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魔法使いの作り方  作者: ゆねのいち
落ちこぼれ研究者の仕事
12/17

新しい仕事

掃除を終えた日の翌日、国から連絡がきた。


エルゼやハルカの事について所長が報告した後、政府は専門家を招集し会議を行っていた。この連絡はその会議の結果を伝えるために行われた。


招集された専門家の中に、研究所所属の人間がいないことは1つ目のツッコミ所。


そして政府から伝達された内容はコレ。


『けが人も出ておらず、大きな損害も無いので、エルゼは現状の管理体制を維持する。ハルカも同様の管理体制を適用する。危険生物であるため、取り扱いには充分に注意せよ。』


・・・危険生物かぁ。


俺は同じ部屋にいるハルカとエルゼを眺める。


「ハルカちゃん。ここからぜったいれいど当てれる確率どれくらい?」


「確定で3回試行できるから、全部外す確率が21.6%、一発当たる確率が88.4%。」


ポケ○ンで一撃必殺狙いの害悪戦法をしている。確かに危険かもしれないな。


もちろんこれは冗談だが、政府は明らかに対応を面倒くさがっている。しかも敵が来ていたことには全く触れていない。


ユリからもらった資料によると、偽ハルカを作った団体の名前は『エンドロダム教団」。


教団は世界各国に点在し、神の名において世界の終末を願う新興宗教。死こそが救済だとでも言いたげな宗教だ。


俺の今の仕事は二人を管理し、敵の正体を突き止めること。戦力外の俺にとんでもない仕事が舞い込んできた。


まあ、俺だけに任せるわけにはいかないので、人員は増やす予定らしい。10人くらい増えたら俺は仕事を辞める。


「ユウト?なんかお前に用事があるっていう男の子が来てるぞ。」


突然部屋の扉を開けたのはビルさんだった。


「えっ、男の子?」


俺は不思議に思いながらも待合室に向かう。


待合室の扉を開けると、小柄・・・というかハルカより小さい男の子が待っていた。


「えーと・・・どちら様ですか?」


「僕だよ僕。昨日ユリさんが話してくれたんでしょ?」


ユリさん、ということはクローンか。昨日ユリさんが話したと言われても全く分からない。


「ごめん、全くわかんないや」


「僕はケネスだよ。エルゼに消されたとか聞かなかった?」


エルゼに消されたのは確か・・・


「 絶対零度の子?」


「そうそう!ここに二人いるって聞いて来たの!」


どうすればいいだろうか。2人までならともかく3人なんて無理だぞ。


「・・・なんでユリさんは君を送ってきたの?」


ケネスはエルゼやハルカと比べると、とても元気で明るい雰囲気で俺に接してくる。


「なんか、今度は僕にそっくりな奴が来るらしいの。僕はそいつをやっつけてこいって言われて来た!」


おそらく、エルゼを狙って来るのだろう。今度はこの子の偽物か。


「・・・もしかしてこの研究所に住んだりする?」


「しないよ。倒したらさっさと帰る。」


・・・どうやら敵の根幹をどうにかするまでクローンが度々来るらしい。管理の仕事が増えるわけでは無いのは非常に助かる。


「ところでエルゼとハルカは?」


ケネスが2人に会いたがっているので、俺は彼を案内し、二人の部屋を開ける。


「エルゼ、多分つららばりにしたほうが強いぞ。」


「ええ?1回もあたんない時あるじゃん。じわれのほうがマシだよ。」


今は2人でポ○モンを育てているらしい。


「エルゼ、ハルカ、それってもしかしてテレビゲーム?」


・・・嫌な予感。


「スゲー!こんなにあるんだ!ここもしかしてゲーム研究所?」


違う。エルゼが小遣いでネット注文してる。


「ケネス君いっしょに遊ぶ?」


エルゼが声をかける。


「ホント!?やるやる!!」


中身は完全に子供だコイツ。元が魔女だから男の子は精神まで子供になるのか、それともハルカが特例なのか・・・。


「あ、あの、お兄さん!」


「はいっ!?」


突然声をかけられ驚きながら返事した。


「やっぱり僕の偽物倒してもここに来ていいですか?」


「あ・・・う、うん、いいよ。」


「やったー!!エルゼ早くやろー!!」


ダメとか言えねえよ。子供がいるってこんな感じなんだろうか。俺にはお金が無いし、誰かと付き合う予定もないので絶対に子供ができる事はないが。


今は面倒事が起きない様、監視しておかないといけない。知らない子供が何をしでかすのかハラハラする。お金を貰ってるからこの仕事をやっているが、無料では絶対やらない。


まあ絶対零度にできるとはいえ、ゲームやってるだけなら大丈夫か。



「あー!!お茶こぼした!蒸発させた方が良い?」


「ダメに決まってるだろ建物が溶けるぞ!」


「ちょ、ちょっと待って、布巾持ってくる!」



・・・やっぱりこの仕事辞めたい。

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