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舘谷葵はまだまだわからない
「…ルー、寝てる?」
「起きてるよ」
「…ありがとね」
「気にすんな」
暗闇の中、寝転がる頬に、すべてを包み込むような優しい感触。
「おやすみ」
葵はCDプレーヤーを止めて眠りについた。かかっていたのはRadioheadの「Kid A」だった。聞いていると落ち着くと言って、いつも葵が部屋で聞いていた。
あれ?
「…」
葵の寝顔を見た。暗くて、よく伺えない。
その実、葵はどこか寂しかったのかもしれない。だとしたら、男でも女でもない葵は普通の、どこにでもいなさそうでいる高校生。
とにかく、俺の中でこの奇妙な友人は親友の立場を超えることはないのだけれど、そんな関係性すら飛び越して葵とは最高の関係を築ける気がするのだ。
な、そう思わないか?




