかな?」

あきら「心当たりではないけど。…少し待ってて」

駿平「ぁいってしまいやしたねぇ…高速で〜…物でも取りに行ったんでしょぉか〜?」

夏目「とはいえ一旦自室に戻る…となるときっと時間はかかりますよね、どうしましょう…」

美弧「まずは現場検証から、といいたいところだけど…慧くんを置いて移動する訳にはいかないわよね」

あきら「ただいま」

おかゆ「エ!?はやくない!?」

あきら「そう?」

高速で帰ってきたあきらに全員の視線が向かう。あきらは息切れのひとつもない涼し気な表情で、犬を、抱えていた。

あきら「うちの愛犬。今日実家から連れてきてたんだよね。ついでに探偵帽を添えてみた」

夏目「お、前にお話していた暑がりポメちゃんですね。本当に大きいな…」

あきら「抱いてみる?結構な重量感だけど」

夏目「いいんですか?ぜひ」

美弧「わ、私も…お姉さんも触ってみたいわ…!もふもふで可愛い…!」

あきら「うん。喜ぶと思うよ」

夏目が抱き上げ、美弧が撫でるとポメラニアンはぱたぱたとしっぽを振り、どこか嬉しそうな表情を見せる。そんな様子を飼い主も満足気に眺めていた。

挿絵(By みてみん)

礼之「え?でかくない?ポメラニアンってこんなサイズ感だったっけ」

成十「ポメラニアンって小型犬のはずだよね?う、うーん…なんだか大きいな…」

あきら「先祖返りのポメラニアンでね。中型犬くらいの」

美弧「ふわふわ…ふわふわよ!ねぇ、よければ成十くんも触ってみない?」

成十「僕?僕はえっと…大きい犬があんまり得意じゃなくて…でもこのぐらいなら大丈夫かなぁ」

美弧「ええ!この可愛さを一緒に共有したいもの!苦手じゃないなら、だけど…!」

駿平「犬ぅ〜、あはは、かわいーなぁ。よーしよし!」

成十「…うん!よしよし…」

心理「うちも触ってええ?」

あきら「もちろん。綺麗な人に撫でられてクロも幸せを感じるはず」

心理「ふふ、嬉しいわあ。礼之くんも触りに行こ?クロくんって言うんやね。あはは、本当にもふもふやなぁ」

礼之「んー…まあ少しくらいなら」

おかゆ「ねェところでなんでこのコ連れてきたん?役に立てるかも、とかいってたけどさあ」

あきら「犬は鼻が利くから、現場検証の時に役に立つかも、と思って。クロは賢いし、なにか手がかり掴めるかも」

宗光「なるほど!!…コホン、まあ、もちろん俺はそういうことじゃないかと思っていたけどな!」

駿平「ぁは、さすが宗光だねぇ〜、分かっててエライエライ〜」

鱫史「ここはペット禁制だが役に立つ分にはいいからね!規則に厳しい夜詩もいないことだし、特別に犬を連れ込んでいたことには目を瞑ろう!」

夏目「それでは早速現場検証にいきます?そもそも星ノ宮さんは今どこにいるんですかね?こんなゾロゾロと行って大丈夫かな…」

鱫史「その辺は大丈夫。夜詩はレッスン室で練習してるからね、心配ないよ!」

成十「それならよかったです!突然こんな大勢で行ったら流石にびっくりさせちゃいますしね」

鱫史の先導で夜詩の部屋へと移動する。ドアを開ければなるほど確かに、部屋は荒らされた形跡が残っていた。本人が片したのだろう、床に落ちたものなどはなかったが、壁際の壊れた間接照明や倒れたままの写真立てなどが惨状を物語っていた。

