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星に願う
君は馬鹿なの?
星に願ったって僕は生き返りはしないのに。
死んだはずの僕は今君を見下ろしている。
身体は半透明。だれも僕がいると気づかない。
これが、霊というやつか。
話しかけても言葉は届かず、
触れようとしても手はすり抜けた。
僕には何も出来ないのだと感じた。
僕が死んでから君は部屋にこもるようになった。
僕が死んでから君は誰とも関わらなくなった。
こんなやつのことなんか忘れてくれればいいのに。
無力な僕はただ苦しむ君の姿を見るだけ。
ずっと君のそばにいるだけ。
だから、君が毎晩星に願っているのだと知っている。
諦めてよ。もう遅いんだ。
死んだ者は生き返ることはない。
幸せになって欲しいのに、もう伝わらない。
無駄なんだ。無駄でしかないんだ。
だから、もう、諦めてよ……