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SLASH/SHOT~Frame Warrior&Ice Valkyrie~  作者: 雑賀ランボー
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Sの登場/奪われたF

「それじゃ行くぞォォっ!」


「お、おー・・・」


 源治による取材旅行の発表の翌日、源治が事前に借りておいたワンボックスのレンタカーのトランクにそれぞれの旅行用の荷物を詰めこみ、屋敷を出発する。


「あと一人来るって言ってたけど」


「あいつなら駅で待ち合わせてる。まああのなりならすぐに見つかるだろ」


「その人ってどんな人なの?」


「変人、マッドサイエンティスト、馬鹿と天才が紙一重の技術部職員。俺の腐れ縁」


「・・・そんな人退魔部に置いといて大丈夫なの?」


「・・・・さあ?」


「何その反応、不安になるんだけど・・・もしかして、あれ?」


 最寄りの駅前についてところで助手席から外を眺めていた凛が外に向かって指をさすと、そこには身長は190cmを越え軽くウェーブがかかった黒髪で肌は白蝋のように白い肌となっている。

 服装は丈の長い白衣とその下に赤色のワイシャツ、青色のズボンを着ており体つきは非常に起伏に富んでおり女性的な体つきだ、傍らにはトランクが1つそして本人の肩口までの高さの超巨大なキャリーバッグが一つ置かれていた。


 「あれがそうだ、相変わらずでかい乳と派手なファッションセンスしてるなあいつ。おい、お前呼びに行ってこい」


 「あんたには絶対言われたくない一言だと思うんだけど・・・ってわたしが!?」


 「俺は運転手だから車から出るわけにもいかんだろ、ほら行って来い」


 「もう・・・」


 渋々と言った感じに車から降りた凛はおっかなびっくりで、嫌でも周りから視線を集めている女性に近づけば恐る恐る声をかける。


 「あの・・・結城菫ゆうきすみれさん?・・・ですか?」


 凛が菫と読んだ女性は凛に呼ばれると無言のまま凛の方を向けば


 「・・・君が、城ヶ崎凛か?」


 「・・・はい」


 「源治はどこにいる?」


 「・・・車で待ってます」


 「HMM・・・」


 菫は少し何か考える素振りを見せれば何を思ったか公衆の面前で凛を抱きしめるとそのままゴソゴソと服の中に手を入れ体のいろいろなところを弄り始めた。


 「ちょっ・・ちょっと何やってっ!むぐぅっ」


 菫の突然の奇行に抗議の声を上げる凛を、周囲の視線はお構い無しで唇を重ねることで黙らせると更に戸惑う凛を尻目に胸や腹、尻に足と一通り触っていく。

 「んうっ・・やめっ・・・んんっ・・・」

その間凛は抱擁からの脱出を試みるも菫に体を触られるたびにくぐもった声で艶めかしい声を発してついには両手両足から力が抜け、菫に身を任せる形になる。


 「くそ、悪い予感がしたんで来てみれば案の定キマシタワーが建ってやがる」


 様子を見に来た源治と菫の目が合えば、菫は凛を開放する。

 解放された凛はその場でぐったりと膝をつき顔を真っ赤にし放心状態にあり、心なしか目もトロンとしている。何処かに車を止めて様子を見に来た源治はその光景を見てやっちまったかと言った風に手で目を覆った後菫に詰め寄る。


 「お前その癖はやめろって言ったじゃねえか!うちの可愛い新人をパーにしやがって!おまえ前もそれで新入り一人にトラウマ植え付けたじゃねえか!」


 「源治か、久しぶりだな。この子は中々いい体をしている」


 「人の話を聞け!んなことはどうでもいいからとっとと行くぞ!これ以上目立ってたまるか!」


 そう言うと源治は未だ放心状態の凛を右手一本で抱え、左手で菫のトランクを持って車に向かえば菫はやれやれと言った風に首をすくめるとキャリーバッグを押して源治の後に続く。


 車を止めた場所に着けば凛を助手席に放り込み菫とその荷物を後部座席に押し込むようにして乗せれば足早に車を発進させその場を後にする。


 「お前なあ・・・相変わらず気になった相手に誰かれ構わず抱きつく癖は治す気がねえのか」


 「あの方法が初対面の人間の体を知るのにちょうどいい、この凛という子の体は中々高いレベルだ、この子より良い体は君とこの子の姉の静葉しか知らない」 


 「そいつはどうもありがとうございました!」


 怒りながら話す源治の皮肉をどこ吹く風と聞く菫であった。

 しばらく車を走らせていると凛が現実世界に戻ってきて


 「あれ・・・ここは・・・そういえばわたし・・・」


 そこまで呟いたところですべて思い出したのか、一瞬顔を紅潮させると次の瞬間には大きく肩を落として落ち込み


 「初めてのキス・・・汚された・・・」


 「おや・・・まだキスしていなかったのか最近の子は早熟だと聞いたが君はまだなんだな。隣に手頃な相手もいると言うのに」


 「絶対ないから!」


 「そうか?彼の肉体は戦闘用の肉体としては世界最高レベルだ。そんな男と一緒に暮らしているのに手を出さないなんて君はレズなのか?」


「あんたに言われたくない!」


「失礼な、ワタシはレズではなくバイだ」


「威張れることじゃないでしょ!・・・ってそんなことを知ってるってことはまさか・・・」


 そこまで話せば凛はここまで黙ったまま運転していた源治を見ると、源治はバツが悪そうな顔をして


「彼とは一夜を共にしたが、とてもいい体をしていた」


「この変態!」


「仕方ないだろ・・俺だって男だ・・・」


「こんな変態二人と一緒なんて我慢できない!帰る!」


「さっきといいいまといい、さらっと俺を変態扱いするな!少なくともこいつよりはまともだ!あと車の中で暴れんな!」


「仲がいいな、君たちを見ていると彼が静葉と組んでいたときのことを思い出すよ」


「喧しい!」「うっさい!」


 走行中の車から出ようとする凛とそれを運転しながら止める源治、そしてその風景を懐かしいものを見るような目で見る菫


 そんなわけで凛と源治は謎の変態結城菫を加え、リゾート地へと向かったのであった。

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