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東方~青狼伝~  作者: 白夜
萃夢想編
62/112

Stage1


 神霊廟でなかなかマミゾウが倒せない!!



 

Stage1


『主の仇討ち』


First Day~10:00~


‐博麗神社‐




◇◇◇◇◇



‐桜花Side‐




 ぽかぽかと温かい日差しを浴びながら、私は縁側で煎餅をかじっていた。

 今回の異変の犯人は間違いなく伊吹萃香であり、霊夢が勝手に解決するだろうから、私はこうして神社でのんびりとしているわけだ。


 そんな平穏な一時は、一人の来訪者により脆くも崩れ去る事になる。


「こんにちは」


 挨拶をされて振り向けば、そこには紅魔館のメイド長──十六夜咲夜が立っていた。


「あら、貴女が一人なんて珍しいわね。主のお嬢様はどうしたの?」


 咲夜は常にレミリアの傍におり、出かける時も大抵一緒にいる。

 こうして一人で出歩く時は食材の買い出しくらいしかないので、とても珍しいと言えるだろう。


「それが…お休み中のところを突然やってきた霊夢に叩き起こされたうえに、弾幕ごっこでこてんぱんにやられてしまいまして。…現在は拗ねて妹様と一緒のベッドでお休みになっているわ」


「………」


 私は思わず頭を抱えてしまった。


 異変解決に積極的になったのはいいが、考えなしにも程がある。もう少し冷静になるかと思っていたが……修行の内容を厳しくしようかしら。


「…それは、家の巫女が失礼をしたわ。……それで、貴女は何故ここに?」


 咲夜は苦笑いしつつも、懐からナイフを数本取り出す。


「いえ、大した理由はないのですが……主がやられて黙っておくのもどうかと思いまして…」


「……要するに、仕返し?」


「まぁ、有り体に言えばそうなるわね…」


 私は溜め息をつくと、咲夜を半目で見据える。


「……何で霊夢本人の所に行かないのよ」


「彼女が今、何処にいるかわからないし……部下の失敗は上司の責任でしょう?」


「…はぁ」


 もう、どうでもよくなってきたので、私は神社の境内へと向かい、咲夜と向き合う。


「…まぁ、確かに悪いのは家の霊夢だしね。相手になりましょう」


「では、主の仇討ちをさせていただきましょう」


「…まだ死んでないでしょ」




◇◇◇◇◇



BGM『メイドと血の懐中時計』








 咲夜が投げつけるナイフを、桜花は次々と回避する。

 しかし、回避してもナイフは向きを変えて背後からも桜花に襲い掛かる。

 咲夜が時間を止めて、ナイフの向きを変えているのである。


 しかし、一度戦った事がある桜花だからこそわかる。

 咲夜が能力を使うと、一瞬、世界が歪む様な感覚を受ける事を。

 だからこそ、桜花は焦らずにナイフを回避しつつ、弾幕を放つ。


 桜花の弾幕を回避しながら、咲夜は苦い顔をすると、一旦距離を開ける。


「…やっぱり、一度戦った相手とはやりにくいわね」


 咲夜は新しいナイフを取り出す。両手に一本ずつ、いつものより大き目のナイフを握りしめると、地面を蹴って桜花へと接近する。


 桜花は、先程まで弾幕ばかりを放っていた咲夜が急に接近戦を仕掛けてきた事に驚くが、瞬時に冷静な思考に切り替え、構えをとる。


 しかし、咲夜は手にしたナイフを山なりに投げると、スペルカードを取り出した。


「──っ、フェイント!?」


 桜花は投げられたナイフに一瞬、気を取られてしまい、咲夜への反応が遅れてしまった。

 一瞬の隙を、この瀟洒なメイドは見逃さない。



─幻符『殺人ドール』



 それは紅霧異変で見た事のあるスペルだった。


 咲夜の周囲に浮かぶ無数のナイフ。それらは一斉に桜花へと向き直り、放たれた。


 それらを、桜花は大きく円を描く様に走り抜けることで回避する。

 しかし、咲夜が時を止めた後、再び別の方向からナイフが襲い掛かってくる。


「きりがない…なら!」


 桜花は爪に妖力を篭めると、三回連続で振り抜く。

 桜花の青い妖力が放たれ、周りのナイフを砕いて塵に変えていく。


 咲夜は時間早めたり、遅くしたり、止める事はできても戻す事はできない。

 咲夜のナイフは一度砕けば使えなくなるのである。


「…よし、これで──」


「──これで、なにかしら?」


 背後からの声に、桜花はハッとして振り返る。


 そこには、先程囮に使ったナイフを再び両手に持った咲夜がいた。

 二人の距離は腕一本分程──完璧に咲夜のナイフの射程内である。


 咲夜の瞳が真紅に染まる。


 桜花はその光景を見て思った。


 それはまるで──。


 そう…レミリアみたいだ、と。




─傷魂『ソウルスカルプチャー』




 次の瞬間には、桜花は既に動いていた。


 爪に再び妖力を纏わせて、振り返りながらの連撃を放つ。


 咲夜は、一瞬身を屈めたかと思うと、普通の人間では捉える事ができない程の速さでナイフを振り回す。


 誰か観客がいたのなら、二人の両手は肩から先が見えなかったことだろう。


 ぶつかり合うナイフと爪。


 二人は互いを睨んだまま、腕を振り続ける。

 いくつもの火花が散り、既に打ち合った回数は三桁を越えている。


 このまま永遠に続くかと思われた打ち合いは、鈍い金属音と共に終わりを迎えた。


 空中に二つの金属片が舞う。

 咲夜の持つナイフが、両方とも根元から折れていた。



 咲夜は桜花との距離を開けると、折れたナイフを見つめ、深く溜息をついた。


「はぁ…私の負けね」


 そう言うと、彼女は両手を上げて降参の意を伝えた。


 桜花も苦笑いで構えを解く。


「驚いたわ、まさか自分の時間を早めて攻撃してくるなんて」


「あれはあまりやりたくないのよ…疲れるから」


 そう言うと、咲夜は腕をぷらぷらと振る。


「きっと、明日は筋肉痛でしょうね」


 彼女の言葉に、思わず桜花はクスクスと笑った。


「まぁ、私に速さで挑むのは間違いね。私の戦闘スタイルはスピードがメインだから」


 そうね、と言いながら咲夜は悩ましげに額を押さえる。




「すいません、お嬢様。仇は取れませんでした…」


「だから死んでないでしょ!!」


 





Stage Clear!!



 少女祈祷中…





 更新遅れてすいません(汗)


 次はできるだけ早く書き上げたいです。


 では、次回をお楽しみに!!



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