第三十八話 キワムシの妖精さん
「カゲ……なぜここに……」
「遅くなりましたジーナ様」
そう言ってからカゲは私を地面に降ろします。
「それとアラン殿も来ております」
そう言ってからカゲは即座に姿を消しました。
「いやちょっと待て消えんな、今なんて言った」
私の言葉もなんのその、一度消えたカゲの姿は補足できません。ゴキブリ並の気配の消し方で隠れてしまいました。いきなり現れたと思ったらいきなり消える、まさしく裏世界に生きる輩の生き方ですが、消え方が少々早すぎます。ていうか、そのカゲの発言で一つ問題が起きました、そう――
「今アランと言っていたな」
クソザコ竜人女が私の方を見ているのです。
轟々と全身から炎が燃え上がっているこの女、その熱気を受けて私が焼きエルフになりそうなのも問題なのですが、そんなことより一つ気になることがあります。そう、この女、マッパなのです、そのマッパが熱い視線で私を見ているのです。
もうほんっとう、吹き上がる炎が彼女の衣服を焼いてしまったのか完全素っ裸、どう見ても変態さんです。もしも彼女がレズだった場合、ジーナちゃんの貞操は大変残念なことになってしまいますよ。
「アラン師匠を知っているんですか?」
「知っているなんてものじゃない、私達はヤツに負けたんだ!!」
そうですか、ここにもアラン師匠の犠牲者が一人。なんでしょうか、急に親近感が湧いてきましたよ。
「だからアランについて知っていることを洗いざらい全て吐け」
なるほど、師匠についての情報が知りたいと、ふむ。
「では私の知っていることを話しましょう。まず師匠に弱点はありません。毒に対してもほぼ無敵、呪いについてもほぼ無敵、対空攻撃から近接攻撃までほぼ全て完璧でリリーさんいわく、上位の竜でやっと対応できる存在らしいです。備考として、変な天竜と一緒に私のストーカーとなって人生につきまとってきています。お願いします助けてください」
はい、あらためて見るとほんとうにどうしようもないですね。これが私の人生にこれからもつきまとってくると考えると恐怖で身震いしてきました。
私の言葉を聞いていたこの女が、腕を組んで悩み始めます。
「天竜?」
「はい、セレストとかいうクソガキ天竜です」
「その天竜がどうかしたのか?」
「なぜか私を殺しに来ています。ちなみに私がなにかやったとかではなくて、話し始めたその瞬間に殺し合いが始まりましたから、相手方の殺戮本能が強すぎるのがおそらく原因ですね。知り合いですか?」
「私達を捨ててアランを選んだ裏切り者だ。あいつもアランと一緒に殺すつもりでいる」
ほー、へー、あのクソガキも、ほほー……あれ、この竜人さんいい人では?
ちょっと状況を整理しましょう。この全裸女、方法はともかく拷問一歩手前であった私をあの部屋から逃してくれました。こいつがいなかったら今頃、ジョンと太郎の二人によるジーナちゃんの体を使った拷問フェスティバルが開催されていたのは間違いありません。
つまりこの人は私の恩人で、しかも師匠とクソ天竜の二人を殺すつもりであると……あれ、この御方は私の味方では?
