Death of past~散花~
今回の話には性的な描写があるので苦手な人は見るなとは言わないが多少は覚悟して呼んでね!
地下室の訓練で源治が眠った後、目を覚ましたのは深夜だった。
「俺は・・・そういやあん時に・・・」
先程亜紀に抱きしめられたことを思い出して、恥ずかしさで顔が熱くなる。
周りを見渡すと、どうやらあの後自分の部屋に運ばれたようだ。傍らには亜紀がベットに顔を突っ伏して眠っている。
「アレだけで発作がおさまるって・・・俺も大概現金なやつだな」
そう呟きながら、亜紀を見ていると
「んあ・・・葛城殿・・・目を覚ましたのですね、良かった」
亜紀が目を覚ますと反射的に自分の顔を手で覆って隠そうとすれば、亜紀はその両手を掴み力づくで顔を隠させないようにする。
「・・・失礼を承知で聞くのですが、葛城殿はなぜ顔を隠すのですか?」
「・・・それ、聞いてくるか」
「はい、私は葛城殿の力になりたくてコンビを志願しました。悩みがあればお力になりたいのです。」
「・・・・・・どっから話すかな」
亜紀の真剣な面持ちに、源治は頭をガシガシと乱暴に掻くと話し始める。肝心の発作は亜紀の前では起きなかった。
こうして源治は話し始めた。自分が怪異に関係した人間を残らず殺す掃除屋であること、いつの日から罪悪感から他人の顔を見たり、他人から顔を見られることが耐えられれなくなったこと、その時から仮面を付け人を殺した感触が残らない銃のみを使い殺しを行っていることを。
すべてを聞いた亜紀は神妙な面持ちで俯くと突然源治の頬をビンタした。張られた頬を手で押さえる源治に亜紀が話し始める。
「葛城殿は・・・卑怯です!私は教えられました、命を奪うものは他者の命を奪ったという事実に向き合うのがせめてもの礼儀だと。今の葛城殿は、逃げているだけです!仮面で顔を隠し、自分が向き合うべき罪から逃げているだけです!」
「逃げる、か・・・たしかにそうかもしれねえな。俺はいつからか怖くなっちまったんだよ、死の間際の人間が見せる目や表情がな」
「それでも・・・それでも葛城殿は殺した人間の目を表情をしっかりと見なければいけません。それが現世でできるせめてもの罪滅ぼしです。」
「さっきとは打って変わって、厳しいんだな」
「・・・私こそ卑怯者です。私はあの日、兄に勝ったかっこいい葛城殿でいてほしいため、自分のエゴを押し付けているに過ぎません。」
「かっこいい・・・嬉しいこと言ってくれるじゃないか」
「この際だから言ってしまいます。私は、岩永亜紀は葛城源治をお慕いしています。あなたが兄に勝ったその日から。お忘れですか?葛城殿が兄と決闘をするに至った理由を。あの時、葛城殿は兄に出来損ないだと言われバカにされた私を庇ってくれました。私はあの時から葛城殿にゾッコンなんです」
「ゾッコンて、古い言い方するな・・・。そういやそんな理由でお前の兄貴とどつきあいしたんだっけな。」
「すいません、私の勝手な願望で好き勝手に言ってしまって。迷惑でしたらコンビを解消してもらって構いません。総隊長には私がうまく伝えます。では、私は部屋に戻りますので・・・」
そう言うと、立ち上がり部屋から出ようとする亜紀の手を源治が掴む。
手を引かれ亜紀が足を止めると先程のビンタのお返しとばかりに源治の拳骨が亜紀の脳天に直撃した。痛みで涙目になりながら蹲る亜紀に向かって立ち上がった源治が話し始める。
「誰が何時迷惑だと言った!、このバカちんが。大体、俺が自分を救ってくれた女を邪険に扱うよな薄情者に見えるか?見えんだろ。それに、お前がそんな顔をするのは似合わん。俺が知ってる岩永亜紀は声が無駄にでかくて、妙に気が利いて、・・・・とてもいい笑顔を見せる俺が惚れた女だ」
「えっ・・・」
「何度も言わせんな!俺は!お前に!惚れた!たった今から!ちょろいとか言うなよ!俺だってそう思ってんだから」
