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38 家捜しの跡

 マンションから早く離れたほうがいい、というのがトワとシンヤの一致した意見だった。キョウが私を見つけることができたのなら、一週間近くも住んでいるこのマンションのことなんてすぐに見つけることができるだろうから。

 もちろん、キョウの追跡を見せつけられては私に反抗する意志など見当たらない。それがいい、と私も言った。

 しかし、夜明けの近い道のりをマンションに向かって走らせ、いざ自分たちの部屋に戻ってみると、すでにそこには人の入った気配があった。

 トワと私をエレベータホールに待たせ、シンヤがひとりで部屋に入っていったが、五分とたたないうちに彼は戻って来た。

「やられたわね。キョウはおとりだったんだわ」

「陽動だったのか……」

 トワが口に手を当てて、静かに呟いた。

 シンヤは自分の拳銃をズボンにはさむと、

「キョウが進んでおとりの役をやるとは思えないから、武石が彼とは関係のないところで仕組んだんだわ。例のファイルを探してたのね」

 私の記憶がまだ混乱しているとみて気をつかったのか、シンヤは兄の名前を出さなかった。

 私はファイルの存在を知っていた。思い出したのだから。

 しかし、そのことは口にはしなかった。

 今は口にしないほうが良いと思った。

「ここにはモトキのファイルはなかった。組織もまだファイルは手に入れていないってことね」

「……誰が持っているのかしら? 藤堂さんがあの日持っていたはず。それを誰に……?」

「さぁね。とにかく、はやいとこ、どっかに新しい住みかをみつけなくちゃね」


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