美弧「これは酷いわね…一体誰がなんのためにしたのかしら」

心理「この倒れた写真立てもガラスが粉々に割れてダメになってるみたいやね」

あきら「ココロさん、触ると危ないよ。怪我をしてしまうと悪いから、ここは私に任せて」

礼之「写真立ても鏡も、全部1度倒された形跡があるね。当時は床も大惨事だったんじゃない?」

どくだみ「星ノ宮さんが自分で…というのは考えづらいですかね。こう、ストレスとかで…」

おかゆ「うぅん…あんましそんな感じには見えないかなァ。人は見かけによらないってコトもあるかもだけどね!」

あきら「とにかく、今こそ探偵犬の出番。ダイ、手がかりを探して」

犬「わふん!」

あきらの言葉でポメラニアンはぴょこんと飛び出しくんくんと部屋中を嗅ぎ始める。本格的な捜査をしているような光景に皆の注目が高まった。

宗光「なんか本格的になってきたな!んー…ところでさっきは犬の名前、クロって呼んでなかったか?」

駿平「ぁ〜やっぱり宗光もそう思った?ぉれもそう思ってた〜。正式名称がほかにぁるとかかなぁ」

宗光「だよな!駿平も聞いてるなら間違いないなぁ…クロに…ダイ…ダイ…クロ…」

駿平「ぁ、黒鯛??」

おかゆ「あ〜、むねみつクンも駿平クンも、よく覚えてんね!でも黒鯛ではないんじゃない!?」

あきら「この子の名前?ブラックダイアモンドだよ」

心理「えらいキラキラした名前やね」

そんな話をしていると、ブラックダイアモンドことポメラニアンが「わふん、わふん!」と声をあげる。嬉しそうにぱたぱたとしっぽを振る姿に何かと見れば…

どくだみ「…台本?」

駿平「台本すねぇ〜…結構年季入ってそうな…タイトルは眠り姫ねぇ…」

夏目「あ、これ、ラベンダーの栞が挟まってます。これに反応したんでしょうか。わんちゃんは肉類とかタンパク質の匂い以外にも、こういう匂いも好きだと聞いたことありますし」

