8
さて一難去ってまた一難。
今日の予定はきゃっきゃうふふのお買い物♪の前にあちゃっ☆ヴィッツと名乗る青年が!?なんかこの人見覚えあるような... はっ!?ごごご、ご要件は?なになに?イグハーゼが欲しいですって?ええどうしてもと仰られるのであれば... 次回、もう逃げません。お楽しみに!_________
...はぁあああ、国民尊ぶ恐れ多い方が私達の監視ですって!?なんてことをさせるのですか!このバカ教師っっ!
しかしながらなぜ数いる中からわざわざ選びなさられたのでしょう?というか教師の皆様か同じ学年または位の学生でよろしかったのではありませんこと?...あ そうか絶対に逃げ出せないようにのことですのね 教師から逃げ出した前科ここで罰下る。納得!
はぁ、なのですが私両親兄弟ティファート家から接近禁止命令が.........。
感情が不安定に上下するジェットコースターに乗るまでを遡ること鐘半分、つまりは30分前。
ふかふかのベッドに倒れ込み目を休めるとイグハーゼに蹴られ殴られ食べられた。
満足そうな顔にときめかないことは無いが唸り声を上げ...嫌な夢を手放す代わりに射すてらてらしい日光、カーテンを破る勢いの光の槍に当てられ目が開く。
日差しを遮る布を横に引き窓を開けると清々しい風と囀りはなく生ぬるい風と人々の活気のある声と香ばしいたれと食欲そそる食事の匂い。部屋を照らす太陽は真上で輝く。
「んんー!いい昼下がりですこと!」
天蓋付きでは無いベッドで目覚め軽く体を伸ばす。ふわあ、寝足りない。...そうねもうちょっとだけなら.....いえ、なんでもないわ。さて顔を洗ってきましょうか。
睡眠不足はお察しの通り昨夜というより今朝の連行事件?をやり過ごした後犬も食わない2人が対決したいだのと戯言を仰られたので教鞭をとり睡眠不足が及ぼす悪影響についてじっくり、特に美容関係についてグラマラスな女教師に訴え続けること鐘1つ。無事日の出をみながら宿屋に戻れたのであった。解散したはずなのに歩く私達の後ろでのもうひと悶着は耳に入っることはありませんでした。聞こえません、聞こえません青二才の意味を知っていらっしゃるかしらとかお言葉ですがいつ貴方が見つけたのでしょう?色欲魔が、なんですって!!_____なんて全く知らないです聞こえてないです。
なんて思い返していると足音が。おやおやこんなお昼時に変わっている。と思ったらまさかの私の部屋の扉からノックの音。コンコンコンッ。部屋に掛けられている時計を確認してもまだレオとの約束の時間は来ていないし誰かしら。億劫に思いながらも立ち上がりドアへと歩く。
「はい、どちらさまで.....」
警戒もなしにドアノブに手をかけ開けた先には歳はそう変わらなそうな青年がたっていた。優しそうな顔立ちで全くの害意はないようだ。がしかし問題はここから、リュゼに負けるとも劣らない顔面の良さにまるで王子様のようなプラチナブロンドに煌めく髪。コムブルーメの花と同じ種のピンク色に染まったグラデーションメッシュの入ったその御髪はある族に限定して現れるもの。
さらに目につく制服に飾られる普通とは異なる石の色数は2つ。ひとつはエメラルド色の石にもうひとつは黄金色に輝く...要するにとんでもないお方が現れました。
「やあ、君が問題起こした子かな?僕の名前はヴィッツ・アイン・ズィーベ・ドラッフェルト、君達のお見付役ってところかな?よろしく」
「へあ、お、お初にお目にかかりますリューゼルダン・ツヴィングルです。」
叫ばなかった私偉いわ。いるとわかっていて会うのと突然出てくのじゃ心持ちが違うのよ。
初めて目にする王太子殿下、しかも第1王子と違い武魔術両道で魔法に興味を持ち自ら研究を始め民間用魔宝具の開発に力を入れている素敵で素晴らしい御方なのです。しかしながら王位継承権は2番目、あまり国王の椅子に興味がないとの噂で...ですがそんなこと関係ありませんわ!ずっと前から尊敬しておりました!ぜひ私を助手に!!きゃーっわーわー!
...まてまて、落ち着け自を表に爪先程も出すな。相乗り人の気持ちになれ、私がもしも逆の立場だったら困ることでしょう?そうそう、知らない女に媚びを売っている私を想像しましょう。......うへぇ。お祖母様から授かった仮面を被る。
すぅっと息を吸い未だ惚けた頭を切り替える
!
