表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

世界情勢エッセイ

2024アメリカ大統領選はトランプ氏有利!? 日本は「もしトラ」にどうすればいいのか?

作者: 中将

筆者:

 本日はこのエッセイを選んでいただき誠に光栄です。


 今日は党内の候補者選びの山場、「スーパーチューズデー」が終わり、

 アメリカ大統領選挙2024の構図が見えてきたので現時点においての様相を解説していこうと思います。



質問者:

 今年最大の選挙ですよね……。世界の情勢も変化しそうです……。



◇どうして前回同様“高齢者対決”なのか?



筆者:

 アメリカ大統領に関しては日本にとって多大な影響を及ぼすんですね。

 特にアメリカの「コバンザメ」のように日本は後ろに付いているという歴史もあります。


 実際に1980年代の貿易摩擦にはアメリカの要求を前面に吞みましたし、80年代のバブル発生もプラザ合意からでしたし、バブル崩壊もBIS規制(銀行の自己資本比率引き上げ)がきっかけになりました。失われた30年の引き金にアメリカが大きく関わっていたわけです。


 去年においては「LGBT理解増進法案」もアメリカの圧力で強引に成立させられましたし、オスプレイ墜落も「不時着水」になったりもしました。

 このように日本の政治に絶大な影響力を今も持っているわけです。

 


質問者:

 前回の2020アメリカ大統領選挙と同様にバイデン氏とトランプ氏の対決になりそうですけど、どうして二回とも高齢者同士の対決になってしまったのでしょうか?



筆者:

 お互いに理由が違うのでそれぞれ解説していきましょう


 実を言いますとバイデン大統領は「第三次オバマ政権」と言われているんですね。


 バイデン氏自体がオバマ大統領時代の副大統領ですし、

 今年初めまで大統領首席補佐官ロン・クレイン氏はオバマ大統領時代はエボラ出血熱対策コーディネーターや副大統領補佐官、


 国務長官のアントニー・ジョン・ブリンケン氏はオバマ大統領時代は副国務長官、


 副大統領補佐官のジェイク・サリバン氏はオバマ大統領時代は政策企画本部長、


 国土安全保障長官のアレハンドロ・マヨルカス氏はオバマ大統領時代はアメリカ市民権移民局長、


 国家情報長官のアヴリル・ヘインズ氏はオバマ大統領時代は大統領補佐官、


 財務長官のジャネット・イレイン氏はオバマ大統領時代はFRB議長、


 など各々スライド出世を遂げています。


 バイデン氏に24年2月8日の判決で機密文書持ち出しを巡りバイデン大統領を刑事訴追しない理由の1つとして報告書に、「バイデン氏の記憶力の低下があること」とされているにもかかわらず代わりの候補が出てこないのも「操りやすいから」という要素があるように思えます。


 

質問者:

 傀儡になりやすいから大統領続投するかもしれないだなんて嫌ですし悲しすぎますね……。



筆者:

 民主党支持者も「第4次オバマ政権」と思って支持しているのかもしれませんね。


 かわってトランプ氏の方は22年のいわゆる「中間選挙」の際に「トランプ氏の支持があれば当選できる」という既成事実ができつつあるので、

 高齢であるかどうかは関係なく共和党内で圧倒的な支持を築いているわけです。



質問者:

 トランプ氏の支持が根強いことがちょっと理解できないですね。

 ちょっと差別や偏見がありそうな過激な発言も多いですし、色々と訴訟を抱えているじゃないですか?


 21年の1月6日に反乱を煽動した疑惑がある方が大統領返り咲きの可能性があるってどういう事なんですか?



筆者:

 色々と発言に問題があることは否定しませんが、

いわゆる1月6日事件の反乱を煽動した可能性については低いと思っています。


 トランプ氏は当時Twitter(現X)で「秩序ある行動を」とむしろ過激な行動を慎むように言っています。


 また、コロラド州の大統領選挙出馬を認めない州最高裁判決を連邦最高裁が9-0と全会一致で覆すといった裁判もありました。

 議会襲撃扇動で有罪と決まっていない段階で、アメリカ憲法修正第14条3節(反乱条項)で公職につけないというのは無理筋ということのようです。


 トランプ氏個人についての感情とその他については切り離して考えるべきだと感じます。



◇“第三番目の候補者”がバイデン氏VSトランプ氏の勝敗を分ける?



質問者:

 どちらも問題がありそうだけど党内である種の盤石さがあることは分かったんですけど、


 現状はどちらが有利とかあるんでしょうか?



筆者:

 現状はトランプ氏が有利だと思っています。


 大統領になる可能性があるのはバイデン氏かトランプ氏のどちらかなのですが、

 実を言いますと結果そのものに大きく影響するのは「第三の候補者」なのです。



質問者:

 え……いつの間にか3人目とかいるんですか?



筆者:

 これはほとんど日本では報道されていないのですが、

 ロバート・ケネディ・ジュニア氏(以下、ケネディ氏)が23年10月に無所属で立候補を表明しています。


 ケネディ家は伝統的に民主党系統なのですが、

 23年9月17日にはケネディ氏に対して暗殺未遂が起きたのにも関わらずシークレットサービス(護衛のこと)が付かない(本来、大統領選挙に出る有力候補には付く)などの待遇が悪い上に、予備選前の党内討論会が無いなど逆転の余地が無いとみたことから無所属での出馬を決意したようなのです。



質問者:

 確かに民主党系の人が他で出馬したら票が流出しそうですよね……。



筆者:

 1992年のビル・クリントン政権誕生時以来の大混戦になることが予想されています。


得票率としては

 民主党ビル・クリントン氏43.0% 

 共和党ブッシュ(父)氏37.5% 

 無所属ロス・ペロー氏(共和党に近い)18.9% (ただし選挙人票は0人)


 と、共和党が統一候補でしたら共和党大統領が誕生していた可能性が高いです。


 このような結果の民主党分裂バージョンになるのではないかと言われているのです。



質問者:

 ケネディ氏の政策内容はどんな感じなんですか?