成十「映画の台本も残ってるね。台本類は無事みたいでよかったよ!」

美弧「でも手がかりにはなりそうにないわね…残念」

おかゆ「ん〜、あと推理モノの定番って言ったらやっぱ、聞き込みじゃない!?近くを歩いてる人に怪しい人いなかったか聞き込むとか!」

どくだみ「確かに、それは一理ありますね。昨日のことなら知ってる人がいるかもしれませんし」

宗光「だな!俺の手にかかれば手がかりの一つや二つ分かるはずだ!」

鱫史「ほぉ。そうまで言うなら聞き込みの成果に期待しよう!」

新たな手がかりを求め、役者たちはマンションの近辺を歩く人への聞き込みを開始するのだった。

*****

おばあちゃん「あぁ!?なんやて!?」

おかゆ「だ、だからぁ〜!この近辺で見かけない人みなかったですか!」

おばあちゃん「あん!?君がどこにいったって僕の声で守るよ!?…ぽっ♡年甲斐なくときめいちゃうじゃないのよぉ!」

おかゆ「そんなスキマ○イッチみたいなこと言ってないからァ〜!」

宗光「お…おかゆ…大丈夫か!?」

おかゆ「だ…大丈夫…声掛けたのはウチだし…ちゃんと伝えてみる…!」

おばあちゃん「最近の若い子は元気じゃのぉ」

おかゆ「おばあちゃん!この辺で見かけない人いなかった!?」

おばあちゃん「この辺で見かけない人ぉ?最初からそう言いなさいね。全くもぉ…」

成十「お、おかゆん最初からそう言ってたんだけどね…?」

おばあちゃん「あたしゃ昨日のことなんてろくに覚えてないね!家への帰り道も忘れてんだからね!」

成十「そ、そんな自信満々に!?」

心理「まあ、確かに認知症進んでいてもおかしくなさそうなおばあちゃんやけどねぇ」

美弧「そ、そうね…。お姉さんも元気いっぱいに言われるとは思ってなかったけど…」

夏目「まあ、人間の記憶は確かに脆いものだと聞きますしね。記憶喪失とか記憶転移とか…。その最たるものが認知症ですよね」

おかゆ「んん…まぁ、そだね〜…でもおうち分からないのはヤバいんじゃない!?」

宗光「だよな…よし、俺たちでおばあちゃんを送り届けるぞ!」

おかゆ「お〜!」

宗光「よし…おばあちゃん、なんか手がかりとかないか?お家の外観とか…」

おばあちゃん「あ?ナンバーワンにならなくてもいいだって!?」

宗光「だからSM○Pの話もしてねぇよ!」

おかゆと宗光がおばあちゃんを家まで送り届けるために離脱するが、変わらず手がかりは分からないままだ。役者たちは各々聞き込みを継続することになった。

どくだみ「聞き込むなら近所の公園で遊んでいる子供に聞くのも案外いいかもしれませんね。子供は案外そういった事に敏感ですし」

駿平「あは、そういえばこーみえて体操のお兄さんなんでしたっけぇ?」

どくだみ「ええ、実は。とはいえ小学生の子供はあまり得意ではないのですが…」

どくだみが視線を向けた先には楽しそうに遊ぶ小学生たちの姿。少し迷うも、彼らに向かって歩いていく。

子供1「おにごっこしよーぜ!」

子供2「えー、サッカーがいい!」

どくだみ「ねぇ、君たちに聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

子供1「えーやだ!」

子供2「どうしておじさんに答えなきゃいけないのー?」

どくだみ「……はは、どうしてもダメかな?この辺で変な人を見たとか変わったことがなかったか聞きたいだけなんだ」

目線を合わせるようにしゃがみ、穏やかに語りかけるどくだみに対し、子供たちも少し思いなおしたらしい。どうする?と少し話し合い、結論を出した。

子供1「んー、じゃあ鬼ごっこしてくれたらいいぜ!おじさんが勝ったら教えてやるよ!」

どくだみ「鬼ごっこか…そうだなぁ、分かったよ。寒さもあったかなるだろうしね」

子供2「やったー!おじさん鬼ね!そっちのおじさんたちも一緒にやろうよー!」

あきら「…私たちも呼ばれてる?それなら入れてもらおうかな。速さには自信あるし」

駿平「ぉれは無理すよ〜三半規管弱まってるしぃ…今も目がぐーるぐる!あはは!」

成十「だ、大丈夫…?無理しちゃだめだよ…!」

夏目「そうそう。俺たちはちょっとベンチにでも座って観戦しておきましょうよ」

成十「僕、何かあったかい飲み物買ってくるね…!みんなの分も!」

美弧「それなら私も行くわ、全員分だとさすがに持ちきれないでしょう?」

成十「美弧おねえちゃんも?じゃあお言葉に甘えようかな…」

どくだみ「はは…子供は風の子って言いますけど本当に元気いっぱいですね」

あきら「だね、負けないように頑張ろう」

何か変わったことが無いか聞き出すため、子供たちと鬼ごっこをはじめるどくだみたち。そんな中礼之たちは別の人を相手に聞き込みをはじめていた。

礼之「…ねえ、ちょっといい?」

女子「なに?…え!ビジュ良〜!」

礼之「うん。ちょっと聞きたいことがあってさ」

女子「いいよ!なになに?てかおにーさんインスタ教えてよぉ」

礼之「あ、インスタはいいんだけど…」

女子「きゃー!その顔めっちゃメロい!え、おにーさんに担当変えていい?シャンパン入れるね?はいエンジェルシャンパンひとつ!」

心理「流石礼之くんやなぁ。一瞬で女の子から色んなことを聞き出せそうやし。それにしてもなんや気になるお酒やなぁ。どこに売っとるんやろ?」

鱫史「聞こうとしていない情報ばかり集まってるけどな!さっきから本題については全く聞けてなくて面白いね」

心理「そこはこれから腕の見せどころやね」

礼之「もう…ちゃんとこっち見て、俺の話を聞いて?君の話はその後聞かせてよ」

女子「う、ぅん…♡」

挿絵(By みてみん)

礼之が女子から話を聞き出したところで、送り届けてきたおかゆたちも戻り、鬼ごっこを終えたどくだみたちも合流する。役者たちは聞き出した情報を各々共有し、出てきた情報を鱫史が取り纏める。

鱫史「近所で野良猫の赤ちゃんが産まれた、最近近所で改築工事が増えている…ね、子供の学級新聞じゃないんだからもう少しどうにかならない?」

どくだみ「そうは言ってもそれ以上の話はなかったんですし、ないものは出せませんよ」

礼之「まあ平和ってことなんじゃないですか?」

成十「うーん…とはいえこれ以上手がかりがないんだと犯人は特定できないですよね…」

鱫史「むむ…手詰まりだ…これでは俺のドキドキ♡真犯人当てて夜詩のハートキャッチ♡計画が台無しじゃないか…」

心理「それなら一旦事件は置いておいて、両思いになる方法を考えるのはどうやろ?」

礼之「まあ、その方が早いかもね。どのみち兎鮫さんの話を聞くに星ノ宮さんも犯人気にしてないならポイントアップに繋がるかも分からないし」

宗光「つってもどうすればアピールできるんだ?」

駿平「ぉれとしては正面からアタックするのが1番だとぉもうけど〜…もう十分やってるよなぁ」

美弧「うーん…プレゼントするとか…?夜詩くんに欲しいもの聞いて、それをあげたら喜んで貰えるんじゃないかしら?」

夏目「ああ、確かに。欲しいものを貰ったりとか、して欲しいことをしてもらったりとか。そういうのいいですよね。俺はプレゼントとかではないですけど、作ったご飯美味しそうに食べて貰えると嬉しいですし」

