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ZEROから魅せる成り上がり  作者: 半目真鱈
プリローグ

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2/19

第1話 転移

「では、授業を終わります。」

「起立、気を付け、礼」

「「「ありがとうございました」」」


 四時間目の授業が終わり、各々が弁当を広げていく。皆が皆、弁当箱を広げている。そんな中、俺はコンビニ弁当を広げた。


 コンビニ弁当を見下す積りじゃ無いけど、やっぱり温かみが無いな。羨ましいな。とても、うん、とても羨ましい。


「毎日コンビニ弁当だけど大丈夫なの?栄養とか偏るよ」

「うん?…まぁ慣れたからね。心配しなくても大丈夫だよ。」


 華音が心配そうに声を掛けてくるが、俺は慣れていると返事した。まぁ、本当に慣れているから問題は無い。それに、栄養失調で倒れでもしたら迷惑が掛かる。


「ちゃんと家で取っているから問題無いよ」

「そう…でも、何かあったら誰かに言う事。良い?」

「よう。悠馬君よォ…お前、華音にそんなり甘えてんじゃねぇぞ。」


 俺を呼ぶ声が聞こえた。そっちの方に向いた。そいつは竜童・満。190㎝程の高身長に肩まで伸びる黒髪は、ボサボサだが少しの野性味を感じる。竜の如くにギラ付いている瞳からは、威圧感が全身から溢れ出ている。


「テメェ、華音に心配させて…男ならシャキッとしろよ。それにしても、何時までもコンビニ弁当とか恥ずかしくねぇの?テメェの親は…いや、死んでたんだな。お前の親は。」

「お前…親への悪口は一線超えたぞ」


 俺は弁当を食べる手を置いて椅子から立ち上がる。そのまま首根っこを掴んだが、此奴の筋力量たるや。俺は一瞬だけ気圧された。それも、此奴が親の悪口を言ったからだ。


「あぁ…謝るよ。済まねぇな。俺、バカだから分かんねぇんだもん。テメェの子供を見捨てて練炭自殺したバカ親の気持ちはな。」

「テメェ…もう許さねぇぞ」


 俺の拳は、満の掌の中にポスンと消えた。それが面白かったのか、呵々と笑う。それを面白がるクラスメイトの視線が痛い。


「竜童さんも小見門さんも落ち着きなさい。これ以上の喧嘩は見過ごせません」

「先生…済みません」

「チッ。白けちまったな。…まぁテメェの事なんで何時でも潰せるんだ。それまで待ってろよ。親無しが」


 俺はジンジンと痛む右手を抑えて、椅子にどかっと座る。それを見た先生は、俺の両手をそっと握ってくれた。俺は嬉しさのあまり、泣き出しそうになるのをグッと我慢して、先生の両目を見る。


「ありがとうございます。先生…それと、ゴメンなさい。」

「良いのです。貴方の両親は立派な人ですよ。だって、貴方みたいな素敵な人を世に送り出したのですから。だから…もう、人を殴ってはいけませんよ。」


 心の奥がズキッと痛みだす。俺は痛みを無視して右手を休めるべくトイレにまで行こうとした。だが、その瞬間だった。突如として床が光り出したのだ。


「なんだ?これは…ウッ。」


 視界が…それに、頭が、割れる様だ。痛い。怖い。


「逃げて…」


 先生が何時もの言葉遣いとは裏腹に、まるで喝を入れるかのように怒鳴った。それを確認して直ぐにクラスの誰かがドアを開けようとしていた。


「開かない。閉じ込められたんだ。」

「一体全体どういう事?」


「ねぇ…■■■■■さん。…私、貴方の事を許してあげる。」

「誰だ…俺の頭の中で喋っているのは…。グッ。」


 俺はグラつく視界が制御できずに倒れようとしていた。だが、その次の瞬間には、教室の床だった筈のモノは、高級そうなカーペットの上だった。


 なんだこれ…まるで、理解が出来ん。誘拐されたかのか?


