11
...ピィィィィイン、クルクルクル、パシッ。
「あ、また裏だ。」
龍が住むと言われる山の麓、時の流れがゆっくりに感じるだろう長閑な小さな村にある小さな手入れもされていないぼろ家から今日もコインを弾く音が響く。
この村は酷く寂れ真昼の今人っ子一人騒ぎもしなければ物音1つしない、そもそもこの家の他に片手で足りるほどの数しか建物がない。どれも隠居した年寄りだけで若いのは2人しか居ない寂しく静かな場。
国から存在すら認知されているか分からない村で数年前にある旅人と名乗る一人の男が住み着いた。誰の手も借りずその村に新しく家を建てた男は村では浮きただ1人そうずっと1人で己を鍛える変わった男。ふらっと消えたと思えばいつの間にか戻ってる名前も教えてくれなかった変人。そいつは自分に言い聞かせるかのように言う、来るべき時に戻るため強くならねばならぬと。
「またコイントス?あんたここで寝てるかコイン遊びしてるかしかしてないんじゃないの?...ほんと飽きないわね...。で今回はどっちに掛けたの?」
「何度も言ってるだろ?ずっと表だ、俺が待ってるのはな。」
「...なら外れっぱなしじゃない、いい加減変えたら?...じゃなくてほら今日もダンジョンに潜るんでしょ?これ今回の分の食料。」
「助かるわー、毎度ありがとな!っしゃ、行ってくる」
今はまだ足りない。
***
「フィーちゃん今頃学園に着いたくらいかなぁ?うふふっ、あの子ってほーんとかぁわいいんだから♡大好きよ、メリナの救世主様♡
...それでなんの用なの?あなたに構ってられる時間はないの、手短に話しなさい?
ふぅん?メリナに退学を取り消して欲しーの?そう、ならわかってるわよね?チェレエルーレ・ペンデュル、なりそこないヒロインちゃん?」
_______
入学日当日、勿論その日は色々な噂が飛び交い騒々しい朝となった。
今年は他国から王子が一人異国入学してこられるらしい。
あの辺境領の猛獣とのこと次男坊とスラム育ちの平民に悪どい成り上がり男爵の娘と王ノ月と呼ばれる王族直属一家ヒェルメルダ家のが息子が入学するらしい。
そこに並ぶ筈だったティファート家のご令嬢がご病気の為入学を見送るらしい。
悪魔と契約したのではと思われるアハト直前の生徒が退学になるそうではないか。
それと今年のはもう問題を起こした学生がいるらしい。
...等など。
そうそう何より1番の情報はこの国に魔を統べる王が新たに生まれたらしいこと。それに追って誰も知らないような村で聖女が出たらしい!...しかしながらまだ魔を統べる王と唯一渡り合える勇ましい者は見つかっていないとのこと
_____
何度も確認した日付け。
ついに胸弾む、いや胸破裂するほど楽しみとともに緊張の入学日!一週間ご迷惑おかけしましたと領から持ってきた特産物を受付の方へ渡して宿屋を後にした。これで変な噂は立てられないだろう、立てられないだろうとも!鼻歌も最後だ、コルセットのように気を引き締めて、引き締めて...引き締めなければ。散々お祖母様に口酸っぱく言われたのだ、貴方は貴女ではなくて貴方なのって。ややこしいったらありゃしないわ!