成十「確かにそうだね…駿平くんも、そういうのあるかな?」

駿平「ん〜…まぁ、そうですねぇ。貰って嬉しいもの、とかはないけどやっぱしてもらって嬉しいこととかはあるかな〜?」

成十「そっかぁ。やっぱりそういうされて嬉しいこととか、あるよね…!」

美弧「それなら早速聞いてみましょう!レッスン室にいるって言ってたわよね?」

鱫史「ああ。夜詩の欲しいものか…あるといいけどな…」

成十「きっとあるはずだよ…!バレないように聞き出して、サプライズしてあげよう!」

夏目「ええ。ついでにそれとなく近況とか聞き出せばなにか手がかりあるかもしれませんしね」

偵察部隊となった美弧、成十、夏目が夜詩の元へと訪れる。夜詩といえば筋トレを行っていたようでタオルで汗を拭いながら3人の訪問に首を傾げた。

夜詩「ん?観月さん、成十くん、蔵識くん。3人揃って珍しいね。どうしたのかな?何か用?」

美弧「あ、アーラ、偶然ね!ところで…んんっ、最近どうかしら?」

夜詩「どうって?仕事の話ならまあ順調じゃないかな。ドラマの話も舞台出演の話も上がってるし。スケジュール調整でマネージャーには苦労させてるけどね」

成十「そ、そうなんですね!お疲れ様です…!ところであの、今欲しいものとかありますかっ?」

夜詩「今欲しいもの?んー…水かな。水筒飲みきったからさ」

夏目「水…うーんそれ以外に欲しいものとかして欲しいこととか。そういうのありません?」

夜詩「えぇ?んー…あ、して欲しいことはあるかな」

成十「ほ、ほんとですかっ!それは一体____」

夜詩「自主練。遊ぶ時間も否定はしないけど、撮影が終わったとはいえ君たちは役者人生がまだまだ続くんだ。このプロジェクトに関わった役者として恥じない仕事をこれからもしてほしいからね」

