コードネーム「たまご」
それは静かに現れた。
とある都市のど真ん中。
何処からともなく巨大な白い球体が飛来した。
「なんだアレは?」
「警察は何をしている!?」
「いや、軍隊だろ?」
その球体は周辺の建物や道路を押しのけ破壊し”デン”と構えていた。
質量といい硬さといい地球のモノとは考えられないと素人目にも理解できた。
専門家を名乗る人々も似たような意見だった。
メディアは「巨大な宇宙タマゴ出現か?!」と報道した。
政府の特殊機関がコードネームを「たまご」と発表し慎重に調べる。
「おい、動きだしたゾ!」
異変が起きたのは間もない頃だった。
表面に目、鼻、口のようなモノが現れると途端に腕や足のようなモノが生えてきた。
「うぉ~ん」と唸り声のようなモノを出し、歩き出したかと思うと腕を振り回し都市を破壊し始めた。
「あれはきっと侵略兵器に違いない!」
政府は直ちに軍隊を派遣。地上から空からと攻撃を開始。しかし・・
「歯が立たない!直ちに同盟国にも攻撃依頼を・・」
他国も黙って見ている場合ではない。
こんなモノが大量に飛来して自身の国も侵略されては溜まったもんじゃない。
直ちに大国の代表が、ご自慢の大型爆撃機と最新型戦闘機を派遣。
一気に数十機による集中攻撃で足止めに成功。
「”たまご”沈黙!」
破壊には至らなかったが政府と協力した各国はひとまず胸をなでおろした。
最悪「核兵器」の導入も考えられたが、今の所それ以外の兵器と戦闘システムで対処できるデータも得ることができた。
しかし間もなく”たまご”にまた異変が・・
「おい、大変だ!”たまご”が割れ始めたぞ!」
表面に巨大な亀裂が入ったかと思うと耳をつんざくような快音が響く。
そして中からその割れ目を勢いよく突き破ろうとする巨大な何かが・・
バキ!
”たまご”の亀裂が見事に突き破られ巨大な鋭い尖った何かが・・
そして暗闇の中からいかにも”ギロ”っとしか表現できない何かが”睨み”をきかせた。
そして”たまご”を完全に破壊するとその”巨大生物”はおのれの黄色い巨体をさらした。
人類はあっけに取られた。人として生まれてきてまず見ないことはないあの可愛い生き物。
その巨大な生き物はこの世に生を受けたことに祝杯を挙げるかのごとく雄叫びを上げた。
「ぴよぴよ!・・」
読んでいただいてありがとうございました。
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他にも短編を掲載していますのでそちらもぜひ読んで下さい!w