歯車
数日がたったある日の夜
とある公園に椎名は呼び出されていた
そこは緑あふれる所
例えるなら森林公園
例えなくても森林公園
遠くから川の音
木々は葉を揺らしざわめく音
ふくろうの声は・・・しない
そんな満月の夜だった
椎名はなぜここに呼び出されたのか不安の中に居た
椎名(こんな人気の無い所に呼び出すなんて何かおかしい・・)
(これは罠?トラップ?・・・同じ意味か。。)
混乱と自然の音しかない世界、椎名をどんどん不安にさせ妄想が加速する
その世界を切りさいた声
相馬「椎名さん」
その男はバイクに乗って登場
河原「ごめ~ん!待たせたね~」
その女はスポーツカーで登場
小笠原「菜美ちゃ~ん~」
その男は自転車で登場
宮神「お待たせしました!だいぶ待ちましたか?」
その女は・・・徒歩で登場
椎名「BARに居た皆さん!」
と話してみるが
内心、不安が消えない
これは何かの罠じゃないか?
もしかして、ここで私は終わってしまうのではなか?
そんな考えが消えていかない
そんな中
相馬「まだマスター来てないけど待ってはくれ無さそうだね」
小笠原「あの殺気は怖いね~」
椎名は振り返る
そこには一人立っていた
さっきまで居なかった人
そしてそれは、椎名の知っている顔
相馬「一人で来るなんてずいぶん余裕だね~」
「ストリートウォーリア 三鬼秦の一人 田桐京平!」
椎名「田桐!?なぜここにいる!?」
田桐「久しぶりだね~椎名。」
「しばらく姿が見えないと思えばこんな所で何をしている」
「お前の任務はどうした?」
椎名は困惑した
ストリートウォーリアの三鬼秦登場
そして相馬の考えてること
理解の範囲を超えていた
相馬「田桐!お前の出来損ないのあたまに伝えとけ」
「俺がストリートウォーリアを潰すってな!」
田桐「面白いこと言うね。笑いのセンス0だわ」
「伝えるのはお前らの抹殺の報告だけだ!!」
田桐は地面に手を当て言葉を発した
次の瞬間
木々が動き出し目の前に立ちはだかる
河原「ジュンちゃん、これって魔術系?」
小笠原「みたいだけど、何か変だ!」
魔術系能力
自分の中にある魔力を呪文などのきっかけで、炎や氷などを創り出せる能力
河原「変てなにが!?あいつそこにあった木々を動かしてるよ?」
「召喚系ではないんじゃない?」
召喚系能力
動物や空想上の生物を生み出せる能力
この裏世界では
錬金術系
魔術系
召喚術系
の3種類がある
それは、それぞれの家系で受け継がれた力
相馬「あれは召喚術だよ」
「精霊かなにかを憑依させて操ってるだけ」
相馬は手にしたパイプを錬金
相馬「気合入れないと怪我じゃすまないぞ!」
相馬は一気に間合いを詰め刀を下から振り上げた
木が裂ける
だが
ここは森林の中
次々に1体また1体
動き出す無数の敵
相馬「これは面倒な事に・・・疲れるな。」
「ジュンちゃん!お願い!」
小笠原「だと思ったよ」
手を前に出し呪文を唱える
「業火に焼かれろ…」
放たれた炎は立ちはだかる木々を焼き尽くす
小笠原「こんがり♪」
相馬「上出来♪」
「このまま行くぞ!」
椎名の目の前は自分の想像以上の出来事
戦闘力・チームワーク
これまでに見たことも無い力がそこにあった
普通の能力者なら一体倒すのにギリギリの戦闘しか出来ない
これなら戦える
最初に感じていた不安は消え去り
希望
心は動く
自分もその力の一部になろうと
歯車は回り始めた
椎名「もう一度…」
「もう一度信じてもいいですか!自分の未来が変えられる事を!」
「もし変えられるのなら…私は戦います!」
宮神「未来を変えられるのは自分だけ。誰が変える事じゃないですよ」
「私たちは、ただその手助けしてるだけです」
椎名の目には迷いが消えていた
近くにあった標識を手にし
斧へと錬金
強く。強く握り締め
未来を変えようと歩き出した
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