成十「……は、い。ですよね…うーん…」

美弧「そ、そうよね…!私も練習しようかしら!…ちなみに鱫史くんにはどうかしら?して欲しいこととか!」

夏目「あ、直接攻めちゃいます…?」

美弧「し、仕方ないわ…!参考にならないんだもの…!」

夜詩「鱫史?んー…あ、映像の最終チェックさっさと終わらせて欲しい。締め切り過ぎてんのにアイツ何かと理由つけて先延ばしにしてんだよな…」

夏目「………」

夜詩「?え、3人とも黙って回れ右してどうしたの?おーい、おーい?…変なやつらだな…」

*****

成十「鱫史さんっ!ストイックな人相手に締め切り破ってどうするんですかー!」

鱫史「いや…だって…夜詩との共同制作の映画が終わってしまうと思ったら寂しくて…あっというまだったし…」

心理「いじらしい理由やなぁ」

あきら「気持ちはわからなくない。光陰矢の如し、楽しい時間は一瞬だから。ココロさんは違った?」

心理「んー?楽しくても退屈でも24時間に変わりはないやろ。寂しいと感じる人もいるんやね、参考になるわ」

礼之「まあ、どのみち悪手には間違いないけどね、締め切り破り」

どくだみ「それもそうですがあの聞き方はどうにかなりませんでした?だいぶ違和感ありましたけど」

美弧「意識すると難しいのね…お姉さん、後半からの意識がないわ…」

夏目「ひとまず水を差し入れするとして…あとは何かないですかね、アピール」

おかゆ「ヤキモチとかはどう?他の人と仲良くしてたらむ〜ってしたりするんじゃないかな!?」

駿平「ぁ〜ヤキモチ。まぁなんかアピールとしては悪くなさそうねぇ!ああいうクール系の人とかって意外と独占欲強そうだしさぁ〜」

どくだみ「クール系、ですか。参考にできそうな人といえば…水トさんとか。どうですか?」

礼之「俺の場合クールとかではないですけど…まあでも、人並みにはあるんじゃないですかね。独占欲。好きな人には俺だけ見てほしい…みたいな?」

心理「ふふふ。あえて嫉妬を煽るのもひとつの手段やな?」

鱫史「なるほどなるほど。じゃあここはひとつ、壁ドンでもして夜詩の嫉妬を煽ってみよう!」

宗光「壁ドン!?お、俺はもう少し普通のでもいいんじゃないかと思うけどな…て、手を繋ぐとか」

心理「宗光くんはピュアやなぁ。小学生みたいでかわええわぁ」

宗光「!?そんなことはないぞ!俺ももう成人になるんだ、その程度わけもない。うん。経験くらい、ある!」

駿平「この人純粋なんですからあんまからかわんであげてくださいよぉ〜、まーでも、ヤキモチ戦法ぉれも賛成です〜」

鱫史「それなら天使、お前が付き合え。凡人にはなかなかできない経験だから勿論断る理由はないだろ?」

駿平「ぁえ〜、ぉれすか?いいすよ〜面白そぉだし!逆にぉれに負けないように気をつけてくださいね♡」

鱫史「ふはは!望むところだ!夜詩、これで俺に意識させてみるぞ!」

宗光「だ、大丈夫か…?駿平も夜詩さんも…」

夏目「大丈夫…だとは思いますが先行きは不安ですね…」

成十「あはは…うぅん…」

ミネラルウォーターのボトルをもち、意気揚々と駿平を引き連れて夜詩の元へ向かう鱫史を苦笑しながら見守るのだった。

*****

鱫史「夜詩、お疲れ!これは差し入れ」

駿平「ぉつかれさまです〜」

夜詩「ん?あー…鱫史と天使くんか。サンキュ。ちょうど水は欲しかったし受け取っておくよ。で、なんの用?」

駿平「ぇー…特に理由は考えてなかったですけど…」

鱫史「ま、まあ、たまには凡人とも交流を深めようと思ってね。天使の練習を見てやろうと思ったわけだ、うん」

駿平「ぁー、そんな感じっす。うん」

夜詩「俺と言うよりレッスン室に用があったってこと?差し入れ用意するくらいだし俺に用事かと思ってたけど」

鱫史「み、水はたまたまだ!天使に渡してやろうと思って買ったけど夜詩が偶然練習してたからな、差し入れにしようと思って…」

夜詩「天使くんに買ってあげたなら天使くんに渡せば?練習も交流もいいことだし、そういうことなら俺は練習切り上げようかな…」

駿平「ぁー、ぉれは大丈夫っす、喉乾いてないし、ほら、それより…」

鱫史「ま、待ってくれ夜詩、見ててくれ」

部屋を後にしようとする夜詩を呼び止めると、駿平を壁に押しやりチラチラとドヤ顔してみせる鱫史。

駿平「きゃぁ〜!ドキドキするなぁ…」

鱫史「どうだ?どうだ?」

挿絵(By みてみん)