一応阻害メガネはかけているが万が一がある。自意識過剰すぎるだろうと笑うかもしれないがこれだけは許して欲しい。学園ではつけちゃいけないのだからだって影の薄い子が着けちゃったら透明になる薬を飲んだ日並に認識出来なくなっちゃうのだもの!あははっ、はは...。
私達が街中で見つかったものなら猪突猛進、多くの婿探し貴族が突っ込んできるだろう。ニンゲンコワイ。コツコツ特訓した結果別人になりすますことまでできるようになったけれど...最近大きな贈り物をしちゃったものだから、ラナが安定しないのだ。自分の体への簡単な変化も微妙に解けかかっているときがあってこの前指摘された。綺麗な髪色が黒毛の中白髪みたいにすぅっと生えてきてるの。もう半分その状態。特に目がちかっと五月蝿いと怒られた、解せぬ。
日陰の道を歩くも目的地へは遠回り、じっくり屋台巡りも兼ねて楽しみきった。しばらくしばらく歩き丁度鐘がなる時間ほどに学園入口ロビー着いた。中はまっさらなところに机があり役目を持つ人が居るだけ。だだっ広い周りを見渡すも制服姿は見当たらない。どうやら最終生徒みたいだ。ならもうメガネは必要ないな。この先は校則に守ってもらおう。
ここでは学園に物理的にはいるために必要なイヤーカフを貰い装着しそこからゴンドラに乗って上へ昇って行くのだ。これがないと侵入者を防ぐ結界でバチーンと学園から追い出されてしまうのである。だからか一度つけたら外しにくい構造となっている。
ふふ、8人乗りのを2人で占領できるのはなんだか気分がいい。
"どうぞお元気で、いってらっしゃいませ"
バタンッと扉がしまった。...ニヤリと笑った笑みが忘れられない。
ゴンドラの中は4人机が2つ横に並んで配置してあり机の真ん中にボックスフラワーが飾られ左右にぎっしり中身が詰まってるケーキスタンドが鎮座している。何故か机にはもうティータイムがセッティングされてるのが不思議でならない、うーん、淹れたてだ。
「...ふははっ、はは、くふっ...あはははは!」
「急に笑い出すなよ、気持ちわりぃな。」
「だって、楽しみで!笑いが、ふはっ..ぐっ.....ぅ.........はー、これっていつでもどこでも飲み放題ってことだよな?ふはっ、ははははっ!...ふぅ、これでしばらく本気な無表情が作れそうだ。」
「それってぇまぁーった、ご自慢のお祖母様か?今度はなんだ、教師と面倒な奴らに目をつけられないように必要以上に愛想良くするなとか言われたのか?前のゴブリン退治ノルマも厄介だったけど何その縛り付けてくる感じ、これじゃあ楽しめねぇじゃんかよなー?」
「なー、これから気が抜けるのはお前の前だけだよ。あーでも人の人生背負ってるわけだし、はぁ。...そうだ忘れないうちにこれ、レオに。餞別、一週間ちょっとの間のお礼。...あと学園で'太陽が登りし照らす間'行動を共にしないことが予言によるとよると更に嫉妬の対象たたたたーんってたちのわるいことされてずだだだーんって暗い未来から輝かしい未来へのピースになるって予言を朝頂いた。」
「..意味わかんねぇ...でその予言はやっぱり」
「お祖母様。」
「...ちぇっ、一気にテンション下がるぜ。何せあのイセカイから来たパヴォーネ姫じゃあなぁ...俺はお前に出会った時身が切り刻まれるような刺激、運命を感じたたんだぜ?そのお前自身と魔法の才にな。なのに暴れ回れないなんて残念だ、あーあ。一緒に学園制覇でも目指してたのによっ!ほんっとにがっかりだぜ。」
「ふはっ、俺たちにできるかな?同じ学年なら落とせるかもしれないがヴィッツ先輩のところは厳しそうだ。」
「リュゼと俺なら確信持って出来ると断言できるぜ?こんど教師に聞いてみようぜ、審判ついでに。ところでお前は勉強の方は?」
