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恋愛系SSのまとめ  作者: 辻谷千晴
1/1

星に願う

君は馬鹿なの?

星に願ったって僕は生き返りはしないのに。


死んだはずの僕は今君を見下ろしている。

身体は半透明。だれも僕がいると気づかない。

これが、霊というやつか。

話しかけても言葉は届かず、

触れようとしても手はすり抜けた。

僕には何も出来ないのだと感じた。


僕が死んでから君は部屋にこもるようになった。

僕が死んでから君は誰とも関わらなくなった。

こんなやつのことなんか忘れてくれればいいのに。

無力な僕はただ苦しむ君の姿を見るだけ。

ずっと君のそばにいるだけ。


だから、君が毎晩星に願っているのだと知っている。

諦めてよ。もう遅いんだ。

死んだ者は生き返ることはない。

幸せになって欲しいのに、もう伝わらない。


無駄なんだ。無駄でしかないんだ。

だから、もう、諦めてよ……



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