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テレテレチャララララン〜♪

ピエロのピの字もない元の眉目秀麗の姿に戻った!

道化から大変身したからかとてもイケてるメンズになれたと我ながら自負しています!ふふふっ!どやぁ。

...私達って煙たがられるか客寄せパンダかどちらかにしかならない運命なのかしらね。いや、今回は選択が悪かっただけよ!問題ないわ!進め良し!


変な女に絡まれ鬱憤が溜まっていたのだろうスフィアはガツンと悪役を満喫しいつもより晴れやかな顔で最後の仕上げを手早くかつ乱れなしに終わらせ部屋からすぐ出ると同じく支度を終えたイケてるレオが待っていた。アンニュイな横顔もまあお似合いで、貴方も見違えたわね...。ぽけっと見惚れているとそこに腹部からの警告音。

ぐぅうう... 色気より食い気!


「レオ、待ったか?」


「いんや、丁度。」


「良かった、じゃあ戻ろう」


「おっそんなに腹減ったのか?」


「ああ、ペコペコだ。」


宿から出てさっき魔法で飛んだ場所へ歩いて戻ろう、「そこの坊や、お姉さんと1晩どう?」「結構です」と歩きはじめる。おぉー!美味しそうな匂いがするどこのお店にしようか?「おっ坊主、べっぴんさんだな?どうだ俺と一緒に1稼ぎしようじゃないか!」「お断りします」「そこの坊ちゃんこの哀れな乞食に何か恵んで下さりませんか」「遠慮っ(ぐぅー)...このお金でなにか美味しいものでもどうぞ」こんなに声をかけられるのはこの抑えきれない爽やかな笑みのせいだ、ううう、いい青年オーラを背負ってしまった。

中華?フレンチ?ニホン食?想像してるだけでさらにお腹が減ってきた。迷っちゃうわね、こういう時はいつもシュティに決めてもらってたから、うーん、私じゃきめられないしレオに決めてもらおう。とりあえずペコペコなの、早くだべだい...ぐぐぐぅ...

その想いが伝わったのかいや迷いない足取りから気づけばよかったがレオがあるひとつのお店を指さす。自分の店は小さな城と例えるがまさにここの外観は城。セレブリティ溢れる店構え、お金持ちの人向けに作られた料亭は人を選ぶ。だろうに種を尋ねるとなんとまさかのブッフェ!珍しい...しかし全部選ぶなんて貴方賢いわね、いいセンスだわ!最高ね!


「このお店にしようぜ!」


「おう!」


小さなお城のにつきものの門扉を開き中に入る。閑静な城(仮)の中コツコツコツコツと新調した靴がいい音を響かせている。外見から感じられなかった室内の広さ、これはお祖母様の家にかかっている魔法の類だろう。人の気配も薄く感じられないほどだ。ううんもしドコデモドア?というシステムをこっそり導入していてそれが各地にあるのならばそう密会するのにちょうどいい場所になっているのでは?えもしかして危険な場所...?

レオを信じついて歩いていくがなんだか不安になる。だってさっきから本っ当に人影も無けりゃ物音ひとつしないのだもの!私なにか恨み買うことでもしたかしら?それともティファート家自体になに恨み辛みが募ってらっしゃるとか?!...ないない。私を潰すメリットがゼロでしたわ。

スフィアが失礼なことを考えているなんて思ってもいないだろうレオはひとつの扉の前に立つと懐からグラディオーレという花を挟んだしおりを取り出しノブの上にある隙間に差し込む、飲まれていく。するとガチャりと中から年配の男性が出てきた。


「ようこそいらっしゃいました、坊ちゃんとそのお連れ様。こちらへどうぞ。」


「ここ俺の行きつけなんだ、料亭なのにブッフェ形式ってので貴族等には嫌厭されてるがまあお前なら大丈夫かなって。勿論味は保証するぜ!」


"こだわりの逸品"人をおもてなしする際大事の事項である。そういう事だ。

よくよく聞くと本当にそっち系であっち系の方々が会合に使ったりする踏み込み過ぎると危なかった場所であり、なんとヴァミレット家というかレオの兄弟が経営するお店であった。不安と安心が同時に来るって初めての体験...。というかレオに兄弟がいるなんて驚きね、絶対一人っ子だと思ったわ。ほら兄弟がいると自然にお手本になろうとか逆に反面教師にしたりとかでこんな自由奔放な子にならないと思わない?え?思わない...そう、ならいいわ。忘れてちょうだい。

