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俺って、元竜王で魔王様なんだぜ!  作者: 海で籠城中の青年
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《始まりの転生》

 俺は伝説上の存在とも云われる竜の王様、通称"キング=ドラゴン"なのである…………はずだった。

 でも、今俺の身体を見るかぎり、

 「ゴ、ゴゴ…ゴブリンではないか」

 そう、誰もが知る雑魚の代名詞"ゴブリン"である。

 そして、次に浮かんだそれは誰かに答えを求めたものではなかったが、口にせざるをえぬことだった。それは、

 「どうして俺様がこの雑魚の姿に!?!」

 俺は高い(高かった?)知能によって、俺はつい数時間前(?)のことを思い出していた。



 その時は多くの配下を見据えて、威張りちらしていた。

 「そろそろ、我輩も強大な力をもち、世界最強の一角となったと言えるだろう!なので、我輩魔王を名乗ろうと思う。皆、どう思う。」

 「ははあ、我等飛竜種は、そのご英断を一同心待ちにしておりましたぞ!」

 「そうですとも。この土竜種達は貴方様こそ世界最強だとずっと前から信じておりましたぞ!」

 とか言われて俺、調子に乗ってしまった(もとから調子に乗っていた)。


 そして、俺が魔王を名乗るということで彼奴等も調子に乗って宴会を始めたり、大勢にも吹聴したりしたらしい。

 その時はまだ、ちょっと予想と反応が違ったことに違和感を感じていただけだったが、興奮と祝福に身を包まれ特に気にもしなかった。




 しかし、魔王を名乗りその祝福の宴を行っているとき我は死んだ、正確にはこの世界に存在する五柱の魔王の一人に殺されたのだ。その魔王はたった一言  「貴様のような雑魚には魔王は務まらん」

 そいつは、ちゃちいトカゲだ、などとか失礼なことを言ってきたのは気のせいだろう。

 俺だってちゃんと全力で惑星破壊級の一撃と言わず何発か打ったけども全部エネルギー変換されて吸収された(ように見えただけで根拠はない)。

 まあ新人魔王と世界最強クラスなんて次元が違うわい。



 そして、俺は死んだ後こんな声を聞いた気がする。でもこの言葉は虚ろに聞いたはずなのに妙に鮮明に残っている。

 「貴方には天の掟により三つ選ぶことができます。

  一つ目は、貴方はその自我を失う代わりに今までのような強さを得て転生する。

  二つ目は、貴方の自我を保つ代わりに今までより下位のものに転生する。

  三つ目は、貴方は今までの全てを捨て混沌に還った後に転生する。

  以上です。最後にここでは時は経たないので永遠の時をかけて考えようとも貴方が転生する時は貴方が死んだ時とおなじです。 では。」


 そして、俺の意識は一時的に覚醒した。

 俺は今の言葉が信じられず三日間悩みに悩んだ末に、

 「よし、二つ目だ!! どうせドラゴンの下位種レベルだろう! フハハハハハー、さあやるがよい!」

 

… … … … … ……………



 そして気付くと俺は元々の俺の領土、最も小さいゴブリンの集落"パード"にいた。

 初めは、何故この俺がこんなところに?、と思ったが自分を見て、理解した。

 心の大部分では驚いていたが、どっかではしょうがないなとどっかで諦めている俺がいた。

 まあ、一つ幸いと言えるのか、誕生日から今まで倒した敵にその弱点まで思い出せる。所詮ゴブリンには何も出来ない次元の敵だけどな。

 まあ状況はざっと把握できたけど、けれども、だ…………

 「ドーーすんだよーーーー、これーーーーー!?」

 

 

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