第一章
ここは私立文代中学校、その図書室。
そこには一人の男子生徒が本を読んでいた。
彼の名前は東雲 灯。この学校の図書委員である。
彼は毎日ここで本を並べたり、掃除をしたり、雑務をこなしたりしている。
そんな彼の日常は、ちょっとだけ異常。
朝の会
「きりぃーつ」
ガタガタッ
「きおつけぇーい」
パタパタ
「れぇーい」
ザッ
「ちゃくせぇーき」
ガタガタッ
「おはよー皆ー」
「「「おはよーござまーす」」」
気の抜けた挨拶をしたのは、彼らのクラスの担任 富田 美優先生である。
職務については360°どこから見ても手を抜いているようにしか見えないのに、見た目と、気の置けない性格からどこかカリスマのようなものを感じさせるため、文代七不思議の一つの予備軍となっている。
なお、彼女の名誉のため言っておくと、手抜きにしか見えないが、授業はちゃんとやる上に評判もいい。
「今日は六時間授業だ、めんどくさいとは思うが、面倒なのは先生も同じなんでくれぐれも居眠りなどはしないように、私の評判のためにも」
(((アンタの為かよ!)))
……やっぱりテキトーかもしれない。
昼放課
昼食の時間彼に近づく生徒がいた、彼の名は神田 藤吾、この学校の数少ない彼の友人である。
「よう東雲、今朝はどうだった?」
「神田か、別にこれといったことも無かったよ、使用者が少ないからな、家の学校の図書室は」
そして、彼も東雲同様この学校の図書委員である。
「今日はどこ行くよ?」
「今日は先輩の大半が用事あるそうだからカラオケはパスだな」
「そっか、じゃ久々にゲーセンでも行くか?」
「ああ、異論ない。
……だが」
予定が決まり、意気揚々としていた神田が振り向く
「ぁン?どうかしたか?」
「いや…受験シーズンなのはわかるが、皆ピリピリしてないか?
私立はもう終わっただろうし、そもそも内部進学組が大半だろ?」
「ン?ああ」
そういってみると、たしかに教室全体がなにやら乾いた空気に包まれており、火をつければ燃え盛りそうだった。
「ま、そりゃむりないわな」
当然とばかりに神田が肩をすくめる。
「何故だ?」
「なぜってそりゃ、今日が何日だと思ってやがりますかい」
訊かれて黒板を確認する。
「今日は…2月13日だな」
「そうだな、で、明日は何の日だ?」
「何って……ああ」
彼が納得したのを見て、神田もようやくわかったかとため息をつく。が
「第12回NND杯本選だな」
「ち が う わ!!」(あ、やっべ動画投稿すんの忘れてた)
全く違った。
「バレンタインだろバレンタイン」
「ああ、なるへそ、素で忘れてたぜ」
彼の意に介さない返事を聞いて、神田は脱力する。
「はぁ、そんな気楽に構えられるお前がうらやましいね」
「ふん、そんなもの無駄に期待するから誰にも貰えなかった挙句親に渡されて部屋でそれを食べながら細々と泣き寝入りするような風習ができるんだ」
「いや知らないよそんな風習!?つかそれ俺のことじゃんッ!」
自爆かよ、と胸中でつぶやく。
なんでこいつはこんなに過去の記憶が地雷畑になっているんだろう。
「…ふ、どーせお前だって一個も貰ったことねーくせによぉー!」
「え?あるよ。俺」
「え?」
俺の即答に神田が呆けた顔をする。
「ちょ、ちょいちょいちょいちょい、嘘でしょ?
こんな顔だけ半端に良いだけのくせ、実際は心の壁A.○.フィールドばりに人に心を開かないお前が経験者だとぉ!?納得いかん!」
「むしろ社交性についてそこまで罵倒されるのが納得いかんところだな、あと経験者ってなに」
神田はそれからしばらく放心していたが、ふと我に帰ると
「あ、さてはそれこそ親にもらったやつじゃないのか?
ふふん、自慢したかったのはわからんでもないが……」
「いや、同級生から貰った、あと経験者ってなに、質問に質問で返すなって知らない?」
とうとう神田が砕け散り、千の風となって散った。
「……ホラ神田、今日ゲーセン行くんだろ」
「ブツブツブツ……………」
「……………」
ため息をついてから、チリトリで神田を集め、図書室へと向かう。
彼らは、少し異常な日常を過ごす図書委員。
そんな彼らの日常を、すこし筆に書き留めたいと思う今日この頃。
今日も、彼らの日常が始まる。
結構短めに作ってみました、今後も大体こんな感じですが、
この小説はなんと、作者のネタが浮かんだ時だけ更新されるので、更新速度がラオ〇ャンロンの尻尾並みに読めません。
それでも読んでくれる方には……まぁ特にありませんが。
感想なども、頂けると作者が喜びの舞を舞います。
(あれ?これって読者には一切得なくね?)