筆者:

 これは僕の分析ですが、

 

・民主党寄り 環境保護を訴える、人種逆差別政策には賛成、黒人を補償する基金創設


・共和党寄り 国境強化、ウクライナ支援撤退、軍産複合体に反対


・独自政策  製薬会社に対する捜査(主にコロナワクチン)


 と民主と共和の政策内容の中間ぐらいだと思っていいです。

 ただ民主党系統の出身なのでバイデン氏にとってのマイナスの方が多いと予測されているわけです。



質問者:

 なるほど……。この形勢が変化する可能性はあるんですか?



筆者:

 トランプ氏はいくつも訴訟を抱えており、それによって大きくマイナスになる可能性があります。


 またケネディ氏が撤退することがあればこの構図は変わってくる可能性もあります。


 まだまだ不透明なところは多く、アメリカ大統領選挙前後にまたお伝えしたいと思います。


 ただ、基本的にはトランプ氏有利というのが僕の感覚です。



質問者:

 そうなるとトランプ氏が大統領に復活した場合は日本はどうなるのでしょうか?



◇トランプ氏の動向というより日本の対応が大事になる



筆者:

 僕はトランプ氏は問題のある人物とは思いますけど、

 日本で報道されているような悪人ではないと思っています。

 アメリカ全体として見て見るとプラスである可能性が高い気がします。


 トランプ氏の懸念とされる「アメリカファースト」「実利主義」は「現実主義」、「強権主義」は「リーダーシップ」とそれぞれプラスに捉えることもできるわけで、機能不全が指摘される米国政治を動かすという点ではむしろ好ましい面もあるのです。


 現在アメリカでは不法移民が押し寄せて犯罪が増えすぎたために、

警察の対応ができなくなり、

 ニューヨーク州、カリフォルニア州、イリノイ州では被害額950ドル(約13.5万円)以下の窃盗は「軽犯罪」扱いとなってほとんど逮捕されないという事態になっています

 (全く逮捕されないわけではない)


 また、万引き自体が増えているのは移民問題もありますが、

 物価高と経済格差が広がっていることも一因としてあります。


 これらのバイデン政権の外国人政策と経済政策への不満がトランプ氏の支持に繋がっているのです。


 

質問者:

 それではバイデン政権へ不満、対極にいるトランプ氏の支持が出ても仕方ないですね……。


 トランプ氏になった場合日本の国防は大丈夫なんでしょうか?

 ロシアが攻撃してもお金を出さないとNATOとして守らないというようなとんでも発言があった気がするのですが……。



筆者:

 そうですね。

 彼の大統領返り咲きが日本にとってプラスになるかと言われれば微妙と言わざるを得ないというのが正直な感想ですね。


 2月10日のサウスカロライナ州での政治集会で、国防支出の足りない国がロシアの攻撃を受けたら、その国を守るかという問いに対して、

「守らない。むしろ彼ら(ロシア)にやりたいようにやれと勧める」と答えたことですね。


 「お金が足りないから払え」と兼ねてから言っている主張と一貫性はあると思います。


 そうなると、日本は金をまたむしり取られる可能性がありますね。


 2018年のインド太平洋戦略に関するトランプ政権の文章では九州・沖縄から台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」の中国側に位置する国や地域を防衛すると明記しているのですぐに見捨てるとは思えませんがね。


 ただ「アメリカ国内の状況次第」では「アメリカファースト」を掲げて「台湾有事」にも手を貸してくれない可能性があるので日本は本当に自主独立の防衛をする必要に迫られると思います。



質問者:

 それならバイデン氏のままの方がいいんでしょうか?



筆者:

 ただ、バイデン氏だと日本の対米従属がこれまで通り永遠と続くでしょう。


 トランプ氏の方が日本としてはリスクは高いんですけど、「日本の真の意味での独立」という意味での可能性ではトランプ氏の方がいいと僕は感じます。


 僕がかねてから言っていることでは国連憲章の敵国条項の削除やレールガンの開発、自衛隊の待遇改善、埋蔵資源の開発、農業生産力強化などです。


 しかし、「ピンチをチャンス」に変えられるかどうかは日本政府次第という事です。



質問者:

 しかし、日本政府はなんか自主的に何かをしている感じはありませんよね。

 アメリカに言われてウクライナ支援をしたりもしていますし……。



筆者:

 それはごもっともなご指摘だと思います。


 今の日本政府にはどのようにしたいかという確固とした「国家像」が見えない感じがします。

 敢えて言うのなら「増税」でしょうかね(笑)。


 トランプ氏は問題があろうとも「アメリカファースト」という明確な目標は誰しも分かりやすいと言えます。


 ですから日本の場合は国民の側から声を上げていく必要があると思っています。



質問者:

 一人一人は小さくでも声を上げ続けることが大事なんですね……。



筆者:

 諦めないことが大事だと思いますね。


 という事でここまでご覧いただきありがとうございました。


 今回はトランプ氏がケネディ氏の出馬によって有利になりそうだという事と、

 トランプ氏が大統領になったら「自主独立の防衛」を日本自身で考えていかなくては

 いけないという事をお伝えさせていただきました。


 今後もこのような政治経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていきますのでどうぞご覧ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