第1話 出会い
1話目 なろう系主人公との出会いです
私は都市から少し離れた田舎の村に生まれた。
私の両親は都市から仕入れた商品を売ったり、馬車を修理したり、農業で忙しい親から子供を預かったり、いわゆる「なんでも屋」みたいな店をだしていた。
貧乏ではなかったし、両親もしっかりとした人間だったから、何不自由なく、三つ下の妹とそこそこ幸せに過ごしていた
私の歳が16になった頃、私は都市へ出稼ぎに行きたいということを両親に告げた。突然のことだったのでもちろん両親には反対されたけど、この村の若者達はほとんど都市へ職を求めてでていったし、この村も年寄りだらけになって、この店でいつまで食べていけるかもわからないということを告げれば、両親は渋々出稼ぎのことを許可してくれた。
私は子供の頃から両親の手伝いをしていたので、接客もできるし、馬車の修理もできる。父親の猟にも手伝いに行っていたので、弓を使うのも慣れていたから、都市に行ったらなんらかの仕事は見つかるだろうと思っていた。
そして一ヶ月は暮らしていけるだろうお金を持って、両親に見送られながら、妹に泣き付かれながら、私の故郷を後にした。
そして私は都市へ出稼ぎに行ったことを猛烈に後悔することになる。
「その格好、嬢ちゃん都市の人間じゃねぇな?まぁいい、金さえくれりぁあ痛い目にはあわせんからよ」
「へー嬢ちゃん田舎からでてきたの、ってことは出稼ぎにきたんだよね?俺がいい店教えてやろうか?嬢ちゃんなかなかの上玉だから結構稼げると思うぜ」
数時間かけて都市へ行き、慣れない人混みに押しつぶされながら、やっとこさ休憩できると裏路地に入ったとたんこれだ 両親に自信げに出稼ぎに行くと言っても、私が都市にきたことなんて家族で旅行したとき訪れた数回だけ、私は都市の恐ろしさを知らない田舎っぺだということを今更理解した。本当にお金を渡すだけで帰してもらえるんだろうか、両親からもらった大切な体だ、見ず知らずの男に捧げるなんてしたくない。
私は後悔や恐怖や悲しみなど様々な感情に心を締め付けられながら、俯き、黙り、巨漢ふたりに裏路地の壁に押し付けられていた
その時だった
「そんなとこで君たち、何をやっているのかな?」
これが私とあいつの馴れ初めだった
今考えればこの時点でテンプレ中のテンプレ展開なのだが、そのときの私はそんな考えなど頭の片隅にもなかったのだった。
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