夜詩「どうもこうも…なにやってんの?」

駿平「実はぉれたちこういう関係性でぇ…♡レッスン室にもあーんなことやこーんなことしにきたんだよね〜…♪」

鱫史「ふふん、そういうことだ。凡人にも凡人のいいところがある、ということに最近気づいてね?」

夜詩「へぇ。なんでもいいけどレッスン室使うなら掃除やっといて。俺は事務所の仕事してくるから」

鱫史「あ、うん…」

夜詩「天使くんも、練習はいいけど飲酒状態で過度な運動はしないように。事故とか起きても悪いし、身体にも悪いから」

駿平「あ、はい。…うぅん、なんか酔いも醒めますね…この感じ」

夜詩「そう?ならよかった。練習するなら水でも飲んで少し休憩したあとにしなよ。きっと鱫史もそういうつもりだったんだろうし」

駿平「そういうつもりでは100パーないと思いますけど…そうすね。気をつけます」

夜詩「じゃ、お疲れ様」

ペットボトルを駿平が受け取ると、そのまま夜詩は去っていく。ほろ酔いだった駿平の酔いが醒めたところで計画は失敗に終わるのだった。

宗光「なかなか手強いな…見ている俺は結構ドキドキしたんだけどな…」

礼之「いや、あれは流石に無理があるでしょ。ふざけているようにしか見えなかったし」

心理「そうやなぁ。仮にも役者なんやからもうちょい何とかできなかったんやろか?」

成十「ふふ、一生懸命なのは伝わるんだけどね」

駿平「いや…おっしゃる通りで…もうちょっと鍛えてきます…」

どくだみ「それにしても事件の手がかりもなし、プレゼント作戦も嫉妬作戦も失敗となると…いよいよ手詰まりじゃないですか?」

あきら「うーん、なかなか難易度が高いね、星ノ宮さん攻略」

礼之「攻略法が間違ってるというより詰めが甘い気もしますけど…まあ、苦戦はしそうすね」

手詰まりな状況で役者たちがうーん、と頭を悩ませていると、心理が「しゃーないなぁ」と声を上げる。

心理「うちにも1個考えがある。少し試してみよか」

礼之「考え?心理ちゃんの案なら参考になりそうだね」

あきら「そうだね。ちなみにどんな案?」

心理「これやな。タロットカード」

宗光「はっ、なるほど…!……タロットカードでどうするんだ?」

心理「これで夜詩さんの運命の人を占うんよ。その結果が鱫史さんみたいやったら意識するんやない?」

駿平「タロットカード…それって、自分のこと…とかも占えるんでしょうか…」

心理「占えるんよ。同じようにカードを引いて占うみたいやね」

礼之「まぁ、カードの中に自分を投影するって感じの解釈かな」

おかゆ「うぅん…ウチ的には知らない方がいいことまで知りそうでちょっと怖いなァ〜…」

美弧「運命の人…ちょっとドキドキしちゃうわね…!でもどうしましょう、そのタロットで別の人が占われちゃったら…」

心理「その時はその時やね。神に祈っておくしかないやろな」

鱫史「俺たちは運命のはずだ!きっと大丈夫!」

心理「ふふふ。ええ結果が出るとええな」

鱫史の期待を浴びながらも心理は仕事をこなす夜詩の元へ向かうのだった。

*****

夜詩「今度は誰?…勅使河さんか。どうしたの?」

心理「突然やけど占いとか興味無い?」

夜詩「占い?本当に突然だね…」

心理「うちが夜詩さんの運命の人、占ってあげようかと思ってな。運命の人が誰か、興味無いやろか?」

夜詩「俺の運命ならずっと前から決まってるし、別に興味無いかな…」

心理「まあそう言わんといて。ココロちゃんの恋占い、受けたってや」

夜詩「まあ…いいけどさあ。それで、何で占うの?」

心理「タロットカードやね。引いたカードで占うんよ。1枚引いてみぃ?」

夜詩「了解。ん、これは…『悪魔』?」

心理「よぉ知っとるね。悪魔は『自分に正直な人』。存在感があってよぉ目立つタイプの人やな。叶えたい願いのためならどんな努力も厭わないタイプやね」

夜詩「ふぅん…」

心理「ふふ、今誰か想像したんやない?」

夜詩「してない。これだけじゃ特定は無理じゃない?」

心理「そう?じゃあうちも1枚引いて更に特定しよか。…ふむ、これは『恋人』やね」

夜詩「恋人ね。その結果は?」

心理「コミュニケーションが上手で人の気持ちに敏感なタイプやね」

夜詩「…じゃあ当てはまんないね、人を見下してばっかだし」

心理「へぇ、誰か思い描いてたん?"運命の人"」

夜詩「はぁ!?そんなわけなくない?」

心理「ふふ、そういうことにしとくわ。恋人には楽しいことや面白いことに目がない、何かにハマると長いって側面もあるみたいやよ?」

夜詩「そう…いや、別になんでもいいけどね。とにかく占いは終わったでしょ?なら仕事したいから出て言って貰えるかな?」

心理「そうやな。ココロちゃんの占いコーナーはここでおしまいにしよか。…あ、そうそう。恋人には"恋の始まり"って意味もあるんよ。最近気になってる人がおるならその人が運命かもな?」

挿絵(By みてみん)