ここのお店は会員制で完全変異型個室なのであっち系の人達がうじゃうじゃ突入してきたりエチゴヤオヌシモワルヨノウ展開を見学することは来ないらしい。ちょっと残念。そうこうしていると料理が目の前に並んできた。オーダー制ブッフェなので立たなくていいのは便利楽ちん大助かり♪...あれ、何この量。軽く見積って10人前以上あるのでは?間違え?いや、私以外誰も変に思ってない。ってことはこれが普通のレオの食べる量ってことになる。っ壮観!見かけによらず大食漢なのね貴方。


食べる前に感謝しお祈りを捧げてから手をつける。給仕さんを下がらせここからは自分で料理を取る。サラダに

はじめはチキンラーメンサラダ、初めて食べるけれど野菜だけでなく麺も入っていることで野菜が苦手でもツルツルいけるのがいい。気に入ったわ。次にお寿司だけれどこれは違う。魚が新鮮じゃないですしシャリがお祖母様宅で頂いたものと天地の差。きっと本物を知らないのね。残念。さてと切り替えてエビチリ頂きましょうか。うーん!美味!職人が研鑽して作られたソースがプリっとしたエビに絡み合う。大蒜が大量に入っているのにそれをあまり感じさせないカバー力。本家を食べたことがなかったのだがこれはもう箸が止まらない。異次元の美味しさね。お気に入りの1品。...おかわりを頂けますか?




---

美味しい、本気で美味しい。

私のほっぺたが落ちるぅ...。

そもそも私の家も兄弟が沢山いるのだから食方面に手を出してもいいのではなくて?全力で応援致しますわよ?って私より兄様達の方が何もかも勝っておりましたわね。



デザートまでちゃんと食らいつくし満足気に店を出る。はぁ〜、満腹満腹。大満足よ!




「本日はご満足頂けましたでしょうか?またのお越しを心よりお待ちしております。」



幸福感に浸い舞い上がっていると同じく満足気なレオが嬉しい提案。

「ちょっと回り道して帰らないか?」


もちろん!



夜風を感じながら辺り散歩する。膨れたお腹を擦りながら遠回りの道を選び帰路に着く。途中ここまで来るまでに捕まったお姉さんもお兄さんも客を引けたのだろう、もうその場所にはいなかった。物乞いの姿も同じく。長らく歩いていると賑わいが落ち着き遠目に自分たちの宿が見えた。


「ふー、久しぶりにこんなに食べたな 」


「...?それは良かったぜ。」


「?ああ、美味しい店はじめてだ、また食べに来たい。」


「当然だろ?何せ俺の店と言っても過言はないからな!ははっ!そうだ、じゃあこれやるよ」


レオが懐から出したものは先程の会員証(仮)のしおり。

「本当に?」


「あぁ、お前なら変なことに使わないだろ?」



「まだ出会って一日も経ってないが.....

...その信頼に値する人物だと認識されているのなら嬉しい。ありがたく貰う」


「おう!失くすなよ?」



グラディオーレ の しおり を手に入れた!


レオの兄弟が営むお店"Versteck(ヴァシュテック)"の会員(仮)になった!ここを魔法愛好会の活動場所2に致しましょう。え?1はもう決まっているでしょう?勿論魔法学園魔法修練場よ!うふふふっ♪団員も1人増えたし今日は良い日ですわ!


