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1話 失敗はいつでもつきもの

こんにちは!私蒼!苗字?話すのににそんなの必要ないない!


…疲れた。元気な子アピールは疲れる。私は学校の帰り道にこんな事をしている。


「…なんでそんな事するの?」


一緒に帰ってる友達にそう聞かれた。そんなの、理由は一つに決まってる!


「モテるためだよぉ。モテる女子って言ったらお(しと)やかな子か元気な子でしょ?どちらでも無くて、お淑やかにもできないなら元気になるしかないでしょ!」


…実際の所、やっぱり元気アピールも疲れる。あーあ、イケメンとか居ないかなぁ。


「ねぇ、あそこの猫、なんかやばくない?」


あそこの猫?あ、紺色の猫が車道に。そしてトラックが接近。…これ、ジ○リの猫の恩○しじゃね?もうこの際だったら猫のお嫁さんでもいいや!猫可愛いし!あの国平和そうだったし!

…ただ、嫌な予感がする。私は、何か行動を起こすと絶対と言っていい程思うようにいかないのだ。それに、友達が持っているのはテニスのラケット。猫を弾き飛ばしかねない。でも!やらなければ何も始まらない!友達からテニスラケットをぶんどり、猫の元へ駆けていく。


「ちょ、蒼!?何やっての!」


後ろで友達が叫んでいる。…が、止まる気なんてない。今思えば止まっておけば良かったかもしれない。でも、私は止まらず、猫を弾き飛ばした。…うん、なんとなく分かってた。


「あちゃー。やらかし…ってうわ!」


転んだ。見事に転んだ。そして目の前にトラック。うわぁ、私の最後こんなんなのかぁ。ダサいわぁ。


トラックが止まるなんてことはなく、私はひかれてしまった。


――――――――――


目が覚めたら、そこは凄く幻想的な所だった。細かな光がそこら中に散っている。


私が椅子に座りながら景色に見惚れていると、足音がした。音がした方を見ると…なんか、一言では言い表せない者が居た。全世界の動物を足した感じ。そして二足歩行。なのに、不思議と違和感が無かった。


「ねぇ!あなた動物好きだよね!好きじゃ無かったら体を張って猫とか助けないよねっ!ねっ!」


少し興奮気味にその動物から女性の声が聞こえてきた。


「あ、ごめんね興奮しちゃって。でも、野良猫を命かけて守った人なんてあなたが初めてなの!動物の神様として、これは凄く嬉しいことなの!」


…さらっと凄いこと言ったな。何?この人(?)神様なの?って事は死後の世界?やっぱ私死んだのかぁ。どうせならモテ期が来てから死にたかったなぁ。というか、やっぱり嫌な予感は的中してしまった。

その間にも、神様とやらは話を続ける。


「そして、一つお願いがあるのだけど聞いてくれる?実はね《アレニヴァル》っていう星があるんだけど、その世界には魔王が居て、勇者も居て、いつかは勇者が魔王を倒す。ここまでは自然の摂理。…でも、魔王が死んだ後、何故か人間と獣人の間に溝ができてしまい、いつしか戦争にもなってしまう。そんな未来が視えたの。それを、あなたに獣人側として止めて欲しい。」


なんて壮大なお願いだ。こんなか弱い女子一人でなんとかなる訳がない。それに、どうして獣人側に行かなければいけないのか。


「理由は勿論ある。その星には獣人が他の世界に比べて少なく、人間が異常に多い。戦争になったら獣人が勝てる確率はないと言ってもいいくらいにね。それに、獣人になってくれたら私が全力でサポートできるよ!もちろん、それを食い止められるくらい強くしてあげるし、なんでもは無理だけど、ある程度の事なら願いを叶えてあげるよ?」


なるほど、願いを叶える…か。なら、


「分かった。獣人になるよ。そして、私の願いは…モテモテにして!」

「…え?」


神様はキョトンとしている。


「えっと…多分その願い以外にした方がいいと思うよ?人間と違ってあの星の獣人は常に絶滅危惧種みたいな感じだから子孫を残そうと必死なんだ。だから、必然的に(つがい)はできるし、オスはみんなかっこいいし、メスもみんな可愛いよ。」


…いいこと聞けた!なんだその神みたいな種族は!絶対獣人になる!…でもそうなると願い事何にしようかなぁ。


「それじゃあ、何の獣人になるか選ばせて。」

「それ位なら朝飯前だよ!何の種族がいいかな?足が速い方がいい?それとも力強い系?痛いのが嫌だったら防御強い種族とかもあるよ!」


いきなりグイグイ来るようになった。ちょっと怖い。

…やっぱり足速い方が気持ちよさそうかな。


「それじゃあ、足の速い種族で。」

「OK!じゃあオススメ言ってくね!まずは猫の獣人。王道だし、顔の形とかもあんまり変わらないから慣れやすいかも。次は兎かな。見た目可愛いし、耳もいいし、足での攻撃は見た目に反してかなり強いよ!あとはチーターかな。足の速さはトップクラスだし攻撃力も高い…けど、走るとすぐ疲れちゃうし、防御面も少し心許ないかな。あとは…栗鼠とかもオススメ!防御もそこそこ高いし、魔法攻撃が獣人の中では一二を争うくらい強いよ!でも、攻撃が弱いし、尻尾が他の獣人と違って大きいから攻撃とかも当たりやすくなっちゃうかな。それと、鷹とか鷲もいいかも!地上だと遅いけど飛んじゃえばそんなの関係ないからね!他には…」


この後、五十匹くらい勧められた(気がする)。途中から殆ど聞いていなかった。と言うより、聞けなかった。そう、だんだん神様のテンションが上がって、もうこの世の早口を超えている様な速さで話された。

…さて、どの獣人にしよう?まず、チーターは却下。沢山の人を相手にするのに疲れてしまってはだめだからね。あと猫も却下。王道過ぎる。ここはやっぱり冒険したいよね!鷹、鷲もダメ。空飛べるのは確かにいいけど…私は高所恐怖症なのだ!自分から高い所に行くなんて以ての外!そうなると兎か栗鼠か…。


「決めた!栗鼠でお願い!」

「うんうん、栗鼠ね。お安い御用だよ!それじゃあ、一つだけ注意点。あなたは今からある夫婦の子供として生まれる。流石に赤ちゃんが成人よりも強かったらおかしいからLvでステータスが大幅に増えるようにしてある。最初から強敵に挑むと死んじゃうからね。」


ふむふむ、成る程。最初からドラゴン討伐とか考えてたけどそれは無理なのか。少し残念。

?なんか神様が空間をいじっている。


「それじゃあ、転生開始!」


え?いきなり!あの…まだ心の準備が。


「…あ!ストップストップ!あぁ…どうしよう…。」


え?神様?なんか失敗したの?私まともに転生すらできないの?嘘でしょ…。

その間にも私は光に包まれていった。


「ごめん!この埋め合わせは必ずするから!」


はい、失敗確定。超焦ってる。そんな重大な事間違えちゃったのかなぁ。もうなんかいいや。どんな試練でも乗り越えて、モテテやる!

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