《生まれ変わって第一歩》
ひとしきり集落の人がないところで俺の不遇を叫び散らした俺は、ようやく落ち着いてきた。
そして、俺は元来クールな大人(?)だったことを思い出した。
「ふむ。大人な俺が取り乱すなんてらしくないな。」
と、呟きつつ改めてこれからどうしようかとお調子者にしては珍しくシリアスに考え事をしていると、
「おい、そこのゴブリン。ここで何をしている。ここは既にほとんどのゴブリンは住んでないうえに、昼間は全員が中心へ働きに行っとるはずだぞ。さてはお前、他国から逃げてきた犯罪者か!?」
そう、無礼な口調で話しかけてきたのは、俺の創った治安を守り、俺の指示を隅々まで行き届かせる俺の(元)忠実な部下、竜の下位種、竜人である。
「おいおい。てめえ巫山戯ているのか。畏れ多くも俺は天下の"キング=ドラゴン"様だぞ!控えろ!」
「ハーー?お前こそ巫山戯けるな!我等が主は崩御なされたのだ!その名を名乗るとは無礼者め、引っ捕らえて処刑だ!」
「お前勘違いしてねーか。俺は転生してこんな姿に成っちまったが正真正銘"キング=ドラゴン"様だぞ。
【神言】が聞こえただろう。」おっと、ちなみに【神言】とはこの世界における能力獲得や信仰する神からの御告げのことだ。ま、特に何もないがな。
「ま、まーな。まさかお前は【神言】を悪用していないよな。それは有り得ないし………。」
「おう!!わかったか。よーし、さしあたりお前のスキルを教えてくれ。まあ、特に《風格》系がいいな。」
「本当かなぁ(小声)。しかし、私は《制圧風格》位しか持っていません。それでもいいでしょうか。一応他には、《剣術》も持っています。」
「ふーーん。弱すぎる気もすっが、一応両方教えろ。」
「では、【スキル継承】っと。ぬうーーーー………ん、ハッアーー
よしこれで【継承】されたはずです。どうですかな?」
〔"キング=ドラゴン"がスキル:《制圧風格》、《剣術》を獲得しました。
並びに、力量に合わせて《竜王威圧》へと改変されました。
今の改変により、引継ぎのspが無くなりました。]
ふむふむ、俺様って流石だな、能力進化させちゃったよ。but、butだな………
引継ぎのspが無くなったつってなかったか。
そうなると俺、もう、実力つけるしか、レベル上がらないちゅーことか。
ふむふむ、困ったな、
そんなこと何ぞ考えてた時に、
「今のはキ、"キング=ドラゴン"様の【神言】だな。ってことは、ものほんな"キング=ドラゴン"様だべ、
こら大変なことになりよっとっぞ。」
「おいおい!口調が変わってんぞ!それにさっきから言ってんだろ。」
「これはこれは、大変失礼いたしやんした。貴方様にスキル教えた幸せ一生わすれませぬ。
私の名はサラブでやんす。ではでは、ご失礼を」
ふむ、なんか口調が変な奴であったな。
そしたら、俺は次に一緒に『下剋上』する仲間を探すかな。
まあ、そんなこんなで俺は《竜王威圧》、《剣術》スキルを手に入れた。