卒業式
卒業式
辺りの人々はみんな色鮮やかな袴姿。
今日の日を僕はきっと忘れないだろう。
女の子になれなかった僕には似合わないだろうから、
着るのを辞めたんだ。
天気予報とは全く違って天気は晴れ。
少し汗ばむくらいの気温がこの日のために用意されたみたいに感じてどこか悲しかった。
今日という節目に祝福を。
別れに涙を。
「お待たせ」
待ち合わせ場所について君たちの姿を見た時、まるで置いて行かれたように感じたんだ。
とても綺麗で、思わず泣きそうになってしまった。
「綺麗だね、似合ってるよ。」
そんな当たり障りのないことしか言えなくて。