「しし、してな、にゃにゆえに王太子殿下殿が我々の監視なぞにちゅかれたのでしょうか?」
うひゃ、早速噛んでしまった。仮面で表情は隠せても声までは無理でしたわ!
「あははははっ!そんな緊張しないで?リラックスリラックス、僕のことはヴィッツでいいよ。それと堅苦しい言葉はなしにしようか、同じ学生の身分になるんだから、ね?
...それに理由はわかっているだろう?」
ソウチョウ(昼)に殿下にお手を煩わせるほど重大...??
「...!いやいや、え?わざわざ殿下がお越しになられるって...」
読めない笑みで私の腕をジェスチャーで示し話を続ける。まて、... ......?? ボクノコトハヴィッツデイイ?
「その子、契約しないといけないって聞いたんだけどまさか檻を持ってるなんて想定外だなぁ。でもせっかくこの王太子のヴィッツ先輩が特別に許可貰ってきたから交わしちゃわないかい?どうかな?「ぜ、ぜひー
うん!決まりっ!あと赤子の手をひねるかのように同学年相手を伸したんだって?凄いね!見てみたいや!「かしこまりましたー」
「いい子だね。...それとこっちにも個人的事情があるんだ、昔の忘れ形見を探していてね。もしかしてと思って、それに面倒なことだけじゃなくてイイコトもしにきたんだ。そのメリットは君と僕の内申かな?
僕が君たちに着いている間逃げないでいてくれたら罰もちょっと軽くなるかもよ?あの先生の罰って大変だから 」
ぐぅるるる...
「...ふふっ...そうだね、僕、一緒に食べようと思ってお昼まだなんだよね。お腹減っちゃってさぁ」
だからぱぱっと契約しちゃってご飯食べに行こうよ可愛い後輩ちゃん?もちろん僕の奢りだからさ?
右から左へ流れていった言葉に目もくれず興奮状態のスフィアはジェットコースターから暴走列車へと乗り換えた。ブレーキも効かずただひたすらとてつもないスピードでまっすぐ走る。曲がれはしない。
そうだ!こう考えよう、わざわざ許可をお取りになられに行って更に助力もしてくださるですって?事情ってきっとあの鴛鴦夫婦教師の都合ね。きっとそう!まぁ!全く職務怠慢ですわ!と思ったけれど口には出さずとりあえずはじめに心細く今にも沸騰しそうな自分を助けるための踏み出せ1歩!いでよ!瑪瑙の獅子!
即座に行動に出る。
「いいい、いいですけど...ちょっと失礼。
____れお、れ、レオ!!起きてくれ!!」
扉が壊れそうなほどとはならないがそれくらいの気持ちでドアを叩く。.......無礼?いいえそれどころではないわ。私の友達兼第2のお母様起きて!!今すぐ!!
「レーオー!!!」
はっ?!
「なんだよ、騒がしいやつだなもう少しぐらい寝かせ...っておいおいおい、」
とんだトラブルメーカーだなお前って
「お、もう1人のレーヴェレオくんだね?君とは面識があるな。改めてよろしくね」
「はい、こちらこそ。」
事も落ち着き、レオとラレヴぃ、ヴィヴィ..ヴィッツ、殿下!との自己紹介も終わり狭いが中へ入ってもらいお茶を出す。お茶請けはなかったため出せなかったが気にしないでくれと優しいお言葉と王子様スマイル。手が震えていなかったかしら、変なところは?...何よ?男性免疫そこまで高くないのよ!はぁ?!なんでかって?それくらい察しなさいな!心の中で百面相をしていたのがバレたのか首を傾げこちらを見つめる殿下もとい先輩様様。
ひぇぇ、貴方様が王になるにならば一生御国に忠誠を捧げますっっ...!!.........ん"ん"、お祖母様のノリが移ってしまっているわね。昨日もそう...。悪い癖だわ。
「ねえ、リューゼルダンくんとレーヴェレオくんは昔からの仲なのかい?」
「いいえ、知り合ったばかりです。」
「ぇえ!そうなんだ!てっきり昔からの悪友だと...おっと失礼。
その顔、ここまであからさまに出すなんて君たち変わっているね。好きだよそういうの!」
「は、はあ。殿下にそう言われるなんて光栄です。」
さて待たせることは万死に値するのでせかせか動こうではないか。
イグハーゼをご覧になりたい、との事ですのでまずは身から離さず着けていた魔宝具を腕から外す。お祖母様が持っていきなさいを持たせてくれたものだけれどこんなに早く役に立つとはおそるべし未来予知者...。