考えれば考えるほど、この人が救い主に見えてきました。おかしいな、私のメシア様が目の前で全裸になっておられるぞ。
ちょっと目頭が熱くなってきました。今まで、こんなに人に優しくされたことがありますでしょうか。いや別に優しくされたわけではねえな、腹に飛び蹴り打ち込まれて鳩尾ショックやられたし。
「まあとりあえず、師匠を討ち果たすというのなら全力でサポートしますよ、なにか欲しいものでもありますか?」
「じゃあお前の命をよこせ」
あらあらうふふ、私の命ですか、うふふ。
「いや、なんで私の命を取るんですか、こっちは全力で協力するって言ってんだろ!!」
「お前はアランの大事な弟子なんだろ、そんなやつを殺したら良い嫌がらせになるじゃないか」
わお、こいつ頭の中身、完全に裏社会の人員のそれです。
「できればあいつの家族や友人含めて殺したいが、それについては知らないみたいだしな。今回はお前だけにしておこう」
すげえなアラン師匠、あいつのせいでどんだけ私の命狙われるんだよ。あいつに弟子入りしたいとか願ってた昔の自分をぶん殴りたい。今ならわかります、なぜリリーさんが私の弟子入りを止めていたのか。そらこんな奴らに狙われ続けるとなったら止めるに決まってるわ。
「いえいえ、まずは話し合いをしましょう、話し合えば私への好感度うなぎのぼりでアヘアヘになりますよ。私、言葉だけで貴女を絶頂させる自信があります。褒め殺しのエルフと呼ばれた私の力を見せてあげますよ」
「いや、今でも私はエルフのことは大好きだぞ」
「本当ですか、それなら私のことも大好きってことでいいですね」
「あいつら丸焼きにすると美味いんだ。お前もすごく美味しそうに見える」
なんとエルフは丸焼きにすると美味しいらしいです、それは知りませんでした。豚の丸焼きだとか鳥の丸焼きだとかなら食べたこともありますが、エルフの丸焼きは流石に食べたことがありません。同じ美食家として、今日はとても深いお言葉をいただきました。ではそろそろお家に帰りましょうか。
「俺の名前はフィーネと言うんだがお前は?」
「私の名前はジーナと言います、フィーネさんですか、素晴らしい名前ですね。ということで逃げていいですか」
「じゃあ今日の晩飯はジーナの丸焼きで決定だ。どんな味だったのかオレの心の中に刻んでおいてやる」
そう言うと、フィーネの奴がふっと息を吐き出しました。なにしてんねんこいつと思いながらそれを見ていると、いきなりその口から炎が出てきて私に向かってきました。
「ほわっ!!」
反射神経全開で魔法の障壁を張ってそれを防ぎます。手のひらに障壁越しの熱が襲いかかってきて、やけど寸前の痛みが襲ってきました。
「あっちいいいい!!」
「今のを防ぐのか? 食べる場所を残そうとしすぎて手加減しすぎたかな」
そう言ってから奴が思いっきり息を吸い込みました。いけません、これは溜め攻撃ってやつです。
今日、何度目かの走馬灯が脳裏を横切りました。もう実家のような安心感をこれに感じていますが、走馬灯が実家というのは流石に言いすぎかもしれません。せめて別荘くらいにしておきましょうかね。
そして、その走馬灯さんが見せ始めたのは師匠との戦いの記憶。師匠がなんかすっげえタックルかまして私を全殺ししようとしていたあの時の記憶。そう、あの時も確か死ぬ寸前になった所で助かったはず。それはなぜか、それは……テレポートの腕輪のおかげ!!
この危機の中で、ついに私の隠された力が発揮されようとしています。どうやって腕にはめているテレポートの腕輪が発動するのかは知らねえけど、テレポートさえ発動すればきっとここから逃げられる。覚醒せよ私の才能!!
