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プロローグ2 『クラス一の美少女』の独白

 ――私、水瀬結花(みなせゆいか)は今まで、本当の意味で誰かを好きになったことがない。


 誰かに好意を抱かれたり、告白されたりすることは、これまでに何度もあった。けれど、そのたびに胸の奥には何も響かなかった。


ただ「ありがとう」と笑って、「でもごめんなさい」とそのまま流してしまう。


そういう自分が、時々冷たい人間なんじゃないかと思うこともあるけれど、どうしても誰かを好きになれなかった。


 きっと私は、恋をするのが下手なんだろう。そんな風に、自分を納得させていた。



 私、水瀬結花は「全校男子の憧れの的」とか、「クラスのアイドル」なんて呼ばれているけれど、実際はそれほど特別な人間じゃない。


確かに、周りからはいつも注目されるし、たくさんの友達がいる。けれど、それは表面的なことに過ぎなくて、心の中で本当に「友達」、ましてや「親友」と呼べる人はほぼいない。


 実際に、本当に心から信頼している親友はたった一人、幼馴染の菓子田美咲(かしだみさき)だけだ。

美咲は私のすべてを知っていて、私がどれだけ孤独を感じているかも理解してくれている。


「みんな、結花の外見しか見てないんじゃない?」


 美咲はよくそう言ってくれる。確かにそうだろうとも正直思う。


見た目がどうこうで遠い存在だと思われがちで、私は自分が周りと本当に「仲良くなれた」と感じたことはほとんどない。

クラスの中で一緒に笑っている時も、どこか一歩引いた感覚がある。

自分はあくまで「水瀬結花」という人気者な存在であって、本当の自分はみんなに見せていない。そんな風に感じていた。


 ――そんな私が、彼に興味を持ったのは、ある日のことだった。


 その日も、教室ではいつものように賑やかな会話が飛び交っていた。

けれど、私は何となくその輪の中に入らずに、教室の端でぼんやりと外を眺めていた。そうすることは時々あって、みんなと話すのが億劫な日もある。

そんな時、ふと視線の先に、彼――田中君がいた。


 彼は、サッカー部の柴田君と真剣な顔で話していた。

二人の表情を見る限り、どうやら恋愛相談をしているみたいだった。柴田君が誰かに恋をしているらしく、田中君がそれに対して何かアドバイスをしている様子だった。


 その時の田中君の表情が、なぜか私の心に残った。


 田中君は普段、そこまで目立つ存在じゃない。特別イケメンというわけでもないし、クラスの中で常に中心にいるタイプでもない。

でも、彼が誰かと話す時は、いつも相手のことを真剣に考えているように見える。


それが特に恋愛相談の時は顕著で、まるで自分自身のことのように、相手の気持ちに寄り添いながら話しているのが分かる。


 その姿を見て、私は初めて「彼、面白いかもしれない」と思った。


 今までの私には、そんな風に誰かに興味を持つことがなかったから、その感覚が新鮮だった。


田中君は、他の男子たちとは違った。彼は表面的なことには興味がないようで、いつも相手の内面や本当の想いに向き合おうとしている。それは、私にとって魅力的に映った。


 その後、私は少しずつ田中君のことを気にするようになった。

彼が誰かと楽しそうに話している姿や、恋愛相談に乗っている時の真剣な表情を、つい目で追ってしまうようになった。彼がどんな人なのか、もっと知りたいと思うようになっていた。私はいつしか彼に興味を抱くようになっていたのだ。


 でも、田中君に話しかけるのは少し怖かった。

今まで、クラスの男子たちとは気軽に話せても、田中君はなんだか特別な存在に感じてしまっていたからだ。

彼に「あのクラス一の美少女水瀬結花が話しかけてきた」と変に身構えられるのも嫌だし、何より、自分の気持ちがまだ整理できていないままだった。


 そんな私を見かねたのが親友、美咲だった。


「結花、ずっと田中君のこと気にしてるじゃない。気になるなら話しかけてみれば?」


 美咲にそう言われて、ようやく自分の気持ちに気づいた。そうだ、私は田中君に興味を持っている。もっと彼と話してみたい、彼がどんな考えを持っているのか知りたい。

そんな風に思うようになっていた。


 それから数日後、私はついに勇気を振り絞って、田中君に話しかけることにした。


「田中君、ちょっといいかな?」


 放課後の教室で、私は少し緊張しながら彼に声をかけた。彼は驚いたように顔を上げて、こちらを見た。


「水瀬さん? どうした?」


「恋愛の相談なんだけど……」


 私はそう言いながら、心臓がドキドキしているのを感じていた。もちろん、これは本当の恋愛相談ではない。

けれど、これがきっかけになればいい。私はそう願いながら、田中君に微笑んだ。



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