Death of past~遊園地~
源治と亜紀が向かった先は、取り壊しが決定している遊園地であった。
「ずいぶん広いな、手分けして探すぞ。ぬかるなよ」
「はい、源治殿もお気をつけて」
そういって源治と亜紀は手分けして園内を探索する。源治がミラーハウスの前を通ると、それを待っていたかのように園中の電気が灯る。
それと同時に源治の体に見えないロープのようなものが巻き付きミラーハウスの中に引き込まれる。
「マジかぁ!」
ミラーハウスに入ったところで開放された源治はうまく着地すると、スピーカーを通して声が建物内に響く。
「葛城源治・・・ここが貴様の墓場となるのだ、罪を抱え地獄に落ちると良い」
「生憎様、地獄に落ちるのはお前ら怪異を皆殺しにしてからだ」
「威勢がいいな。姿の見えない存在を相手に視界の混乱するミラーハウスだ貴様は私の姿を見ることもなくここで息絶えるのだ」
「上等だ、その挑発乗ってやるよ」
かくして源治はミラーハウスの奥に向かって足を進める。ここに姿の見えない敵との戦いが始まった。
一方亜紀もジェットコースターにたどり着くと電気が灯り亜紀の相手となる怪異が姿を表した。
その姿はザリガニと人間をかけ合わせたような姿をしていた。
「貴様が岩永亜紀か、私の名は「網剪」(あみきり)貴様に罪はないが葛城源治と共にいたのが仇となったな。ここで死んでもらうぞ」
「人語を解する怪異ですか・・・初めて見ますが、正面から堂々と姿を晒すとは見上げた心意気。ですが私も源治殿もまだ死ぬつもりはありません。いざ尋常に勝負!」
そう言うと愛刀「斬無」を抜くと網剪に斬りかかるがその一撃は腕のハサミで防がれ、傷一つつかなかった。
「っ硬い・・・」
「どうやら刀は業物でも持ち主が未熟のようだな。貴様では俺を斬ることはできん!」
そういって受け止めた腕に力を込め亜紀を押し返す。
亜紀は素早くバックステップし距離を取れば、仕切り直すために呼吸を整え正眼に構え直す。
「(あいつの装甲は硬い、ならば・・・装甲の接合部を狙う!)」
こうして、亜紀と網剪の一騎打ちが幕を開けた。
ここから先はそれぞれ源治視点、亜紀視点で話が進みます。