「あとは確認次第、」
「そうか、ま お前ならいけるな、...よしダメなのは太陽が昇りし照らす間、なら月が沈みし時はいいんだな?」
「ああ、まってる」
理由なく去らなかったのはそれだけ大事だから。
嘘無く伝えたのは 俺 に出来た初めての友達だから。
____
扉が開き地に足つけた景色は山奥、強い風が吹き抜け目を開けると人と大きな年季が入って蔦が巻き付く学園が現れた。塔があちこちに建つ、首をあげてもてっぺんは見えないくらいに高い。広い演習場に園庭に入口前には槍を片手にもつ甲冑騎士が並ぶ。警備はバッチリ。気分は最高潮!早く中に入りたい!......はぁ、
「-の----でしょ--」
「-す-ど--の----」
「お----きに-----で-」 「----」
ざわざわ、ざわざわ。この騒がしさは本当に苦手だ、煩わしい視線に容姿の評論話。嗚呼鬱陶しい。みないで!だが機嫌の悪さが顔に出ているからなのか誰も近寄らない目も合わない。近くの女は..ふん、話しかける勇気もないくせに勝手に人様をその...学園...び.ん..ランキング?...もっと近くに行かないと読めないわ、もうっとにかく訳の分からない順位表に入れないでいただきたい。ざかざかとメモに万年筆を必死に動かしてそんなに何を...やむを得ないわ、近づくわね。
ん?ふむふむお名前は噂のツヴィリング家のリューゼルダン令息...髪の長さは肩下、色は下半分黒から徐々に現在進行形で変わっているなんて..目の色は翠と朱、黄と桃色光の加減で様々変わる為表せれない?私、セルフイルミネーション...?いやぁ、代償が大きい。...一体何を書いているの?身長体重はさておき、きょ..胸囲?に腰囲?桃の首地区予想に下腹部蛇予想..サイ..?......!?!バッ、えはぁわ..............お、恐ろしい女達だ。ここでお祖母様に教わった知識が為になるとは、
拝啓レオママへ、俺、私こんな中で生きていける自信が無いわ、よ...
はぁ、と吐いたため息が被った。偶然、と思い顔を上げると褐色肌の男の子もこちらを見ていたが目が合うと眉を下げ目を細めて、眉間に皺が寄る。...ガンを飛ばされた?と思いきや怯えた様子でサッとすぐ逸らされた。なんで..ん...?ヒヤリ。鳥肌が立つ、ぞわわ...何か背後に................ひぃぃぃぃ...。何も見てない何も見てない。横目でちらりと見ただけでわかることは般若の面を見たということだけ。そう振り向いてはいけない、いけないのだ!!
狩人のような目付きで私の獲物よと言わんばかりの牽制、しかしながら声をかける勇気はないので本場の女豹の如く周りを威嚇。震え上がる周り。あれぇ、誰も逆らえない立場のお方?はしたないと怒ってくれてもいいのよ?私なら注意するのに。嗚呼、近い未来捕まって食されてしまうのかなー、それともおもちゃにされてしまうのかなー。はっ!?...愛人兼ペットッ?!
何より1番恐ろしい事実はさっきのいい観察眼を持っていた子らとは別の派閥って話....
「.....」
拝啓お祖母様、私に多くの様々なファンが出来ました。
レオといえばゴンドラから降りた後言葉もなくすぐに別れた。これは俺の事を思ってのことだろう。そうであろう。きっとそう!!目を向けると早くも友達らしき人達と楽しげに話している笑い声がここまで聞こえる。そして今その輪に交わろうと画策する者たちが集まり周りを人が囲みつつあった。あ、今人壁が完成して頭しか見えなくなった。くぅっ、この!社交能力が高すぎるヤツめが!...ちょっと寂しい。
...ちらり、..ひぃぃっ.....!
