表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君がわたしにくれたもの  作者: 雨世界
飛鳥 あすか ただ、まっすぐに生きる。
10/51

10

 あのとき、人生で一番明日香が弱っていたときに、梓の誘いを受けて、梓とデートをして、梓の告白を受けて、……その場で付き合うつもりなんてないのに、梓に甘えて、その答えを保留してしまったこと……。

 朝陽先輩を失って、真っ暗闇の中で迷子になって、どっちに行っていいのかわからなくて、空からは雨が降ってきて、傘もなくてずぶ濡れになって、その場で立ち止まって、座り込んでわんわんと泣いてしまったこと。

 そして今も泣いていること。ずっと、その場に座り続けていること。前に進めていないこと。

 それが明日香の不調の原因だった。

 お祭りの日、はっきりと梓に言おう。

 お付き合いはできないって、梓に言おう。そしていつもの自分に、……ううん。これからの私が理想とする梢明日香になろう。それが私の今やるべきことなんだ。

 明かりを決して、ベットの中で横になりながら明日香はそう決心した。そう決心すると不思議なくらいによく眠れた。危なく明日香は次の日、北高に遅刻しそうになったくらいだ。


 その日の午後、バイト先に行くと木野さんがいた。

 バイト終わりに休憩室で木野さんに明日香の考えを伝えると「いいんじゃない」とにっこりと笑って木野さんは明日香に言った。

 木野さんはなんだかとても嬉しそうだった。だからそんな木野さんを見ていて、なんだか明日香も元気になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