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君がわたしにくれたもの  作者: 雨世界
飛鳥 あすか ただ、まっすぐに生きる。
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 日野梓は西高の生徒であり、中学時代の明日香の同級生だった。

 背が高く、透明感のある真面目な男子で、梓は女子からすごく人気があった。いわゆる周囲の女子たちから王子様と呼ばれるような少数の男子の一人だった。

 そんな梓はずっと明日香のことが好きだったらしい。

 そのこと自体はとても光栄なことだと思ったけど、明日香はそんな梓の気持ちにまったく気がついていなかったので、愛の告白をされてすごく驚いてしまった。

 二人は親友であり、生涯の友人であると思っていた。でもそう思っていたのはどうやら明日香のほうだけだったようだ。

 この関係はどこか、明日香と朝陽の関係にも、似ていた。

 明日香はなんとなく、朝陽がどんな目で自分を見ていたのか、少しだけ理解ができたような気がした。

「……はぁー。……どうしよう?」

 明日香は困っていた。

 実際のところ、梓はすごくかっこいいし、友達としてなら満点なのだけど、彼氏として付き合うつもりはこれっぽっちも明日香はなかった。

 明日香にとって、恋とは朝陽先輩を追いかけることであり、愛とは朝陽先輩を思うことだったのだ。その感情は長い年月を経過して、すでに明日香のアイデンティティーの一部となっていた。

 ……もちろんこのままでいい訳はない。少しずつ、改善していかなくてはいけないことは自分でもよくわかっている。でもすぐには無理なのだ。

 今は誰とも、明日香は付き合うことなんてできるわけないとわかっていた。

 なのに、すぐにごめんなさいと言えなかった。

 そう言えなかった自分がすごく卑怯な気がして、梓と別れた日からずっと、梢明日香は落ち込んでいた。

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