夜詩「………あーもう、いいから出てった出てった!社長命令!」

夜詩に促され、心理は部屋を後にする。一連の流れをひっそり見守っていた役者陣に迎え入れられた。

成十「す、すごいすごい…!今までで1番手応えあったよ!」

心理「神が味方してくれたみたいで良かったなぁ」

礼之「すごいのは半分心理ちゃんの話術な気がするけどね。まあ、あの動揺を見るにそんなに悪くない結果みたいだね?」

宗光「そうなのか!?よく分かるな…」

おかゆ「えェっ!?逆にわかんなかったの!?」

駿平「つまりあれですよね。さっきの結果を聞きながら誰か思い浮かべた人がいたというか…」

成十「…気になる人がいる、ってことだよね」

宗光「そういうことか!!」

どくだみ「犯人探しは出来ませんでしたが、まあひとまず1歩進展できてよかったですね。」

あきら「うん…でも、結局犯人は見つからないままか。残念」

おかゆ「だよね〜…ポイントアップとか関係なく部屋を荒らすなんてダメだと思うもん!いくらほしのみやサンが気にしてなくてもっ!」

犬「わんわん!わふん!」

あきら「クロ?ここはマンションだし静かに…」

犬「わんっ!」

ポメラニアンはぴょんと飛び降りるとそのまま静止を聞くことなく階段を駆け上がっていく。慌ててあきら達役者陣が後を追う。ポメラニアンは一室の前で立ち止まるとくんくんと匂いを嗅いだ。

あきら「やっと止まった。…星ノ宮さんの部屋?」

どくだみ「そうですね。期せずして戻ってきましたけど…なんかあったんでしょうか?」

礼之「……とりあえず、入ってみます?」

おかゆ「はぁ…はぁ…早いよォみんな〜!え、入るの?」

ポメラニアンが示すままに部屋に入ってみると、先程よりもやや荒れた印象の部屋。何故、と困惑している中、おかゆの頭に何かがぶつかる。

おかゆ「あいたっ…」

成十「…あー!!犯人はっけーん!!」

宗光「な、なんだと!?」

挿絵(By みてみん)

夏目「あれは…紛れもなく猫ですね。まだ大きくはなさそうだけど…うん、すばしっこそうだ」

宗光「まてっ!まてっ!あっ、そっちは…!」

美弧「ああ…夜詩さんの布団カバーがビリビリに…」

夏目「…なるほど。そういうことか…」

あきら「?なにか思いついた?」

夏目「ええ。台本だけ無事だった理由がついたな、と。ラベンダーは犬は好む匂いですが、猫には毒になるんですよね」

成十「そうなの?知らなかった…!」

夏目「はい。俺も昔人から聞いた程度の知識なんですけどね。犬か猫かで効能が真逆とは興味深いな、と印象に残っていて。つまり誰かにとって毒でも誰かにとって薬になることもある、ってことですからね」

