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クズ

作者: 櫟屋

私には彼女がいる。

良い人だと思う。

気を遣ってくれるし、一緒に出掛けてくれる。

ただ最近は彼女の部活や勉強が忙しくてあまり会えていない。

多分これからはさらに会えなくなるだろう。


電車通学の私は、登校のとき、たまに中学時代の同級生の女子と同じ電車になることがある。

あの人は彼女の仲の良い友達で学校の違う今でもまめに連絡を取っているらしい。

私たちは会ったとき中学時代の話をしたり、彼女との近況を聞かれることがある。

中学のころのアイツが今こんなことしてるらしい、みたいなそんな、普通の会話だ。


頭では思ってはいけないことなのかもしれないが、

多分私はあなたのことが好きだ。

もちろん彼女のことは愛している。

ただ、いつの間にかあなたと話す時間が学校に行って帰ってを繰り返す日々の幸せになっていた。

電車にはいない方が当たり前だ。

同じ電車になることの方がイレギュラーだ。

だが、その日あなたがいなかったら、私は寂しさを感じてしまう。

私は乗る電車を変えるつもりはない。

そうすると、私はあなたに会いたいがために電車を変えてるように感じてしまう。

心では認めていても、行動では、形式的には認めたくないのだ。

認めてしまうと、最後のラインを踏み越えてしまうような気がしているから。

だから、

口にも出さない。

独り言でも。

言ったらその思いに乗っ取られそうだったから。

もちろんあなたにも言わない。


あなたは彼女と仲がいい。

私たちが別れて、あなたに思いを伝えたとしても、どういう選択を取るのかは目に見えている。

だから私は言わない。

この思いが、この幸せが、続けられるように。

あなたの隣であなたの幸せを願って。

あなたの恋が実るよう祈って。

やがて、全く電車に来なくなるその時まで、

私はクズとして微笑んでいます。


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