なんて自分の周りと相手の周りを比べその差に気が落ちているとようやく教師が到着したようだ。
非常時別に夜になると動くと言われる甲冑の騎士たちの間をコツコツとヒールを鳴らし髪の毛を靡かせながら歩いてくるのは見知った顔。えーっとたしかナイスバディの美人女性でディ女って言ってたっけ?何か違うな、...あ、目が合った。
「はぁい、注目!皆様ごきげんよう、本日はご入学おめでとうございます。これからこの学園について簡単な説明を...」
話し始めたのにも関わらず静まらない場。耳障りな喋り声。こっちは一人寂しい孤独な学園生活を送る羽目になっているのにうざったい。あーもー!新しい場所に知り合いがいて安心するのはわかるが今は話を聞くべきだ。しー、しー!お久しぶりねと言っている場合じゃない。私だって私だったらお話するけれども!するけれども!!そこの貴女、自慢話なんてしてる暇なんてないだろうよ。ほらご覧になって?口端があんなに引き攣って...おいそこデカブツの熊を1人で狩った話なんて聞いてねぇんだよ!取り巻きも止めろ!教師の顔を見ろ!顬に米の字が浮かんでいるぞ!減点案件、減点案件!と言いますよりえ?その体で狩れるの?周りも同じような体型でまぁ、 ..この豚オークもどきがっ...おっと。
「...と思いましたが揃いで退屈のようですので、すぐに案内しましょう。.....さあ私の後に着いてきなさい?」
とだけ言い残し踵を返し学園内へ戻っていく。諦めが早い。雑草達は少しは耳に入っていたようで言われた通りに大体お家の位順に列をなし歩む。先頭は、まさかの先程のぶ、骨格がしっかりしたガタイのいい男軍団に はんに、雰囲気が他とは違う令嬢たち。まじですかいな。...お、レオだ。取り巻きも多いな。..最後尾のようだ。残ってるいるのはさっきの褐色だ、ふふっ、ぼっちは君と俺だけか。同情の目を向けたら鼻で笑われた、あぁん?.....レオが移ったみたいだ。
褐色と並んで後ろを着いて歩く。前の方では騒がしく会話が弾んでいるようだ。
「...」
「...」
こちらは冷めきっておりますがどうぞ。
「ここは1年教室階、後でわかるけどクラスが別れるわ。手前からA..B.C...
3年生からは位別になるから学年て枠から外れることが多くなってくるの、だから今のうちに仲を深めておく事ね」
はじめは授業棟、2学年の教室にお邪魔させていただいたところ、授業の難易度と価値を確認することが出来た。近くの席にいた先輩が言うに引率教師の授業は適度に外しあの女男の男女?先生の授業は絶対に受けておいた方がいいらしい。ふむふむ、ほうほう。これなら好きな授業だけ見繕ってあとは魔法愛好活動に費やしても問題ないだろう!お祖母様のおかげだ、嬉しい。3学年の教室の前を通った時ヴィッツ先輩を発見、手を振ってくださった。素敵だな。軽く会釈すると片目をパチリ口パクでまた後で、だそうだ。
...おい隣の訝しげな目はさっきの返しか。
1階上がると今度はヴィッツ先輩のお兄様を見つけた。これまた周りに人が沢山居られる。見つけやすい。あの輝かしい御髪とそれに似合う正統派王子らしい気迫、振る舞い、姿勢。はやはり第1王子と名乗るにふさわしい人物だ。まぁ、ヴィッツ先輩も負けるに劣らずですけれど。あ、貶してる...?今この学園にいるめぼしい人物はだいたい見つけられた。そうして各学年の教室を巡ったところで次に講談室、俺とは無縁の場所だ。次!
このさきの階段を降りて登った先に変わった匂いが...おぉぅ、するきっと調合室だ。
「ここが調合室錬金術の授業もここでやるわ。主がアレだから私からのアドバイスは必要以上に近づかない方がいいと言っておくわね。隣は実験室。危ないから近づかない事、だってよく爆発するの」副音声であの女男のせいでと聞こえた気がした。
食堂に学園寮。食堂に足を踏み入れるとにこにこ笑顔が似合う給仕姿の小人達が我々を待っていた。カラフルな色をした給仕さん、赤に青に黄、緑とピンクに黒と白。虹色にとどまらない様々な色の小人さんが私立ちを囲む。黒い子が先頭となっててけてけかごめかごめ。私の膝丈しか身長がなくちょこちょこ歩く姿は可愛いらしくなんだか応援したくなる。がんばって!