鼻歌まで歌ってしまいそうなほどご機嫌なリュゼ。レオが隣にいることと外なので我慢しているが気を抜いたらボロが出てしまいそうだ。そんな彼を我が子を見守るような目で見つめるレオ。見た目が見た目であれば親子のように思えるだろう。ほのぼのしい風景。に



「あの、すみません。」


水を差す聞いたことあるフレーズ。一体今日は何回声をかけられるのだろうか、もううんざりだ。


「...如何されました?」


「使い魔ー、落としてませんか?」


フリフリと振って見せるそれは確かに奪い取ったイグハーゼを入れているもの。男...女性?の手の中にある八角形ダイス型をしているベスコルプが光に反射して輝く。(落としたっ!?)宿で魔物を捕えられる箱の中に仮で閉じ込めちゃんとブレスレットに...付いている(・・・・・)


確かめている間にいつの間にか接近していて手首についている本物のイグハーゼを観察されていた。

「これはこれは珍しいイグハーゼじゃないですかぁ!はー、ふうん.....ほょほょほょっ!じゃあ君たちが逃げた子?」


変わった笑い方で確信に迫られる、うげげっ。悪霊退散、退散ー!!腕を振り払い路地裏にそぉっと逃げようとするがそれもお見通しなのか逃げ道を塞がれる。レオくんや、盾になっておくれ...。少しでも自分を見えなくするためレオをバレないよう矢張りに立たせ変わった教師のマシンガントークに迎撃ってもらう。ババァンッ...


「人違いでは?」


「それはありえない。そのイグハーゼが証拠だよ」


「...珍しいっていっても上位の貴族ならいくらでも手に入りますよ」


「そんなに認めたくないんだ?でもその子契約してないでしょ、流石に今日入荷したんじゃぁね無理だよね?違反してない証拠ってことでプラスはあげれるけど」


「...リュゼ、無理だった」

「むしろ悪かった...」


我々の完敗だった。

「あのクソ女に頼まれてこの時間に出歩く2人組を探してたんだけど学生なんて君たちしか居なくて追ったら大正解!!って?いやぁ運がいい。ふむふむ、いいね君たち!最っ高にそそるじゃん!入学したら"あちゃ"の部に見学においで!」


興奮のあまり唾が飛ぶは飛ぶ。真っ白になったレオの死んだ目を見て本題を思い出したのかひとつ咳払いして話を元に戻す。この世界には話がすぐ脱線する人が多いのだ。

「ん"ん"っとまたズレちゃった、戻るけど。いいかい?ダメだよこれからはそんな悪いことしちゃ。捕まえて色々としないとないといけなくなっちゃうから あちゃとの約束ほらだしなよ指」


「じゅ、十分わかりましたのでそこまでして頂かなくて構いませんわ、じゃない結構です。」

「お、俺も同意見です。」


「残念、じゃあ行こうか。レーヴェレオ・ヴァミレットくんとリューゼルダン・ツヴィングルくん?」


「はぁい....」


名前まで...うぅ、どんな罰受けることになるかしら、反省文で済むといいわね...そう思うでしょ?レオ。イグハーゼちゃん。意地が悪そうな先生から察するに1ヶ月いちばん汚いトイレ掃除とか下手すれば先生らの実験代とか...?ひぇぇ。

養豚場でぬくぬく育てられ出荷される、そんな豚と同じ気持ちになる。そういえばお祖母様がこんな時に合う歌を教えてくれたわね、どなどなどーなーどーなー。


教師は転移魔法を使う気がないのか徒歩で我々を連れる。教師が小さいのでリュゼらはまるで双璧の護衛騎士のよう聳え立つ。顔も強ばり指一本も触れさせないという意思の元重要人物を警護中厳重注意、なんて見えるだろうが実際は病院に連れていかれるのが嫌なペット。顔がいいとなんでも形になってしまうのがこれまた厄介。ざわめく周囲。流石にこの視線は気になるということなので、


「...わかった、転移魔法で行こう。」


***

「うふふっ♡おかえりなさい」


嬉しそう...?いやいやぁ、グラ女..教師様の顔をよう見てくださるかしら?あの米神に主張されている浮き出た血管にどうにか繕う笑顔は目が笑っていないし引き攣る艶のある唇の端。完全に憤怒しております。どうぞ!


