《最初の仲間作り》
仲間を作るたってなー、うん。計画を立てていかないとな、うん。
やっぱ、流石俺様だよ。こんなことに気が付くんだよ。
この調子だと、頭の良すぎで名乗らなくても、元竜王だってばれちゃうんじゃね。
まあまあ、俺の仲間作りは、ふーむ。
差し当たっては、水竜位か、いやいや、転生したばっかだし遠慮して、とんでも譲歩して、
少し知性の無い残念な竜が野竜位にしとこうかな?
まあ、最初に出会った奴を仲間にすっか。
いや待てよ、まず、俺が仲間を作るのか?
「おーい、そこな緑の猿」
俺が作るなら配下であって仲間じゃないような気が、
「おい、聞いてんのか。そこのゴブリン、我が誰だかわかってんのか?」
やっぱり、仲間なのか。つかさっきから誰かうっせーな。
「おい、そこのゴブリン。お前にちょっと聞きたいk
「さっきからつべこべうっせーな!誰だよ、もう。今、俺は、考え事を、してるんだよ。だまっとけ……………。」
「お、おい、我輩は、この地を治める、竜種であるぞ。……………
「おっとっとー。やっちまったかな。(小声)」
そこまで言ってから思い出した。こんな辺鄙な田舎でも治めさせてる奴には竜種を置いてるんだったな。
(俺だけに権力の集中させないためだ。けして、けっして政治がめんどくさいわけではないぞ。うん。)
こいつはこのパードを治める竜種の木竜の、確か名前を、ディーー、何だっけ?
「おい、思い出したか。そうだ、我は木竜、ディゴだ。」
「おおー、そうそう、そうだった。君はコプラの次男坊のディゴだ!ごめんな。
また、名前忘れちって。まあ許しとけ。」
言われたディゴも動揺していた。
おいおい、なーんでこの低レベルの野郎が我の素性を知ってやがんだ?
おまけに、何故か"キング=ドラゴン"様の口調に似ていたなぁ。
「おい、ゴブリン風情が我の名を気安く呼ぶでない。ただ、心優しい我はその低俗な言葉を聞き流して
なかったことにしといてやろう。」
「ほーう、てめえ、随分見ねー間にちょっとチョーシに乗ってんな!?」
「お、おいてめえこそホントに調子に乗り過ぎだぞ!
ま、まあまあ寛容な我は今一度許しておいてやろうぞ。
それでな、我はお前に聞きたいことがあるのだ。
今さっき"キング=ドラゴン"様の【神言】が聞こえただろう。
そこで一番近かっただろうお前にどこにいったのか聞いてるんだぞ。神妙に答えよ。」
「ふむ。"キング=ドラゴン"そのものであるぞ。これでお前の疑問は解決だな。お前これに納得しないなら痛い目をみてもらうことになるぞ、いいんだな。」
「ほう、それは聞き捨てならないな。今までの暴言を許したからって調子にのんな。
それだけは一番言っちゃなんねーことだぜ。我のことを取り立てて下さった竜王様を騙るなどとな。」
そうして、ディゴは《牽制威圧》を出してきた。
まあ怯んじまったが別に《竜王威圧》を持ってるから関係ないって気付いた。
(すぐに気づけよってツッコミは辞めろよな)
「ふーん、いいじゃねーか。俺様の本気の片鱗見せてやろうじゃねーか!?」
「「ほほう!下等なゴブリン如きに出し惜しみする力があるっつーのか。
フハハハハハー!笑止千万!やれるものならやるがいい。」
「よし、腹に力入れて歯食いしばっとけよ!」
「へっ!!こいや!」
というので俺は半ギレで《竜王威圧》を発動した。
それだけで、ディゴの安っぽい《牽制威圧》を軽ーく雲散霧消させるだけではなく
ディゴを恐怖に陥れるに足りた様だった。生前(?)は常時発動していたので、感覚がなくなってそうだったからちょっと躊躇いつつだったがな。
そっからディゴの態度はそりゃあもう180度変わった。
「も、も、申し訳ございませんでしたーーー。本物の竜王様とはいざ知らず偉そうな口をきいたうえに
あ、あまつさえ、…………」
土下座しながらこう言ってるので、俺もちょっと可哀想になり許してやることにした。
「おい、寛大な俺様はお前の暴言を許しといてやろう。」
「す、すみませんでしたーー」
また一瞬上げかけた頭を地面に擦り付けた。
1時間半かけてようやく俺はこいつから話を聞けるまでになった。
ではではこれから、こいつから話をいろいろ聞いていくかな。