19. 妹
挑戦は後日だから、まだ時間はある。
この間で、何かやらないと……!
「……え?」あそこに妖精の女の子がいる……!
今日は休日だから朝に一人で食堂で朝ごはんを食べたけど、意外な出会いがありました。
「あの……大丈夫ですか?」あの女の子は何かを探しているようで、焦った顔をしていました。
それに、あの白い肌……見たことない。
妖精とは言え、肌の色は人間とそんなに違いはないはずです。
「あ、アヤメさんだ!」え、え?私のこと知ってるの?
「えーとですね、スズカと申します。よくお兄ちゃんからアヤメさんのこと聴いてるよ。」
お兄ちゃん……?
「いろいろ話してみたいですが、その前にみーちゃん見つけてくれる?」
みーちゃん……?
「あ、みーちゃんは私の召喚獣です!魔法を使えばどこにいるかは分かるけど、失敗ばかりで……えへへ。」みーちゃん、このネーミングセンス……
「て、手伝います!みーちゃんはなんの召喚獣ですか?」
「零域にある、アザラシっていう生き物の赤ちゃんです!ちなみに色は白です!」
白いアザラシ……よし!やってみよう!
「木の精霊、探し物。」……!
「見つかったの?!」
全然動いてないのに、頭の中に位置が……
「多分、あそこの木にあるはずです……」魔法が成功したらね。
私が指差しているところは、食堂の後ろにある小さな森。でも、アザラシだし、なぜ森に……?
「あ、いた!みーちゃん!」
「あ゛うっ……」あ、あれがアザラシの鳴き声?!
「大丈夫だよ。アヤメさんが見つかったから。」この子、アザラシの言葉がわかるの?
「あ゛ぁっ!!」え、え?!私に向けて言ってるけど……
「みーちゃん、ありがとうって言ってるよ。」そうなんだ。
「改めて、自己紹介させてください。」スズカさんはみーちゃんをぎゅっと抱きしめて、私に微笑んだ。
「タツお兄ちゃんのこと、覚えてる?」タツお兄ちゃんってことは、タツ先輩のこと……?
「……はい。いつもタツ先輩にお世話になってます!スズカさんは、彼の妹のことですか……?」そう言えば、前に言った気がする……
「そうだよ!……あ、もしかして、似てない?」顔立ちは似てるけど、なんか……
「お兄ちゃんは水の妖精だけど、私はそう見えない。かな?」そうそう!なんで知ってるの?
「この白い髪と赤色の目はね、」スズカは髪を撫でながら私に言い出した。「生まれつきの病気らしいです。」
病気……?
「アルビノ……確か名前はこれだよ。あんまり外に出られないから、久しぶりに出たらアヤメさんに会えるなんて、嬉しいです!」
よ、よかったね……でも可哀想だね……
「あ、あの、スズカさん!お手伝いが必要な時は、ぜひ声かけてください!」よし、頑張って言えた……!
「……。」スズカさんの笑顔、好きかも。「ありがとう、アヤメ!」
裏話ですが、「スズカ」の漢字バージョンは「鈴歌」です。