そう思いながら腕輪に魔力を流しますが、当然のようにテレポートは発動しませんでした。そんな事であーだこーだと時間を潰していると、フィーネとかいうクソ竜人が口から巨大な炎の球を吐き出します。
「んがあああああああああ!!」
両手を前に出して魔力のバリアーを張って全力で防御。攻撃が来るまでの貴重な時間を完全に全くクソみてえに無駄にしたおかげで術式もなし、回避もなし、完全に力と力のガチンコ勝負。急速に体内の魔力が枯渇していく中で死にたくねえ一心で魔力を搾り取ります。
暑いときついと苦しいと汗と涙と鼻水といろいろな要素が私から発揮されていく中でなんとか攻撃を防ぎきります。しかし、魔力が空っぽの私は膝から地面に崩れ落ちました。
「おーやるじゃないか、よく防いだな」
クソがなにか喋ってますがよく聞き取れません。指一本動かすのもつらい、あ、なんか目の前に小さい妖精さんが見え始めてきました。だめだめまとわりつかないで、髪引っ張っても私動けない、もう私は丸焼きエルフになるしかないの。
「でも、もうお前も抵抗できなさそうだけどな」
弱肉強食、自然の掟に従うならば我が身の弱さを呪うしかありません。といってもそれで納得いったとかではなくて、当然死んでも恨んでやるからなこのクサレ竜人が、肉片一つになったとしても腹の一つや二つを壊してやる。
脂肪一つ一つに呪いの念でも込めるかと思っていると、先程からちらほら見える妖精さんが、なんかコップに入った飲み物を持ってきました。
そのコップの中には緑色のドロドロした液体が入っています。細かく書くと大変おグロイので軽く描写すると、粘性の高い緑色の液体に虫っぽい足がちらほら見えるなんかすっげえ飲み物です。
え、なになに、これを飲めば元気一杯、キワムシをミキサー使って飲み物にした栄養10000%飲み物ですって? 100%以上の数字とはどういうものなのかを人類の胃腸に教えてくれる最高の栄養ドリンクですって? はは、この幻覚、幻覚のくせにすげえリアルなグロドリンクを作りやがったな。これが現実だったらお前マジぶっ殺すぞ。
死ぬ寸前くらいきれいなもの見せろやと私が思っていると、数匹の妖精さんが私の頭を掴み上げて、ドリンクを口元に持ってきやがりました。おやおや、どうやら地獄の先行体験みたいですね。今まで好き勝手やって生きてきた分だけ地獄の刑罰の開始を早めにしてくれましたか。閻魔様もなかなか粋なことしてくれます。
小さいくせにわりかし腕力のある妖精さん達のおかげで無理やり口を開けさせられると、そのままコップの角度が私のお口の中に入るように傾けられて悪魔の液体が私の口へとダイブブブブブブブブブべべべべべへべべべ、バババババババババ、ガガガガガガガガガ――
「ごーっごほっごほっガッおえっおおおえっ」
なっなんだこれっなんだ、なにこれ、なにっっこれっっ幻覚じゃない!!
口から流し込まれている緑色の液体を受けて体中がマジ痙攣を始めました。胸筋から大腰筋まで全身余すことなく拒否反応を示しています。陸に打ち上げられたエビのような挙動を全身で表現しますが、口に入ってくるこれの味と触感と言ったらその程度の肉体運動では表すことが出来ません。
小さな妖精さん達が私の首や顔に指を当てているのも触感で分ります。なになに? 吐き出さないために身体のツボを押して嘔吐の動作をなくしているだって? なにそれ、そんな拷問私知らない。
しかし、私の味覚に伝わってくる刺激とは裏腹に、体には活力がみなぎり始めました。
魔力が枯渇して潤いのなくなっていた手肌には血の巡りが。蚊の泣くようなほどに静かだった心臓には爆発のような鼓動が。呼吸筋がお亡くなりになって生存ギリギリの運動しかしていなかった肺には、あふれるばかりの酸素が。
溢れる生命力の挙動に耐えかねて背筋を使って床から飛び上がると、地面に両足で着地します。
「なんだおまえ、なんでいきなり急に元気に……いや、それは妖精か、だとしたらお前まさかハイエルフなのか!!」
「ふふふ、さてどうでしょうね」
いや本当にどうなんだろ。なんか話の調子を合わせてみましたが、ハイエルフとか聞いたことありません。ていうか、こいつにも小さい妖精さん達が見えているみたいです。哀れな私の脳みそが作り出したおかしな幻覚じゃなかったのかこいつら。
