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消えた歌、響く声  作者: セバスチャン
臨界の祈り
59/68

失速するポイント、広がる壁

22:00

ミィコの配信枠には、張りつめた静寂が漂っていた。まるで時間そのものが、彼女の指先から滑り落ちていくかのように。ポイントの伸びは明らかに鈍化し、音葉との差は目に見えて広がっていく。


「ミィコ、失速してる…」

「大丈夫かな…」


コメント欄に漂う言葉たちは、不安の小波となって広がり、いつもは温もりに満ちた空間に、目に見えないひびを刻みはじめる。

ミィコは表情を変えず、画面の向こうを静かに見つめていたが、胸の奥では焦燥の炎がくすぶっていた。


(このままじゃ……)


それでも彼女は、心を支配しようとするその炎に呑まれまいと、全身で踏みとどまっていた。崩れ落ちそうな自分を、理性の細い糸で繋ぎとめていた。


22:05

その頃、音葉の配信には、確かな勝利の風が吹いていた。

モニターに映るポイント差を一瞥し、彼女はゆっくりと口角を上げる。


「みんな、ありがとう。あとひと押し、お願いね」


その声はやさしくも冷静で、どこか計算された余裕を帯びていた。

裏で動くのは、彼女が率いる外部支援部隊。音葉の静かな合図ひとつで、まるで精密機械のようにギフティングが連鎖する。


彼女の瞳の奥に宿るのは、すでに出来上がったシナリオの全容。

音葉は確信していた――この物語は、自分の描いた脚本通りに進んでいる。


22:10

さくらもちは、自らの配信枠で戦況を見守っていた。首位を維持しているとはいえ、浮かれる様子はどこにもない。


「ここまで来られたのは、みんなのおかげだよ。最後まで気を抜かずにいこう」


穏やかな声でそう語ると、ふと、ミィコの顔が思い浮かぶ。

目を閉じ、小さく呟いた。


「ミィコさん……よくここまで戦ったよ。次は、もっと楽しく戦えるといいね」


その声には、言葉以上の敬意と共感がにじんでいた。

彼女の中にも、確かに戦いの手応えと、次なる未来への希望が芽生えていた。



---


#ミィコ #音葉 #ポイント争い #歌の戦い #配信 #失速 #壁 #ギフティング #勝利の予感 #最終決戦

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