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入学式って、こんなもん?

金髪ボブで、顔の整って、制服が似合っている女の子。

そう彼女が西本 綾華。この世界のヒロインの一人である。

綾華は、この世界の主人公、海道 颯太に会う最初のヒロイン。最初は仲の悪く、暴力を振るったりするが、実は繊細で、気弱な一面がある。

(きつい性格してるはずなのに、一緒に登校してくれるんだな。)

「早く行くよ。創二」

そういい彼女は創二の手を掴んで、引っ張っていった。

(あーこれ夢じゃないんだよな。とても柔らかい、なんかいい匂いする。)

自分の推しと手を繋いでいる。創二にとってこれは夢のような瞬間であった。

「ねぇ俺たちって友達なの?いつ仲良くなったっけ?」

創二はどうしても聞きたかった。自分は誰の代わりでもなく、自分そのものがこの世界に来ているため、自分の立ち位置がわからないのだ。

「なにバカなこといってんの。幼稚園からの友達でしょ。まだ寝ぼけてるの?」

呆れたように話す綾華、でも創二にとっては嬉しい物だった。

綾華は息を切らして校門の前に止まる。

創二はしゃがんだ。

「なに考えてるの?」

「いやおんぶしようかなって。」

「ばっ馬鹿じゃないの。子供じゃあるまいし。」

「いいから行くぞ。」

そういい創二は無理やりおんぶをした。

「おろせ馬鹿。」

「暴れるな。暴れたら落ちるだろ。」

「そういえば入学式って、体育館だっけ?」

「そうだよ。そんなこといいから早くおろせ。」

「疲れてんだろ、おんぶしたら楽に移動できるぞ。」

創二は馬のように走った。綾華はおんぶしている最中何か言っていたが、創二には何も聞こえなかった。

創二は体育館前で呼吸を整えながら、綾華をおろした。

創二は綾華を下ろして、立ち上がると。

「死ね馬鹿。」

そういい創二の大切な黄金の玉を蹴り上げた。

創二の蹴られた瞬間、全身の機能が停止、膝をついて倒れ込む。

近くに先生が駆けつけてきた。

「大丈夫君。」

「大丈夫です。ちょっと、玉が割れそうでしたが。」

「君新入生?今日は欠席とかしなくて大丈夫?」

そう心配そうな創二の顔を見てくる。まるでマリア様かな。と思えるくらい優しい。

「大丈夫です。男なんで、これくらい余裕です。」

創二はそういい自分の玉を手で押さえながら、内股歩きで会場の中に入った。

そこにはパイプ椅子が置いてあり、大体の生徒が着席していた。

創二は先生に誘導されながら、椅子に着席すると、横にいたのは綾華だった。

綾華は創二の顔を見たあと、シカトをかました。

それでも創二にとっては、今隣にいるだけで幸せだと思っている。

黒上で少し老けた、にこやかな人が壇上に立ち、マイクの位置を調整して喋り始めた。

周りは横同士でコソコソ喋ったり、ぼーっとしている人達ばかり、周りの教師はそれに気づいているが注意をしない。

(これが校長の長話。初めて聞いたけど、こんなにつまらないんだな。誰も聞いていないのに話せるなんて、すごいな。)

創二は初めての体験と同時に、つまらないという感情が2:8で入れ混じっていた。

そんな長話が終わると、校長は壇上からゆっくりと降りていく。

次のプログラムは新入生代表とのことだ。

「それでは新入生代表、柊 真琴さん。お願いします。」

そしてまた聞き馴染みの名前が呼ばれる。

そして壇上に立つのは、白髪に目がキリッとして、ウルフヘアにしている女の子が立っていた。

その姿はまるで誰も寄せ付けない狼のようだった。

そう柊 真琴もこの世界のヒロインの一人である。


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