そういうと源治は顔を赤くしたままそっぽを向いてしまう。その様子を見た亜紀は嬉しいやら可笑しいやらでふっと笑みをこぼす。
「そうだ、それで良いんだよ」
「葛城殿っ!」
源治が亜紀の頭をグシャグシャと撫でていると、感極まった亜紀が源治に勢い良く抱きつき、そのままベットにふたりとも倒れ込む。
亜紀に押し倒され体の上に乗られる形になった源治、服越しとはいえ亜紀の臀部の柔らかい感触をその身で感じ、源治の男の部分が盛り上がる。盛り上がったのを臀部で感じてしまった亜紀はその事実に顔を赤くさせ、頭の中がショートした結果、何を考えたか両手で源治の顔を挟み込み自分の方へ引き寄せると、その唇を自分のそれと重ね合わせる。
唇を離すと自分がやってしまったことに気づき、慌てて源治の体から離れようとする亜紀。それを源治は引き寄せ今度は源治が亜紀を押し倒す形になる。
「この状態で男にキスって・・・童貞相手にとんでもないことしてくれたな」
「葛城殿は童貞でありましたか!ご心配なく!私も処女です!」
「そんなこと大声で言うもんじゃないよ君・・・ともかくもうこうなったら後には引かんぞ、俺は」
「まっままま待ってください!こういったことはもっと段階を踏んでから行うものではないのですか」
「俺もそうだと思ってたよ!けどな、普段から健康的なエロスを見せつけられた上この状況だ、我慢できるわけ無いだろ!」
「健康的なエロスってなんですか!ちょっ、服を脱がせようとしないでください!お気持ちはうれしいですが今日はちょっと駄目です!」
「だめな理由って何よ」
「・・・・・・下着が・・・スポブラで・・・色気がないので」
「童貞がそんなこと気にするわけ無いだろう」
「・・・・わかりました、私も一端の女です。腹をくくりますが・・・優しくしてください・・・」
「・・・・確約はしかねる」
そう言って源治は亜紀を下着姿にする。
確かに下着はスポーツブラで色気も何もあったものではないが、じっとりと汗ばみ肌に張り付くことである程度亜紀の胸の形を浮かび上がらせている。また、引き締まった腹筋が汗で濡れ官能的な雰囲気を醸し出している。
源治はまずはじめに亜紀を万歳の体勢にしてスポーツブラを脱がせる。
露わになった亜紀の胸は釣鐘型で頂点がしっかりと立っていた。ここまで脱がせたところで亜紀は 自分の胸を腕で隠し源治に告げる。
「・・・私ばかり脱ぐのは卑怯なので葛城殿にも脱いでいただきたい」
顔を赤くし拗ねるような顔でお願いする亜紀に対して
「まあ・・・そりゃそうだよな、言っとくがあまり綺麗なもんじゃないからな」
そう言って服を脱ぎ始める源治、その体は不要な筋肉など一切ない戦うためにだけ引き締まった体だったが、全身に切り傷や刺し傷果ては弾痕等傷だらけの体だった。
「全部脱いでとは言ってないのに・・・・」
服をすべて脱ぎ裸になった源治を顔を手で覆い指の間から見る亜紀、もちろん男の部分もしっかりと天を向いていた。
裸になった源治は亜紀の残ったショーツに手をかける。その瞬間亜紀の体がビクリと強張るのが分かった。
「あの・・・葛城殿・・・・顔が怖いので先に言っておきますが・・・・・私は、先程も言ったように処女なので・・・・その・・・優しくしていただけると・・・」
ここまで来て源治の性欲は限界まで達していた。顔が怖いと言われたのもそのせいだろう。そんな亜紀を安心させるためか源治はもう一度亜紀にキスをする。
源治も亜紀もその先の記憶は朧げだった、ただ覚えているのは月明かりが照らす中、唇はお互いの唇を、手はお互いの体を求め、お互い獣のように交わったということだけだった。
亜紀に命と真摯に向き合うということを教えられ、互いに体を求めあったこの日以降、源治があの趣味の悪い髑髏のマスクをかぶる事は一切なかった。