20. 覚悟
今日はとうとう、挑戦の日……
すごく緊張するけど、頑張るしかないよね……!
念のため、色々と準備しましたけど、やっぱり緊張する……
もし相手がすごい人だったらどうしよう……?手加減しないならどうしよう……
「はい、これあげる〜!」
「うあああ!!」だ、だれ?!緊張してるから驚かないでよ……なんだ、さくらちゃんか。
「こ、これ、なに?」は、花?しかも見覚えのある花だ……
「ホタ……」
「ホタルブクロっていう花ですよね!初めて見た!ありがとう、さくらちゃん!」昔、本で読んだことある気がする。誕生花と聞いているから、わざわざ名前も覚えた!
で、でも、私の誕生日はもう過ぎたはず……
「前から色々と助けてもらったから、何か送ろうと思って……」
さくらちゃん……
「ホタルブクロの花言葉は忠実、正義、感謝の気持ち。」
うん。私は頷いた。
「いつもありがとう、アヤメちゃん!あと今日、頑張れ!応援してるから!」
こっちこそ、私と友達になってくれて。
でも、こんなに恥ずかしいことは言えないから、私はさくらちゃんとお別れした後、花を連れて、寮まで帰った。
私、ちゃんと分かってる。
もし、ここで負けたら、聖典祭に勝つ確率も必ず下げる。
六使ていう機会があったからこそ、私は強い人たちと仲良くできた。
……別にすごく仲良くな訳じゃないけど、話はちゃんと通じる人です。
みんなみたいに強くなれないし、前向きさえできないけど……
よくないこと考えてるけど……私は他の人を勝って、進んでいきます。
競技台に行く前に、私は花を自分の部屋に置いた。
勝ったら、君に伝えよう。
●○●○●
「やあ、まだ会えたね。」
目の前に立ってるのは、知らない木の妖精でした。
まだ会えた……?初対面はずですが……
ちょっと待って、あの人が構ってる武器って……槍?
槍ってまさか……
「どうやら思い出したようだね。」つまり、この人は私の体型を見るだけでわかるの……?
あの時は、先生に魔法かけられて、顔がわからないはず……
「カウントダウン開始します。10。9。」
えええ……!!
競技台の周りに、バリアがだんだん現れてる……
「自己紹介、忘れたね。シド・ヨナ。」
「あ、アヤメと申します……」
「あのレッスンで分かったよ。やるなら今だって、ね。」
六使の席を私から奪うってことですか……?
……だめだ!ここで集中できなかったら……
「……。」
「どうやら落ち着いたみたいだね。」
なんか……分かった気がする。きっと、誰もが私と同じこと思ってる。もし六使の席を手に入れたら、他の生徒より権力がもらえるし、聖典祭の勝ち目だって上がる。
そんなデメリットのない仕事、私が持ってるんだ。
「……受けて立ちます。」ここで負けたら、何も始まらない。
「そう来なくっちゃ。」あの人、笑ってる……?
「今回も妖精が勝つでしょう?」いつの間にか、バリアの外から生徒たちが集まった。
「今年の一年生の人間は強いと聞いてるぞ。特に六使。」
「え〜じゃあ見ようかなー」
ここは外の声を気にせず……!
にしてもシドさん、魔法使う気ないみたい。じゃあ、私も早く対応方法を探さないと……!
相手は突き刺してきた。
「……中級者の術、木。」これが今私が作れる、一番高い防御力の魔法。
前に本で読んだことあるんだけど、零域の中にくるみっていう木がすごく硬いと聞いています。
写真や資料はみたいことあるけど、本物はみたことないから多分似てないけど……頑張ってみた。
……本当に、攻撃を止めた。すごい。
これでしばらくは来れないはず……え?!!
あんなにあっさりと破けたの?!
「!」やばい……怪我をした…しかも一番大事の右手……
「中級者の術、石。」私の想像通り、石はシドさんを乗せて、高いところまで登った。
でも怪我のせいで、魔法は長く持たないかも……今のうちに、何か考えないと!
そういえばシドさん、本当に魔法を使う気ないみたい……うああ!!
あんな高い所から飛び降りた?!
違う……すっかり忘れてた。
妖精は人間と違って、羽があるんだ。
「!」私が気を散った隙に、左足を怪我した……
致命傷じゃないけど、動き辛いかも。
「やっぱり噂通り、治癒魔法使わないんだね。使えば良いのに。」
「……余計なお世話です。」なんか突破口を探さないと……!
「このままじゃ、俺に勝てないよ。」そういえば槍、まだ持ってるんだ。
「……!」もしかして……この可能性を賭けるしかない!
シドさんの弱点……多分、見つかったかも。
あとは、あの人を倒すだけです。
「なんか決めたようだなぁ。棄権する?」
「……」私は頭を下げて、シドさんから逃げようとした。
チャンスは一回だけ……!
「……本当、隙だらけだ。」その槍が突き刺す前に……
「中級者の術、蔓!」頼むから、私の思い通りに発動して!
緊張しすぎて、目を閉じたけど……成功したの?
「……!」魔法が思った通りに発動した!
蔓たちはまず、シドさんの槍を奪った。
そして、シドさんを包んだ。
槍がないゆえ、破るのも難しい。
「勝者は、アヤメさん。」
よかった……って、あれ?体が……?
「アヤメちゃーん!!」その声は……さくらちゃん……?