この場も目を通すだけの流し歩きの学園巡りかと思いきや教師が大事なものを忘れてきたと戻らないといけないと汗を滲ませ言うのでここで一度大人しく待つことになった。あんなに急ぎ足で、余程大事なものなんだな。
その間カラフリーズの黒髪の小人ちゃんが食堂についてお話をしてくれるらしい。他の子達は各々の仕事があるのでと去っていった。きっと一生懸命話す姿も愛らしいんだろうな。ふふっ、
階段を上がったり下がったりし歩き疲れた1部の生徒が椅子に腰をかけ今度は静かに話を聞く姿勢を取った。バディ女が見たら静かに拳を握るだろう。
黒髪小人は多くいる生徒の視線を受け緊張したのか一度下を向き息を深く吐きだした。
そのまま1呼吸2呼吸吐き出したところで面をゆっくり上げ顔に掛る影が無くなる。と先ほどとは打って変わる感情のない目になりサッとまるで紙芝居の始まりの表紙が抜かれたように一気に恍惚の表情へ移った。え、と戸惑う生徒を置いていきそこから彼女の独壇場に変わる。息を吸う間もない演説が始まった。
「はーい!ようこそいらっしゃいました!新入生御一行様!空気が澄み暖かみがある常に清潔かつ力が湧き出るここは1階食事処でございまーす!2階にも同じくお食事を取れるスペースがございますがそちらはprimaの方限定となっておりますので混みあった中急いで食べるのが嫌な方はぜひ良い成績またはいいお友達を作れることが出来ることを願っておりますね。おっとまだ説明してなかったですね、primaとは学年から最低1〜最大10人挙がる最成績優秀者のことですけれども、今年は大丈夫でしょうかね?はっ、ごめんなさいあなた方には学園へのお導きがあったのですから心配するなんて烏滸がましいですね。」
後ろから輪唱しているように聞こえてきた黒っ子音楽隊。
「ではここでのシステムをご紹介致しましょう!えぇ、こちら位により頼めるものが決まっておりまして上に上がれば上がるほど種類値段味ともに上昇していく形になっております。あちらをご覧下さい、5以上になると頼めるようになる毎月のメニューをホログラムボードに記しているので興味のある方はぜひ。っとと、ですからはじめのうちは値段に相応した味に悄然なさいますでしょうが、何も問題はありません。そんな顔をなさらないで?大丈夫ですよそこの坊ちゃん?努力しのし上がれば良いのです、さあ張り切って上を目指してくださいな。あーそうそう、この学園は私たちが感じるにお金が引くほどかかるようになっておりますが心配はいりません。3まであがられますと学園を通し討伐任務を引き受けることが可能になります。財難に陥った生徒様たちは自分の手で稼ぐことが出来るようになるのでぜひそこまでは退学を考えず親のスネを存分に齧り輝かしい未来のために頑張ってくださいね。小声でしか言えない事なのですが失敗パンならタダで差し上げることができます、困った方はぜひ。これからはきっと魔法能力の時代です、誇れる立派な職と位に着けるように頑張りましょうね!___尚primaに選ばれたのならこれら費用は免除されますよ!いやん嬉しい!努力次第で全てを手に入れられるこんな素晴らしいことは無いことですよね!では皆さん最後に手を胸の前で組んで入学できたことに感謝しましょう。嗚呼、この国内屈指の学園創立者天才魔法師学園長様、魔法を齎し大陸最大国にした功績を持つ神子孔雀姫様に感謝し祈りましょう、フォアフューデ。何をぼーっとしているのですか?祈りましょう。喜ばしく光栄なことではありませんか?ここはいつでも開かれている扉では無いのです、__________ですから、あたしは感謝しているんです。他種族みたいに秀でた能力もないあたしたちを学園の給仕なんて誇れる仕事をくださった学園に_____もはや神様の如く素晴らしいお方!___________ このままでは変わらない、でもあなた達ならできる、選ばれし者のあなた達なら!さぁ学園長の教えの元、愛するこの国をもっといい世界に!_______________ 」
延々と続く話、黒小人語ることが大好きなのだろう。目は燦然とし赤々としており手が忙しなく動いている。
私達は選ばれた存在?学園に拾われなければ将来も暗いただの落ちぶれ貴族?貴族というだけで通える我々は神に愛されている?神とは学園長であり崇め讃える存在?あなたたちはいわば神の子、辞めるなんてありえない?この世の中をもっと良くするため学園のすばらしさを広げていかなければならない...?