「だがハイエルフなんてそんなレアな種族がなんでここにいるんだ。奴らは風竜の取り巻きとして森の奥深くにいるはず……」
風竜の取り巻きとして森の奥深くにいるエルフですか……あ、それ完全に私ですね。
私の生まれ故郷も確かそんな感じだったはずです。風竜様を崇め奉っているのもそうですが、森の中で原始的狩猟生活に身を投じているあたり、間違いなく私のところです。
まあ私の生まれ故郷だとか種族だとかはちょっと置いとくとして、相手がなんかびっくりしているのはチャンスです。取引を行うとしたら、ここしかありません。
「貴女にもわかっているでしょう、ハイエルフとしての私の力が。私と戦えば竜人である貴女でも無傷ではすみませんよ」
「そんな、こんな、本当にハイエルフだなんて」
おやおやどうやらビビってしまったみたいです、まあ仕方ありません。ハイとか付くエルフですからね。でもハイってなんだろう、高い? うーん、何が高いのでしょうか、存在の格や魂のレベルが高いとかそういう意味でしょうか。まあどっちにしても特別なエルフって感じがして気持ちいいですよねハイエルフ。
「では、状況がわかったところでまずは私の下僕になりなさい。その後に貴女をどう使うか考えてあげましょう」
私からの恫喝にフィーネとか名乗ったこの竜人が完全にビビってます。フィーネ、うん、フィーネね。新しい下僕の名前として一応頭の隅っこに覚えておきましょう。
「こんな、こんなレアな食材と出会えるなんて……」
「え?」
こちらを見てきているフィーネの瞳が欲に濡れていました。口からは涎が出ていて、なんといいますかとても発情しているように見えます。ただ問題なのは、それはどちらかと言うと性欲方面ではありません。なんといいますか一言で言いますと食欲です。はい、食欲です。
「おや? うーんおや? ちょっとお待ちを」
「ハイエルフは手が出せなかったんだ。いつも風竜の野郎が近くにいるからな、竜人だと近づけねえ。だけどお前そんな、こんな所に無防備でいるなんて……」
おかしい、全くビビっていない。いやよく考えたらこいつタイマンで師匠に立ち向かおうとしているバカだった。あれと戦おうなんて思うやつが私にビビるか? いやビビるわけがありません。
「いただきます」
べろんとフィーネの舌が伸びました。人間の顔の部分からベロだけが舌に垂れて床にくっつきます。手や足に赤い色の鱗が見えてきているのもポイントです。ついでに背中が山なりに盛り上がって巨大化して姿形が人間のそれではなくなってきていました。
ボコボコボコという音を出しながら、フィーネの体が巨大になって部屋を埋め尽くします。はい、もうあれですね、なにこいつ竜に変身してやがるんだ。
おおよそ体長8メートルくらいでしょうか、全高は軽く2メートルを超えてますね。この部屋も結構な広さですが、それでも窮屈そうに見えます。
そんな結構な大きさの竜に変身したフィーネが頭をこちらに向けると、ヒョイッと口を伸ばしてきました。
「あぶなっ」
ひらりと身を躱すと、ガチンっと歯と歯が噛み合う音がしました。更に言えば、私の着ている服の裾が今の攻撃で少しかじられてもいます。完全に餌としてロックオンされちまったらしいです。
「エルフ、ハイエルフ、食わせろ、いいだろ食わせろよ、抵抗しなれば痛くせずにすぐに食ってやるから、だからいいだろ」
ドラゴンの瞳が私を射抜いています、しかし、私もただでやられるつもりはありません。
先程の妖精ドリンクを飲んだからでしょうか、やけに体調と精神が充実しています。特に、ここ数ヶ月ほど頭の中にあったモヤみたいなものが取れたのが大きいです。それに比例して私の攻撃性も少し落ち着いています。
いや、今考えれば何であんなマフィアごっこを私はやっていたのでしょうか。師匠と戦うため? いやいや、そもそもあの程度の奴らを集めた程度では戦えないのはわかっていたでしょうに。これは私にもわかりません。
まあその疑問は一旦置いとくとして、問題は目の前のこれです。試しに一発だまし討ちから魔法でもぶち当ててみますか。
「わかりました諦めます。どうあがいても勝てなさそうですので、ですからせめて痛くしないで私を食べてくれませんか」