鱫史「なるほどね。つまりあのラベンダーのしおりは夜詩の役者として必要なものを守ってくれたわけだ!感謝しよう!」

礼之「それでいて、聞き込みの成果にも繋がったわけだ」

どくだみ「聞き込みの成果って子猫が生まれたのと改築が増えている…でしたよね」

礼之「そう。改築が増えてこの周辺の建物が変化することで、猫が侵入する経路ができていたんじゃない?」

成十「あ、そっか。それでいてあの猫ちゃんが産まれた赤ちゃん…!」

納得した様子で猫と未だに格闘するおかゆ、宗光を見ると2人は一生懸命猫を追いかけていた。

宗光「このっ!あー…!夜詩さんの服が…!」

猫「にゃぁお」

おかゆ「あーもぉ!とにかく怖くないからこっちにおいでってばぁ〜!」

どくだみ「追いかけると言うより猫に遊ばれてますね…」

はやて「猫ちゃん、嬉しそう。部屋はすごいことになってるけど」

礼之「チェスでもはじまりそうな光景だな」

夏目「うーん、こうなったらなにか餌で呼んでみるとか…何か持ってきてみましょうか?」

心理「そうやなぁ。すばしっこくてどうにも捕まらなさそうやしな」

宗光「いやまて、俺なら当然捕まえられ…る!」

棚の上からぴょんと飛び降りた猫を抱きとめる。猫は「にゃぁ」と観念した様子で自分の足先を舐めた。

宗光「捕まえた!捕まえたぞ…!」

おかゆ「やったね!う〜んイタズラっこだったけど可愛いねぇ…」

宗光「そうだな…」

人懐こいのか撫でられると猫は気持ちよさそうに目を細める。猫を愛でているとやがて玄関のドアがガチャリと開く。入ってきたのは家主である夜詩だった。

夜詩「…は、え?なんでみんな揃って俺の部屋にいるわけ?なんかすごいことになってるし…」

成十「よ、夜詩さん…!これはですね、ええと…」

鱫史「夜詩っ!部屋を荒らした犯人をみつけたんだ。これでこれ以上夜詩の部屋が荒らされることもない!そうだろ?」

夜詩「ああ…大体状況は理解したよ。鱫史は心配性過ぎ。別に気にしてないし気にすんなって言っただろ?」

成十「いくら気にしないでって言っても心配しますよ!部屋を荒らされるなんて一大事ですしっ。それに、大切な仲間のことなんですから」

鱫史「そうだよ。夜詩は無頓着すぎるから心配になるんだよ、これが迷惑ならもう少し警戒心を持って欲しいね!」

夜詩「わかってる。…いつもありがと、鱫史」

鱫史「……!夜詩…!」

夜詩「…みんなもありがと。こいつの暴走に付き合ってくれてさ。この通り鱫史は誤解生みやすい言動するけどさ、悪いやつじゃないし。撮影終わっても仲良くしてあげてよ」

美弧「もちろん!お姉さんに任せてちょうだい!私も皆とこれからも仲良くしたいもの…!」

礼之「まあ、またこのメンバーで作品作れたらいいな、とは思ってますよ。ここの空気、嫌いじゃないですし」

心理「そうやなあ。うちも嫌いやなかったな」

宗光「おっ、俺もだ!!鱫史にはもっと学びたいことがいっぱいあるしな!」

鱫史「タダで教えて貰えるとは思うなよ小僧!」

宗光「えっ!?会費制か!?確かに教えてもらうにはそれも必要か…いくらだ?10万か!?」

鱫史「あーいちいち真に受けるな!俺は別に金には困っていない!」

鱫史と宗光が楽しげに会話を続ける中、それを少し安心したように眺める夜詩。その視線に気づき、心理が声をかけた。

心理「誤解されやすいって心配しとったみたいやけど、宗光くんにはへっちゃらみたいやね」

夜詩「そうだね。宗光くんだけじゃないけど、ここの役者はそういう偏見をしないからね。…その辺は感謝してるかな」

おかゆ「そだねーっ、みんな優しいし!ウチもみんなともっと一緒にいたいなーって思うもん!」

どくだみ「その中に俺も入ってます?」

おかゆ「もちろんっ」

どくだみ「…そうですか。なら、よかったです。…まあ俺も、ここは他より、息がしやすいなと、そう思います」

駿平「そうすね。俺もです。みんな優しくて…へへ。感謝してます」

少し早めのしんみりムードになるも、宗光と鱫史はといえば相変わらずの様子で会話が続いている。

宗光「なんでダメなんだ!?猫もこう…捕まえただろ!こう、こうやって!」

鱫史「自惚れるな坊主。偶然降りてきたようなものだろう」

宗光「ぐ…だが運も実力のうちだ!」

鱫史「はいはい、流石鷹司だね」

夜詩「………、」

夏目「星ノ宮さん、どうしました?」

夜詩「……いや、なんでもない」

心理「…ふふ、青いなぁ」

おかゆ「え?猫ちゃんは白いけどどっこと?なにか青かった?」

心理「こっちの話や。うちもなんかしとぉなってきたわ。礼之くん、付き合っとくれる?小耳に挟んだあのお酒、飲んでみたいしな」

礼之「いいけど…。あれ、一般流通してる感じのお酒じゃないんじゃない?」

心理「そうなん?」

あきら「お酒を飲むならぜひ、同席させてほしい。人が楽しそうに飲む姿を眺めるのが好きだから」

駿平「俺はどっと疲れたっすね…アルコールも切れたし、休もうかな…ふぁ」

夏目「大丈夫ですか?肩でも貸しましょうか」

駿平「んー…どーも…」

成十「あわわ…僕にも何か出来ることあるかな?疲れたならそっとしておいた方がいいのかな…」

窓の外にはふわりふわりと白い雪が降り始めている。冬の寒さは青春の終わりが近いことを確かに告げていた。

無色が青に染まるまで。登場人物が青に染まったというのなら、役者たちは一体、どんな色に色づいていることだろう。彼らは一体、どんな春を迎えることだろう。蒔かれた種は無事に芽吹くのだろうか。

寒さはまだ続き、雪はしんしんと振り続ける。彼らの行く末は、まだ静かに土の中で眠り続けている。

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