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消えた歌、響く声  作者: セバスチャン
闇に溶けた名、光に宿る声
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海の静寂

リナは誰にも告げず、東京を去った。SNSを消し、携帯を解約し、夜行バスで祖母の住む海辺の町へ向かった。


祖母はリナのやつれた顔を見ても何も聞かず、


「ゆっくりおいで」


とだけ微笑んだ。

海辺の町は、時間が止まったように静かだった。リナは毎朝、波の音を聞きながら砂浜を歩いた。


だが、音楽には触れられなかった。ギターの弦に指を置くと、彩花の嘲笑や高木の冷たい目が蘇る。


彼女の声は、心の奥に閉じ込められたままだった。ある夜、祖母が言った。


「リナ、あんたの歌、好きだったよ。海にだって届くような声だった」。


その言葉に、リナの胸が疼いた。音楽は、彼女の全てだった。裏切りや痛みで、それを捨てていいのか?


リナは鏡の前で、静かに呟いた。


「もう一度…歌いたい」

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