殊勝な態度で演技をします。まあこういう奴は自分に自信があるバカが多いから、本当に心折れたと思ってくれるはずでしょう。そして、私の思った通りにいきそうです。
「いいだろう、ならまず苦しまないように頭から食べてやる……味噌、カニ味噌、ハイエルフの味噌」
どうやらこの御方はエルフの脳みそが好物の模様。苦しまないようにとか言ってますが、単に好物の場所から食べたいだけみたいです、いやしんぼさんですね。
「じゃあいくぜ」
その言葉とともにアーンという擬音が出そうなほどドラゴンの口が大きく開きます。そして、そのタイミングで私は腰につけた短刀を引き抜くと、ポイッとその口の中に放り投げました。それをゴクンっとドラゴン側が飲み込むと静寂が流れます。
「んっんんっ? ん!!!!!!??????????? ガガッガハッ!!」
盛大にドラゴンが血を吐き出しながらのたうち回ります。そらそうでしょう、確か凄い魔力の篭った短刀らしいですからね。切れ味も抜群ってやつです。このクソドラゴンのお口の中から内蔵にかけてザクザク切ってくれてる事でしょう。さて、では追撃行きますか
「うっす、師匠からもらった短刀は美味しかったですか? 縁起悪いからもうとっとと捨てようかなと思ってたんですけどいいゴミ箱があったので投げちゃいましたごめんなさい、じゃあついでにこれもあげますね」
魔力の充填を開始しますが、そういやさっき椅子に縛られている最中に変な感覚に目覚めた事を思い出しました。いや性的な意味で目覚めたとかではなくて、魔力の流れについてですよ。そうです、確か魔力の流れがわかりましたね、ふむ、それに沿って魔法を一度練り上げてみますか
普段通りに魔力を練り上げてみると、多くの魔力が無駄に散っていくのが分ります。例えて言うなら、フィーンとしてガっとくる感じですねフィーンでガっです。魔術を使える方々ならこれで全てわかってくれると思います。
そんな普段どおりのやり方にならないように注意して、繊細に魔力を練り上げると、いつもと全く違う魔力槍が出来あがりました。普段であれば、この魔力槍と言う魔法は魔力を槍状にしてぶん投げて爆発させると言う、三角筋と魔力の合成魔法なのですが、今回は完全に魔力だけ。槍状の魔法は今か今かと発射体勢で空中で待機しています。
上がった、魔法のレベルが上った。また一段と強くなった自分自身の才能に感動していると、それを祝うように小さな妖精さん達が数匹ほどこちらに向かってきました。手にキワムシのジュースや、なんかおどろおどろしい虫の死体やらを持ったりして満面の笑顔で私のお口に投入しようと近づいてきます。
そんな妖精さん達に私が返答の微笑を浮かべると、殲滅のために待機状態の魔法を発射。見事に小さな糞虫共に着弾しました。
「す、すごい……」
その魔法の威力と来たら凄まじく、この地下室全体が揺れるほどの轟音と爆発を伴いました。当然、邪悪な羽虫共も一撃殲滅。満足の行く威力に私も納得です。
「これは勝てる。師匠にも勝てるはず……」
前は惨敗しましたが今ならやれるはず、この力なら私は天を取れます。
そんな勝利者の心を手に入れてから考えてみると、フィーネとか言う糞女竜人についてはもう何かしなくても大丈夫だと気が付きました。体内に刃物入れられたんだから、こいつ何もしなくても普通に死ぬでしょ。ドラゴンにまでなって弱点晒してバカジャネーノって話です。力はあっても頭はお馬鹿さんでしたね。
「ジーナさん、いつの間にこんな力を」
そして気がつけば、なんかロビンさん達も生きていたのかここに戻ってきていました。変態二人も無事だったのでお供につけていますが、まあこれも雑魚共でしょう。今の私なら負ける気がしません。
「ジーナ様、タイムリミットです。アラン殿とセレスト殿が来ました」
カゲが再度現れてそう言いますが、これも気にする必要はありません。師匠とクソガキが来たところでだからどうしたというのでしょうか――師匠とクソガキ?
カゲの言葉を聞いたのと同時にドーンという音とともに地下室の天井の一部が崩れ落ちました。
そうして、崩れ落ちた天井からは瓦礫と共に地上から太陽の光が差し込んできて、そして――
「ゴオオオオオオオオ」
完全に戦闘状態で理性をなくしている師匠が天から現れました。




