第52話 日本でのハネムーンに胸躍らせる!(上)
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日本での新婚旅行初日。
カズマはマリリンの体重に耐えきれるように車を新しくしていた為、問題なく出発することが出来た。
向かうは【子宝温泉】だ。
そろそろ僕たちだって子宝が欲しい。
つまり、あやかろうと言う事で向かっているのだ。
「今から行く温泉はね、子宝温泉とも言われていて、子宝に恵まれやすくなるというご利益のある温泉なんだ」
「ココココココ!!」
「ん? 鶏かな?」
「子宝温泉!!」
「僕たちもそろそろ一人目をと思うんだけど、マリリンはどう思う?」
そう運転しながら問いかけると、マリリンは顔を真っ赤にしながら「そ、そうだな! そろそろ一人くらいは!」と言ってくれたので嬉しかった。
「それに道中は【バケツラーメン】が食べられる場所があるんだ。楽しみだね」
「バケメン!! それは滾るなぁ!!」
「お代わりしていいからね!」
「うむ!!」
こうして楽しい会話もしながら進んでいくが、やはり世界第二位に落ちたギルドと言うのは気になるようで、僕も異世界での事を考えながら車を運転する。
マリリンの情報では、新たな世界第一位のギルド『ドゲン・モナカ』は連携さえ取れれば本当に強みになるギルドでもあるらしいのだ。
「貴族内の依頼を『ドッスコイ』がして、外の仕事を『メンガンテン』がすれば外と中との強みになる。恐らくそこを話し合いで決めたのかも知れないな」
「ふむ……こちらもそれに対抗するべく何かした方が良さそうだね」
「レディー・マッスルは両方に強いギルドではあるんだ。だがそれだけでは『ドゲン・モナカ』には勝てないかもしれない。もっとカズマ風に言うならばグローバルに展開していかねばならないのかも知れないな」
「既にグローバルじゃないか。世界各国の依頼を受けているだろう?」
「それはそうだが」
「冒険者のランクか」
そう、マリリンがリーダーを務めるギルドには、最高がAランク冒険者で、Sランクはマリリンとジャック、マイケルさんしかいない。
そもそもSランク冒険者と言うのが少なすぎると言うのもあるが、『ドゲン・モナカ』でもSランク冒険者は一組しか在籍していないそうだ。
「なるほど、それで『ミセス・マッチョス』の面々が来るわけだね」
「合併ではなく、提携という形を取ると思うがな」
「そうだね、僕も『ミセス・マッチョス』って響き好きだから、なくなるのは寂しい」
それに、僕たちを推しだと言って本まで作ってくれるのが、『ミセス・マッチョス』の面々だし、その名も本の影響で売れている。
合併するのは得策ではない。
「もし提携してくれる話が通ったら、マリリンと僕とお茶会をする機会くらいは作ってあげないとね」
「そうだな、あらゆる質問にもお答えしよう」
「ははは! きっと喜ぶよ! でも、夜の事情については二人だけの秘密にして欲しいな」
「よよよよよ! 夜の事情なんて話せる筈無かろう!!」
「良かった!」
照れるマリリンがバイブレーションのように揺れるので僕の車の運転レベルが相当上がりそうだ。
後ろを走っている車はきっと恐怖しているだろうけれど、それは許して欲しいと心で謝罪した。
その後、お昼過ぎにバケツラーメンが名物のラーメン屋に入り、マリリンは迷わずバケメンを頼み、5分で食べ切った。
そう、マリリンにとって煮え滾る熱さ等気にする事では無いのだ。
普通に火傷するレベルでも、マリリンに掛かればなんのその。
結果――バケメンを3杯食べてから帰る事になり、バケメン3杯食べた記念に写真を撮って貰い、更に店に飾ってくれることになった。
「いい休憩にもなったなぁ……美味しかったかい?」
「最高だな!!」
「よし、この調子でコテージまで車で走っていこう!」
こうして車に乗り込み、僕たちは更に車を走らせてナビを見ながらコテージへと向かう。途中「あそこが明日行くところだよ」等と新婚旅行で行くにはちょっと味気ないかも知れないけれど、【世界のオルゴール】が飾ってある場所や売っている場所、そして【世界のビール】が飲める一角もある場所を教えつつ車は走る。
「おる、ごーるとは?」
「明日、欲しいのがあればプレゼントするけど、音楽を奏でる小さな箱っていうのかな?」
「ほう」
「一応陛下たちにも買わないといけないけど、マリリンが選んだものをプレゼントするからね。値段にもよるけど」
「ははは。それは楽しみだ」
「現金持ち歩いて良かったなぁ……」
鞄にドンっと入った封筒に入れた札束。
これを使う日が来ようとは……でも、マリリンのお金で買うのでプレゼントと言えるかどうかは不明だ。だが喜んでくれるなら別にいいだろう。
「世界のビールと言えば、こちらの異世界の酒は美味だな!!」
「そうだね、僕もあちらよりはこっちの世界のビールの方が美味しく感じるよ」
「うむ、やはり違うのだ。美味いのだ。こちらにいる時の楽しみだな!」
「ははは、飲みすぎないようにね?」
「うむ! 酒は嗜む程度が丁度いい」
というが、マリリンはザルである。
酒で酔っ払ったところを見たことが無い。
反対に酔いつぶれた僕を抱きかかえて帰る事はあっても、本当に酔わないのだ。
そんな事を思いつつたどり着いた温泉宿にてチェックインを済ませ、車を少し走らせてコテージへと到着すると、カギを開けて中に入る。
広々とした二階建てだけど、僕たちが使うのは一階だけだ。
二階をつかうのはマリリンの体重的にコワイ。
「良い部屋だな」
「うん、早速温泉で汗を流してのんびりしようか」
「子宝……それもそうだな!」
こうして僕たちは荷物を置いてから室内にある風呂場へと向かうと、趣のある温泉のような感じになっていて、服を脱ぐと二人体を洗いっこしてから温泉へと入り、運転の疲れを取りつつ、夜のバーベキューを楽しみにしたのだった。
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