机の上には淹れたての紅茶がある為ベッドサイドの机を見えやすい位置に移動させハンカチを敷きその上に置く、そして王族の前のミスは致命的になるので一応呪文(呼び寄せ開檻の言葉)を確認し紡ぐ支度をする。ごにょごにょゴソゴソ。杖(仮)を出し軽く腕鳴らし。うん、問題なし。
よし!持ってきていただいたゲージの中に腕輪を入れ準備は整った。
...失礼、お祖母様から連絡が。
すっかり机の上にあるティーカップの中身が冷める。
「長いね、誰からなんだろうか?」
「さぁ?俺にはわかりかねます。」
「...雑になってきてない?まあそっちの方がいいけどさ」
「さっき言ってたじゃないっすか学校ではかたっくるしくしなくていいってだからです」
「君、耳いいんだね」
「はぁ動物的本能ですかね?」
...すーはー、スフィア、落ち着くのよ。
あなたは誰?ノアルカイト、強く賢く隣に並ぶものがいないほど美しく天才肌の人と関わるのが苦手なよく物語に出てくるような氷のような王子様。溶けるとその人だけに特別な表情を見せ出す誰もが妬むような人物像。
今は誰?私自身に変わっている。対にはならないが並で上の中で美人で魔法への探究心は凄まじくその方面では他に勝るものはいないが底意地が悪く気に食わないと誰であろうと蹴散らす悪役の名に相応しい令嬢。
今の私は知ってる他から見れば全くの別人であることを。ノアと自分はにて異なる人物であることを。
刻め刻め、本来失敗の文字など知らぬこの同居人。異なる事はもう出来ない。過ちは犯せない。
「お話の途中失礼致します。お待たせして申し訳ありません。準備が整いましたので「まってましたー!ほらほら!レーヴェくんお披露目だよ!」
「俺は1回見てるんでというか一緒にいましたし。」
「つれないなぁ...」
「...はじめてさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
さあイグハーゼよ出番だ。
ゲージを軽く叩く。コツコツ、トン。
そして、只の言葉は鍵へ価値を変える。
はぁぁ...魔法って便利で素敵!
「...○×△〇□〇△〇□」
なにもない空間から黒い胞子がふわり舞いゲージの真ん中に集まり霧が晴れ姿を現す。
「やっぱりすげぇな...」
ゆっくりと姿を現すぴょこんと長い耳の立ったトゲトゲボディのコロンとした体型のそれはさすが女性人気ナンバーワンの名に相応しい愛玩用魔獣であった。きゅーと!
ゲージからだし胸に抱き2人が座っているところに連れていく。重い...。でもかわいい.....。
「殿下。この子です、どうぞご覧になってください。 ...可愛らしいですよね!このきゅるりとした目に短いしっぽ!普通の毛色は茶色に白に黒が多数であるのは常識になりますがこの子はなんとも珍しい桃色の毛色に金の瞳!ふわふわ度も高く1度触るとしばらく手放したく無くなるような.....どうされました?」
そこにはさっきまでとはうって変わり余裕綽々悠々王子様スマイルだった先輩が驚愕の表情でじっとイグハーゼを見つめていた。これはこれは、
「ツヴィングルくん、この子をどこで...?」
「頭のおかしな...ではなく少しばかりおつむが弱いお嬢さんから譲り受けました。確か商人から買ったばかりと伺ったのでこの街に滞在している魔物商のどなたかでしょう。」
「ああ、君たちが問題起こした原因の子だね。なるほど、
悪いけど事情は聞かないでその子を譲ってくれないか。」
ぴしゃんとあたった、これがキーアイテムというものなのだろう。
「...条件が2つ、ひとつは髪が水晶のように透け輝く人物について調べて頂きたいのです。理由は詮索されないでくださると助かります。もうひとつは_____
晴れ晴れした空の下。街は一番の賑わいをみせている昼下がり、とある3人の男達が降り立つ。1人は勿論照らされ金色に輝くサラサラ髪の持ち主第2王子のヴィッツ殿下。と学園で買えるローブのフードを深く被った顔が窺えない2人。一歩下がってふたり並んで歩く姿はさながら迫力がある。ってこれ昨日もありましたわね。
「...ねぇ、君たちその姿でこのまま行くつもり?」
「はい、そのつもりですが何か問題でも?」
「やっぱりピエロ姿の方が良かったでしょうか?」
「ううん、ローブの方が似合ってるよ。あ、あそこの食事処に入ろうか!うん!そうしよう!」
「え、あはい!」
そんなにもお腹がすいていらっしゃるのね。私も同じですわ。お祖母様から教わった言葉「腹が減っては戦ができぬ」さあさあ沢山食べるわよ!