「お、お昼ぶりですね先生...?」


「えぇ、そうね。大丈夫貴方たちに怒っているわけじゃないの。このつっかえないコイツに怒っているんだから、一体何時までかかってるのよ!!」


「は?ちゃんと連れてきた 文句あるならあんたが勝手に探してた捕まえてくれば良かったのでは?」


「あんたが!近くに!居るって言ったから任せたのよ!!はぁ、コイツに期待した私がバカっだったわ」


「はぁぁ...手伝うんじゃなかった。」


「は?あんた何様なのよ!だいたいね!そういう態度が...」ガミガミガヤガヤ....


勝手に目の前で喧嘩し始めた教師たち。キャンキャンワーワー。馬が合わないとはこういうことを指すのね。勉強になりますわ...。いっその事今バックれてやりましょうか?どうせ1度捕まった身もう一つや二つ増えても問題ないでしょう?おれもそうおもう。

つまらない寸劇を長々長ーく見させられて段々と2人は悟りの域に達した。憧れていた魔法学園と違う、私の想像する先生方は自分で切り開けない子の未来を導く者。決して連行してきた生徒を前に子供じみた喧嘩をするような大人たちじゃない。



終わりのない寸劇に止める気力もなく2人で無心で手を叩く。ぱちぱちぱちぱち。




...あーあ、思えばノアくんの起こす行動じゃないじゃない、楽しんでしまったけどこんなんじゃもどったときに罪悪感残りそう。ごめんなさいねノアくん...でもだったら早く戻ってくるべきだと私は思っておりましてよ?ふんっ!はえ、もしや、こっちの方もペナルティとかあるのかしら?ないわよね、ないと言ってちょうだい!!思い浮かぶ祖母の顔、よく母は強しと云うが間違いではないだろうか。

何より恐ろしいのはこの場にいないお祖母様、そうメリナ姫...お爺様が浮気なさった時なんてあの、あ、ああああ血が、血がぁああっ!!とまあ血の海になりましたし。阿鼻叫喚でしたわ。私含め。

回想しただけで身の毛がよだつ、足が震える、挙動不審になる.....



「レレ...レ..レオ、俺らどんなペナルティがつくのだろうか」


「...あの姉ちゃんなら凄いの来そうだな...悪い、面倒でも聴取受ければよかったな...。」


「いいや、実行したのは俺だから...」



「なにをぶつぶつ話しているの?また逃げる相談?無駄な足掻きね」


「何言ってるのそんなわけない、この子達はいい子だよ お前と一緒にすんなこのクソ女が」


「はぁっ!?聞き捨てならないわね?愚図女男がっ!やるっての?!いいわ、受けて立つわよ!」


「全くこれだから今でも独身なんだ、」


「もうそろそろやめていただけませんか!!」


勇気ある鶴の一声をあげたレオのおかげで話は進む。これまた長ーい長ーい時間を取られ同じことの繰り返し、喧嘩しては止めさらに喧嘩しては無気力のまま止め朝日が上り始めた頃ようやく罰が与えられることになった。予想していた通り掃除1ヶ月、と女男先生の助手1ヶ月。無事決まったので宿に帰ろうと歩き出すがそうは問屋が卸さない。


「待ちなさい、貴方達にはまだやってもらわないことがあるわ」


「早く帰ってベットと仲良くしたいのですが...ちなみになんでしょうか?」


「あのね拒否権はないのよ?仕方ないから断ってもいいけどやってくれるのなら女男の助手は勘弁してあげてもいいわ、ココだけの話あいつの助手は学校辞めたくなるくらいハードよ」

?を浮かべきゅるんと可愛い顔にキッっと相手を睨む本気な顔。女なのか男なのかどっちなんだろうかと興味を唆られる変人教師は一体何人潰したんだその顔で。

渋っても仕方が無いので引き受けることにした、そう勝負の見届け人を。


「でも後日にしてください、睡眠不足はお肌の大敵ですから...ね?」




そういえば彼女はチェル...チェレ?さんはじめから変だったのよね。だってはじめだけだったもの、普通の女の子に見えたのは。それから目を合わせちゃいけない女へ変化したけれども、...ん?不敬、野蛮、成り上がり、嫌な継母、変な女、変わった、不思議な...?不思議な少女!それに退学... 退学っていったら第1幕兎の王子様に出会う___さらに耳に残る名前、の...チェル、エル、レレ、なるほど。あそういうこと

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