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君がわたしにくれたもの  作者: 雨世界
飛鳥 あすか ただ、まっすぐに生きる。
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 お祭りの日、明日香はとっておきの浴衣をきて集合場所に行った。それは本当なら、朝陽先輩に見てもらいたかった鮮やかな藍色をした朝顔の刺繍がしている浴衣だった。

「明日香! こっち、こっち!」

 聞きなれた声がしたので、人ごみの中を声をしたほうに顔を向けると、そこには茜がいた。それに匠、そして梓もそこにいる。

 明日香はすぐに三人のところに向かって移動した。

「いやー、今日は晴れて本当によかったよね。明日香、雨女だから」と茜は明日香に言った。

 強く否定したかったけど、確かに明日香は雨女だった。大切な日にはよく雨が降った。朝陽先輩とのデートの日もそうだった。天気予報では曇り(どうしても予定がずらせなかった)だったのに、雨が降った。本当にあの日は最悪だった。

「まあ、僕が晴れ男だからね」と匠は言った。

「確かに晴れるよね。まあ、雨が降ったとしてもいつも元気な匠には関係ないけどね」と茜は匠に言った。

 匠もそんな茜の言葉を聞いて「うるせーよ」と言って笑っている。二人は本当に仲がいいのだ。

「浴衣、すごく似合ってるね」

 いつの間にか明日香の隣にいた梓がそう言った。明日香が梓の顔を見上げると、梓はとても優しい顔で微笑んでいた。

 その顔を見て明日香の胸が少し傷んだ。

 これから明日香はこの笑顔を曇らせてしまうかもしれないからだ。

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