「ふー、ご馳走様ですヴィッツ殿下」
「ご馳走様でした、美味しかったです。」
「いえいえ、それよりもごめんね。2人のローブ汚しちゃって。」
食事中の事、葡萄のジュースの瓶を殿下が誤って倒してしまったのだ。その先に脱いで掛けて置いておいたローブが丁度在しており現在葡萄が香る真っ黒な顔隠しアイテムがこちらに。もちろん従業員さんが洗濯すると申し出てくれたのだが時間があまりにも足りなく断念したのであった。
「大丈夫ですよ、魔法でどうとでもなりますから。リュゼほらお前の「お詫びにローブの代わりになるものをプレゼントさせてくれないかな?」
「いえ、全然気にしないでください。それに魔法を使えば「いやいやそれじゃあ僕の気が収まらないよ、だから...ね?さあ行こう!」
押し切られ回るはあれ、昨日と同じ服飾店。
「ようこそいらっしゃいました、ヴィッツ様。おや本日は随分と可愛らしい後輩様をお連れで 」
「僕もそう思うよ。早速なんだけどこの子達に服を何着か選んでほしんだ。」
「殿下?!あの、「かしこまりました。ではお坊ちゃん方こちらへ」
懇意にしている店だと店主と客の性格まで似てくるのか話を打ち切り強引に進み出されるまま歩いていく。あ、昨日と同じ風景。でも
「あの方は頑固ですから問答する時間が無駄です、だから気にせず流され..受け入れるのが賢明ですよお坊ちゃん方。
さて、どのような服をご所望で?」
昨日とは違う人間の従業員、似たようで違う店?
店名はっと、一緒...?あらあそこにいるのは昨日のトルマネのふたりだけどホコリが被っている...?
店主が張り切って服を見繕う様子を後目に小さな声で交わす。
「...俺たち別に服は汚れてねぇんだよな。」
「...ああ、思えばヴィッツ先輩も今日はいらっしゃるから囲まれることもないだろうしこのままでもいいんだ。」
「それに気づかなかったのは俺たちの落ち度だな、でもわざと零すなんてあの王子なかなかやり手だな。」
「失敗は誰にでもあるだろ、それを故意だなんてお前結構性格悪っ...人のことは言えないが。」
「いやいやあれは絶対気に入らなかったからだ、っとこれまでにしようぜ。耳に入ったら大変だ。」
「なら言わなきゃいいのにだけだろ」
「お前のために言ってやってるだけだよ、人にかけた呪いはいつかは必ず解けるんだ。盲信するな。」
「気づいてたんだ。」
「そりゃな、はじめてだぜ大声で名前を連呼されながら扉が実際に壊れるほど叩かれたのは」
「あ、あれはなんというか..その必死だったから無意識に強化魔法を自身にかけてたみたいで...」
「...魔法ではリュゼにかないそうにねぇな.....。」
「「...っていうか、
"俺たちはいつまで第2回ファッションショーに囚われ続けるんだろうな..."
「はい次はこちらを、ふむこれではご尊顔に服が負けてしまいますな。ではこちらをおやおや、これでは殿下の隣は歩かせられませんな。ではこれでどうでしょう!うむ、まだ」
時は流れ長きに渡った戦いは終息を迎える。
勝ったのに負けた、いや最初から負け戦だったのだ。体力はすっかり消耗し気力は落ち生気は抜ける、これが女の子の買い物というものなのだろう。昨日の買い物は凄くテンションがハイッ↑↑になったのだが自分の好きなものを選ぶのと人に選ばれるのとじゃ大きく変わってくるのだろう。苦行だった、どの服も同じように見えてきて関心を失いそうだと後に元女の子のリュゼは語る。
「おかえりー、ふたりとも男前になったねぇ、明日もそれ着てねぇ..ふわぁぁあ。今日はあと図書店に行って解散しようか。疲れちゃったし」
「あー、リュゼがもう瀕死なんで俺1人でサクッと行って来るのでどこかで休憩しててください。おい、リュゼ図書店に興味あるか?」
「×」
「わかった、では殿下リュゼをよろしくお願いします。」
「待って、ひとりじゃ持てない量...ってもう見えない。速いな...。」
「茶屋 行きま しょう」
「...大丈夫?」
ニホンのリョクチャとミタラシダンゴというものを注文しレオの帰りを待つ。むぐむぐ、美味しい。トロリとしたあまじょっぱいタレがもっちりもちもちとしたダンゴとベストマッチしている。甘すぎるものが苦手な方でもこの渋めのリョクチャという茶を合間に入れることによって立ち止まることなく食べ尽くすことが出来る。店員さん!もう一本!もう一本!もうやめておいた方が、もーう1本!!
