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58 たどる居場所 マンション

 二人で区内の幾つかの消費者ローンをまわってみたが、こちらは解約と盗難届けに限って検索したので、比較的協力的だった。飽くまで比較的にだが。

 川嶋コトコがカードを作ったローン会社にもよってみたが、彼女のカードはまだ有効だった。

 そうして幾つかまわって見ると、ひとつだけ、カードを作ってまだたったの一週間、ちょうど昨日盗難届けが出されたものがあった。スピード審査を売り物にしている会社だった。

 捜査だなんだ、曖昧に言葉を濁して、なんとか受付の気の弱そうな女性の気をそいで、君国はその住所と名前を覚えた。

 天城トワ、区内のマンションに住む女性だった。

 お礼はたっぷりと、好印象を残して去る。悪印象よりは好印象のほうが人の心の中に残らないですむ。彼女もすぐに自分たちのことを忘れるだろう。

「さすが君国さんですね。彼女を説きつけて、住所を見させてもらうなんて」

 会社を出て車に乗るとすぐ、津久田が笑った。君国は眉をよせるしぐさをしたが、実際には手早く手に入れた戦果のために高揚していた。

「まるで俺が女ったらしのように言うじゃないか」

「話術の巧みさを褒めたつもりなんですが。いつもより数段、男前度数が上がってましたから」

 二人はそのまま住所録にあったマンションに向かった。

 セキュリティーの固い、賃貸マンションだった。

 このての賃貸マンションは住人がよく変わるために鍵の管理に厳しい。前の住人が次の住人の部屋に簡単に侵入できないように、パスワードも短期間で変える。維持費がかなりかかって、家賃も安くはないはずだ。


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