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君がわたしにくれたもの  作者: 雨世界
飛鳥 あすか ただ、まっすぐに生きる。
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 これはやっぱり良くない。よくない原因はなんだろう? と明日香は思った。 

 担任の深町先生にまで心配されたことで、明日香はようやくこの状況を本気の本気で打開するつもりになった。

 もちろん原因はわかっている。それは明日香の失恋だった。でもこの傷は簡単には消えない。下手をしたら一生残るかもしれない傷だ。隠すこともできない。明日香はそんな練習を今まで一度もしてこなかった。これからその練習に励むとしても、半年、もしかしたら一年くらいは時間がかかってしまうかもしれない。

 そのころには朝陽先輩と五十嵐響子先輩は北高を卒業してしまうので、案外うまく自分の気持ちを切り替えることができるかもしれない。……いや、でもやっぱり無理かもしれない。

 とにかく失恋の傷は言えない。それは仕方のないことだ。恋愛にはリスクがつきものだし、恋愛は真剣勝負だから、本気の人が勝つのは当然だと思った。

 明日香だって本気だったけど朝陽先輩だって、五十嵐響子先輩だって本気なのだ。みんな本気で恋をしている。みんな本気でなにかに悩んでいる。壁にぶつかっている。

 それが恋愛を授受させたふたちの祝福された姿を見て、明日香には本当に骨身にしみるほどに理解することができた。

 それから明日香は自分の部屋の中であれこれと考え続けて、自分の不調の原因にようやく思い至った。

 それはやっぱり日野梓のことだった。

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