《源龍来襲1》
首都ボリンシアからパードへの高空
八大源龍の一角、水を象徴する龍である水龍こと、マナ=ウォーは音速すら超えんと空を翔けていた。
本来水を象り、水中行動が最も適す彼には有り得ないことだ。飛龍ならばまだしも音速超えなど他の龍には出来ない、現に一緒に来ている賢龍を置き去りにしている。
そして、また内心で毒づく。あぁ、また待たないといけないのか。イライラする。本来ならば八大源龍の怒りを買った時点で問答無用で処刑可なのだが、相手も八大源龍であってはそうもいかない。腹いせに見栄えで同行させている部下を殴るか。あぁ、早く、早く我が主であった偉大なるキング=ドラゴン様の葬儀を盛大に行い我もお傍に逝かなくては・・・。
賢龍、<知>を象徴するジーア・ラースも内心愚痴っていた。水龍は源龍の内でも古参なので、戦争奴隷と言われても過言ではない様な新参者の賢龍はあまり彼には強く出られないのは当然ともいえていた。なので、賢龍は心の中でのみ其の本音を出す。
はー、またか。何度目であろう。また、マナ殿に置いて行かれた。マナ殿は我等が王の事となると、直情径行になる傾向、癖、習慣・・・ウーン難しい。おぉと、またマナ殿に考え事をしているから遅くなるのだ、とどやされそうだ。
・・・・・・
パード 龍の統治者の執務室
ディゴはこの時期に八大源龍がこのゴブリンの村、集落に来る理由が解らず困惑していた。
ふーむ、何かやらかしたのか、それともキング=ドラゴン様だというゴブリンを恩赦のような感じで不正に無実にしたことがもうばれたのだろうか。しかも、来るのはキング=ドラゴン様への異常、(ごほん、ごほん)な愛で有名なマナ様だからな。あぁ、もう来てしまった・・・それにしても異様な速さだな。やっぱりマナ様がいるんだなぁ、はー。
「よし、皆の者集まったな。只今より、『源龍評議会』からの決議を発表をする。
先に亡くなられたキング=ドラゴン様の葬儀を盛大且つ厳かに全ての集落、町、都市において行う。
それにつき、最後のこの集落で行うものはこの場に集まる全ての者で厳かに行う。ではよいな。」
そう読み上げたマナはこれで楽になれると思った。主のいないこの世は苦痛の方が大きかった。そして、彼の遠くを見た眼が、つまらなそうにする正装と言い難い、薄汚いゴブリンが居た。そして、彼はその不敬なものを見た瞬間飛び出した。最期にその不敬なものを成敗しなくてはと。
正義感に駆られ飛び出したのだが彼はそこで驚愕した。
心情描写多くしたので、その他の内容薄かったらすみません。
「竜」と「龍」特に差をつけてる気はありません。