「これって誘拐?」「何かのドッキリ?」「教室じゃ…ない?」「この場所は…」


 クラス中から、ありとあらゆる声が聞こえる。一人はこの場所がどこなのかスマホを取り出し、あるモノは辺りを確認して、恐怖に震えた。


 騎士だ。…日本ならば銃刀法違反で直ぐに捕まりそうな物を、俺達の周りを囲んでいる騎士たちは持っていた。


「もしかして。異世界召喚的な奴じゃね?」


 クラスのオタク代表とも呼び声が高い奥山・物守がこの状況にピタリと当てはまる答えを出した。それに続いて、「そんなの物語だ。」だの「そんな訳あるか」だのと声が聞こえた。


「正しくその通りでございますじゃ。ここは貴方様が居た世界とはまるで違う…正真正銘の異世界でございますじゃ。私は聖魂教に置いて大司教の地位に座する。エイダルと申しますじゃ。」


 エイダルと名乗った人物は、俺達を品定めするかのような視線を向けてきた。その視線には、紫色の靄が掛かっている様だった。俺は、それを見たく無さに、別の事を考える。


「そう言えば先生は?」


 俺の疑問に回答するかのように、玲子先生は床に座って「有り得ない」とだけ呟いていた。何時ものクールな雰囲気とは違い、今の先生はかなり狼狽している様だった。まぁ無理も無い。


「先生、大丈夫…じゃ無い見たいですね。」

「えぇ…。まさか誘拐されるなんて」

「誘拐など飛んでもない。貴方様方には起源命題がございますのじゃ。」


 エイダル氏が熱く演説する。どうやらあちらの方には説明が終わった様だ。皆が皆異様にやる気になっている。


「では、皆様お座り下さい」


 通された部屋には俺たちが入っても余りある広さの会議室?の様な部屋が有った。そこに一人一人座ろうとしていたが、その背後で立っているミニスカのメイド服を着こなした人物が椅子を引く。


「それでは改めて語りましょう。大司教、エイダルと申しますじゃ。今回皆様に訪れていただいたのには理由があります。」


 エイダルさんが言ったのはこうだ。近いうちに魔皇族とか言う奴らがこの大陸へと侵略すると言う予言が有ったらしい。それで、1000年前に失われた技術を復活さして、異世界から俺達を呼び寄せた。


「…こういう事で宜しいのですか?」


 クラスの中心的人物の如月君が、エイダル氏が語った事をかみ砕いて言葉にする。それを聞きエイダル氏は満足したようにうんうんと頷いていた。


「少し宜しいですか?私はこの者たちの教師である清水玲子と申します。ハッキリ言いましょう。私の生徒に殺し合いをさせたくない。私は教師であるから分かります。戦争に道徳も倫理も意味は無い。けれど、彼らはまだ子供です。まだ、親の庇護が必要な子たちです。そんな彼らに殺し合いをさせたくはない。」


 それを言うとエイダル氏は露骨に機嫌が悪くなったように感じた。でも、それは一瞬の出来事で、直ぐに先生の方を向くと、紫色の瞳が怪しく目が光っている。


「貴方は何か勘違いをしておられる。私が求めるのは旗印…決して前線には出さないと誓いましょう」

「…そうですか、いえ。それではいけません。ですが、それならば良いのです。」


 はぁ?先生がこの状況で俺たちを売るような真似をするか?


 先生は、冷徹な外見で損をしているが、その内面ではかなりの熱血ぶりだ。生徒が他校の人間と暴力騒ぎを起こしたらその生徒の家まで赴き謝罪する程の出来た人だ。


 洗脳か?ありえん話じゃない。だって、此処は異世界だ。そんな魔法が有っても可笑しくは無い。


 俺達は、この神殿で一晩を過ごす事になった。そして、皆が寝静まったでろう時間帯に、一人起きて確認をしていた。


「鑑定、解析、ステータスオープン」


 名前 小見門・悠馬

 職業 ??

 種族 人間Lv0/100

 体力 10/10

 気力 10/10

 魔力 10/10

 攻撃力 10

 防御力 10

 魔法力 10

 抵抗力 10

 速度力 10

 固有技能 簒奪


使ってみたい…何故か、無意識にそう思った。この技能を誰彼構わずに使ってみったい。


「これはダメな感情だ」


 意識的に技能の使い方がインストールされる。それから察するにこの技能は、他人の技能を奪う事が出来るという技能なのだろう。


だが、それで完結しているのか?代償は?条件は?その他一切が不明なままだ。この強大すぎる異能に…俺は付いて行けるのだろうか。


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