「...大丈夫?」
「えぇ、問題は、ありま....せん...」
「リュゼくんって結構ば、レオくん!おかえりー!」
「り、りぃ.....」
「...リュゼ何があったんだ.....。」
「いやあーね、リュゼくんここのお団子を食べすぎちゃってさ止めたんだけど聞かなくてこの有様さ。」
「そんなに美味しかったのか...」
「ちゃんとレオくんのぶんはリュゼくんが買ってたから後で貰うといいよ。さて帰ってくたことだし解散しよう!じゃまたあした!」
「はい、また明日...ってリュゼを俺一人で運ばないといけないじゃないっすか!こんな荷物じゃ無理ですよ!ちょっ、おい!待て!...くっそ」
「レオ、そんなに、慌てなくても 大丈夫..だ サクッと転移魔法で...うっ、ダメだ酔いそう.....でる、」
「わあああ!わかったから!...お前空間魔法もきっと使えるんだろ?!それでこの荷物収納してくれたらおぶってってやるから早まるな!」
「つか..える、ヴェ、ヴェニケルーニャ。フヌン イーフラリヒ。」
ほいほいと荷物を手際よく詰めるきっと片付け上手なレオにまた母性を感じつつもそれどころではないリュゼは食べ過ぎ時の症状と戦う。餅は腹持ちがいいのだ。
「終わった、よし閉じていいぜ。」
「シュリズン イーフラリヒ、ラシュロス...」
「ったく手がかかる、背中乗れるか?」
「のれる..」
カメより遅いスピードで甲羅になるリュゼ、を軽々おぶるレオ。同じ体格のはずなのになんだろうこの差は、私なら方を貸すので精一杯だ...
「よっとっ、...頼むから絶対吐くなよ。」
「わかってる、これ以上醜態は晒さないとここで誓おう。家名にかけて..ぅ.....しゅっぱーつ...」
「.....この調子じゃ晩飯はいらねぇな。」
てくてく てくてく レオはリュゼを気遣い普段よりも数段ゆっくり歩く。後ろから歩いてきた小さな子に抜かされ更に後ろから歩いてきた嗄れた老婆にも抜かされ地面を這っている芋虫にも抜かされ....
「.....レオ、俺が戻そうとするんじゃないかと不安なのはわかる。だが自慢じゃないが自我を持ち始めた時から1度も出したことは無いんだ。
...のせてもらってる身で言うのも気が引けるが重いだろ、早く帰ろう。」
「...」
「...わかった、正直に話そう。もう具合は良くなったただもう少しだけ楽したくて....悪かった。ごめん、だから下ろしてくれていい。」
「...」
「...レオ?」
「...すぅ.....すぅ.........」
「.....」
「...すぅ...すぅ.....」
「...昨日からずっと走りっぱなしだからな、悪い気づかなくて。.....恩を返す為だからこれは仕方がない。」
これでは当たり前だが目を引く。昨日の子らを対応する体力は持ち合わせていないのだ。
「venkellnnyあ、一応 piarêveっとchaîngiltteresticher」
あっという間にレオの部屋の'中'に着いた、鍵を探すのに眠っている無抵抗な相手を弄るのはちょっと出来なかったので裏技を使わせて頂いたのだ。ん?さっきまでの時間はなんだったんだと呆れないで欲しい。え?犯罪だなんて無礼なっ!魔法阻害の魔法具をお持ちになっていないのが悪いのですわ。人間、満腹中枢が狂うとリミッターが外れ反省はするが後悔はしていないと馬鹿なことを言い始め普段できることが...出来なくなるのだ。
「レオをこのままじゃダメだな、降りないと...うぉ、んー!おりゃ!んぐぐっ!..........全く外れない、こうなったら!
schlfenKorpet"体よ浮け!"」
どうにかベットに横になれた。なんだこの馬鹿力は、同性同格同級なのに全く適わなかった、くぅぅぅ...。でも
「...これはお礼。ferrenakorpeterhoargalnich"----------" Lachelossふぅ、
疲れた..............」