プロローグ
初投稿作品、毎日投稿していこうと思いますのでよろしくお願いします。
ホームルームが終わり、クラスメイトたちが思い思いの行動を起こす最中、俺こと十六夜春明は後ろの席に座っている友人に肩を叩かれる。
「春明、また明日な」
「おう、また明日」
そう友人に別れを告げられ、彼は部活へと走っていった。
この門崎高校に入って二ヶ月が立とうとしていた。この高校に入る為に、中学三年生から無茶な勉強をして成績を上げ入学をした。おかげで最初の1ヵ月目の授業は付いて行くのが精一杯で、どうなるかと思ったが2ヶ月目にしてやっと自分のペースを確保することが出来た。
「これで出来る準備は全て整えた」
そう口に出してみれば気が抜けたのかじわっとした暑さが肌を襲った。
6月とは思えない不安定な気温。熱かったり、急に冷えたりの体温管理のしにくい気候が最近続きている。
ニュースでは地球温暖化ではない何かの力が働いているとかないとかと報道されていた。
こういう話を三割増しに語るのはバライティなどではよくある話なのだが、最近では普通のニュースでも増えたような気がする。
「これが情報化社会になったゆえ、古き社会は洗礼に抗った結果って奴のかなと」
色々気を張っていて忘れていたが今日の気温は比較的に暖かった。それで登校の際にしか着ず、その後一日中、椅子に掛けてあった学ランを手に取る。
持つのが面倒なので、我慢して着ることにし準備を整え鞄を持って今日の最大のイベントを行うことを決意する。それは。
「色々落ち着いた今こそ、美奈先輩に会う時がきた!」
鞄を担ぎそのまま勇み足で上級生のいる階の階段を上る。
「美奈先輩。俺を見たらどんな顔をするかな。楽しみだ」
そう彼は、十六夜春明。自分の名字のいざよいという読み方をとても気に入っていて、言葉回しはどこか芝居がかったアニメ口調がちらほら出てしまう絶賛の厨二病患者。そんでもって、中学の時の初恋の人を追いかけて高校に選び入学を決めた青春少年である。