頭がおかしくなってきた。
黒い子の目を見つめ話に聞き入っているとなんだか変になってきているような気がし始めた、ので手元に視線を落とす、白い花が目に入る。はわ、いけない。別のことを考えなくては、うん、あ、そういえば教師の名前ってディ女じゃないんだよね...たしかーうーん、えっとナイスバァディ、美魔女、ダイナマイト、ボンキュッボン....うぅーん........っ!!グラマラス!...グラ女だぁ!すっきり!ずっとモヤモヤしてたのよね!
...で、グラ女はまだ戻ってこないのかしら、あぇん?雄弁に語る黒い子の後方の柱から手が伸びている。というか手招いている?え?これが噂の七不思議!?いやぁ、勘弁してよ、幽霊とか怖いの無理だって、むり、むり!!...ん?目をこらしてみると柱の陰に隠れておいでと手招きしているのは食事代が出せず同胞食らいではなく用事を終えたグラ女だった。青白く冷や汗をかく姿...ほー、へー。なるほど、生贄にしやがったのか、ふぅーん。
輪からこっそり抜けグラ女の肩を叩く。そして耳元で囁く、
「...こんな所で何をしていらっしゃるのですか?ご用事がすんだのでしたらお迎えに来てくださってもいいのに.....」
「ひぃっ!........なんだぁぁ、あなたね、もぅ!びっくりしたじゃない!それにバカね、行けるわけないじゃないの!体験した貴方ならわかるでしょ?あの子の説教は3Tなのよ!止まらない、つまら「そうなんですか、それを長々延延と聞かされた我々のことは助けて下さらないのですね」
「もう、何を言っているのよ!現に今こうやって呼んでいるじゃないの!ほらぁ、こっちおいで〜って」
柱から先程より背の低いイソギンチャクを生やして何になるのだ
「...はぁ、あの子可愛いだけじゃないんですよね?小人族お得意の言葉遊びでラナ纏わせていますよね?!早く止めて回収してきて下さいよ!」
しばらくずぅーっとあの子と同じことをつぶやくお人形になっちゃうじゃない!コンナニスバラシイガクエンデマナベルナンテワタシタチハシアワセデス、カンシャシマスガクエンチョなんてレオの口から出るなんて耐えられない。わがままっ子でいいからきいて、全部無理!...呑気なことを言っているグラ女の襟元をおもむろに掴み揺さぶる。
「むーり、むーり...。うっ、もうやめて、で、でるわ、出るわよ!!
あ、あなたね、教師にこんなことしていいと思ってるの?うぅ、..これだから問題児君は..まったく、手のかかる子ね、.......そうだわ!この罰としてあなたに私から魔法使用許可を出してあげるからあの子たちをやつから奪還しなさい!」
話がぶっとんだ。
「...先生がご自分でおやりになられれば宜しいのでは?」
できるわけが無い、恐ろしいこと言うなとばかりに震え怯えながらもグラ女は無理やり高飛車に言う
「バ、バカね、教師は生徒よりも魔法使用について厳しいのよ?たかが初歩の授業の前にわざわざ許可を取りに書面にサインして提出しないといけないし、生徒に魔法が掠りでもしなさい?減給に慰謝料払わないといけないし更にもう1回教習受け直さないといけないのよ!あーあ給料が良くなきゃやってられないわ!.....話がズレたわね、だからこの間の君みたいにホイホイ使えないの。...わかったかしら?」
いやいや何をおっしゃいますか!ヒロインとやらは危険なんです、あれも言葉での説得は難しかったんです。簡単になんか使ってませんよ、はい。反撃しないとこっちが瀕死です、それに正当防衛!正当防衛だったんです!!
「...ええ、十分に。」




