【首飾り】
こんにちわ!有馬波璃海ありまはるかです!
ただの趣味での投稿になります!(*´-`)
(。-人-。)(。-人-。)
この物語は、日本の万の神が住む森を舞台に、一人の少女が、森に住む不思議な少年と出会い、冒険し成長していく物語です。今回で最終回です!
是非、ご覧ください(*´-`)
有馬波瑠海の作品一覧
◯長編小説◯
【時雨の里】(連載中)
https://ncode.syosetu.com/n5101gr/
◯短編小説◯
【おいらはスズメ。えっ名前?そんなのないない。】
https://ncode.syosetu.com/n1223gs/
【家の中の猟犬】
https://ncode.syosetu.com/n1830gs/
どれくらい歩いたのだろうか・・・。ゆっくりゆっくりと山を下って行く。なんだか、森の中を琥珀に背負われて、暖かい森の中を進んで行く。小鳥の鳴き声が、優しく鼓膜をゆらして、私はなんだか、夢の中にいるような気分だった。
しかし、琥珀は不意に立ち止まる。
【琥珀】
「七世。ここでお別れだ。もとの世界へ戻る時が来た。」
【七世】
「えっ?」
琥珀の背から下り、前を見ると、いつも遊んでいた森の小道へと戻って来ていた。小道の先には、おばあちゃん家の裏の祠。この小道を進めば、私はこの自分の世界に帰ることができる。
【琥珀】
「さようなら。七世。ワタシを助けてくれてありがとう。これはお礼だよ。」
琥珀は、私に青く輝く美しい玉のついた首飾りを渡した。
【七世】
「ありがとう・・・。とっても綺麗・・・でも、その台詞は、私の台詞だよ。琥珀、助けてくれて、ありがとう・・・。」
私は、小道を歩き始める。振り返ったら、泣いてしまうと思った。だから、振り返らずに進む。
・・・しかし、
森を抜けるまで、後、10歩という所で、私は後ろを振り向き、少年に向かって走る。そして、私はその人を思いっきり抱き締めた。
【七世】
「琥珀!ありがとう!私、また、絶対に会いに来るから!それまで、待ってて!」
【琥珀】
「あぁ・・・。分かった・・・。約束するよ。約束する・・・。だからそれまで・・・」
・・・さようなら・・・
琥珀から離れると私は、小道を駆け出し、もう振り返らず森を抜けたのだった。
・・・七世・・・七世・・・
誰かに呼ばれて、目を覚ます。
【おばあちゃん】
「七世。こんなところで寝ていたら、風邪を引くよ。」
【七世】
「おばあちゃん!」
私は、おばあちゃんに抱きつく。
【七世】
「ごめんなさい!おばあちゃん!勝手にいなくなって!心配したでしょう?」
【おばあちゃん】
「何言ってるの?七世。寝ぼけているの?今さっきまで、一緒にお昼ご飯食べてたでしょう?大袈裟ね。」
【七世】
「え!だっ、だって、私!嘘よ!だってここの祠の後ろから伸びてる小道を・・・。」
私は後ろを振り返り、祠の後ろにあったはずの、小道は跡形も無くなっていた。
【七世】
「そんな・・・。嫌だ。夢だったなんて・・・。そんな・・・。」
私は、何も言えずに黙りしまう。私の様子を見て、お祖母ちゃんは穏やかな口調で言った。
【おばあちゃん】
「夢・・・ね・・・。もしかしたら、夢じゃないかも知れないわよ?」
【七世】
「えっ?」
お祖母ちゃんは、私に彼はどんな人だった?と聞いた。私は、森であったことを1から順々に心を踊らせながら話したのだった。話が終わる頃、私は自分の首に何か、かかっていることに気がついた。それは、青くて、美しくて、輝く玉がついた首飾りだった・・・。
あれから、私は、おばあちゃん家で暮らすことにした。学校もおばあちゃん家から通えるところにある。友達も沢山でき、今でも父と母とはあまり会えないが、おばあちゃんと二人暮らしで、寂しくない。
あの日以来、祠から続く小道は現れていない。琥珀は、今でもこの森を守っているのだろうか?
私は、家の裏にある祠の前にやって来た。これは私の毎日の日課。
【七世】
「琥珀・・・。私、この森を守って行こうと思う。神様達が、住んでいる神聖な森。でも、人間は勝手だから、いつかこの森を切り開いて町でも作ろうなんていう人が出てくるかもわからない、私は、そうならないように、この森を守って行く。あなたは、森の中から、私は外から、一緒にこの森を守っていこう。」
私は、祠を後にしようとする。
しかし、いつもと違ってなんだか、懐かしいあの人の声がした気がして後ろを振り向いた。
するとそこには、あの時と同じ小道が現れていた。
完結
ご覧いただきありがとうございました!本回をもって、無事に【七世と森の少年】を完結させていただきました。(。-人-。)
この物語は、2年前に考えた物語で、優しく温かい日本の森の中を舞台に、神様である少年と少女の関わりを描く物語を書きたいなと思って書き始めたのがきっかけです。(*´-`)
しかし、書ききったのは良いけれど、どこかに投稿する予定もなく、2年が過ぎた頃、このサイトを、知りました。せっかく書いたのだから、この物語を自分の作品として残しておきたい。誰かに読んでもらいたいと思い、投稿させていただきました。
今まで、読んでくださった皆様、ありがとうございました!心から感謝いたします。(。-人-。)
有馬波瑠海