15. 六使ミーティング
ミーティングって言っても、まだ授業は始まったばかりだし、相談は必要なの……?
あ、お姫様だけ紙持ってる……先生に渡したテーマかも。
「ではまず、最初の議題は役職を決めること。えーと、会長一名、副会長一名、会計一名、書記一名と庶務二名だね。興味のあるポジション、教えてくださいね。」
「エリ様はどう思いますか?」ディランさんはお姫様に聞いた。
そうだね……役職って言っても、私、不器用だから何もできないんじゃあー
「会長は最終決定権を持つ人だから、冷静に正確な判断をできる人の方がいいかな。ディランさん、ツキノさんとイブキさんの中から選びますか。」
……ってことは、私とフリントさんみたいな人は会長に似合わないか〜まあ、当然だしね・
「まとめ役、苦手だからやめます。」
『僕も遠慮します。』
「会長はディランさん、ということだね。わかりました。」お姫様はメモになにか書いた。
思ったより決めるの早いかも……
「次は副会長。会長のサポート役だから、元々知り合いのフリントさんが似合うかも。」お姫様の決断力、半端ない……!
「かしこまりました。」フリントさん、お姫様の前だけ大人しいなんだ……
「会計は私がやりますね。いい?」お姫様が会計か……頼もしい!
「はい、異論ありません。」ディランさん、お姫様の次に、一番喋ったかも……
フリントさんは大人しいし(ここだけだけど)、私とツキノさんも全然話さないし……
「書記はイブキさんに任せた方がいいかも。話す必要もないから、イブキさん、いいですか?」
『任せてください。』
「じゃあ残りの庶務はアヤメさんとツキノさんに任せたね。いい?」
「は、はい!」
「はい。」
「じゃあ次。議題はクラスルールを決めることだね。各自一つのルールを提案してください。」
え……え?!いきなり??
そ、そういうのは先生に決めた方が……
「はい。」
「わかりました。」
な、なんで皆さんは簡単に受けられるの??
私も一つ決めないと……そうだね……
とっさに、私はとあるルールを思いついた。
これは勇気が必要だな……
……でも、もしこのルールが採用されたら、すごいことになるかも……よし!
「ディランさんから発表してください。」
「かしこまりました。」
一、二……私が三番目??
緊張する……
ディランさんとフリントさんが言った後、私が紙の上に書いたものを読んだ。
「妖精と人間は……お互いを尊敬するべきです!」が、頑張って言った……!
今まで、理不尽なことに色々あったけど、多分私だけじゃないです。
妖精が人間をいじめることは、最近のことじゃないです。
もし人間の皆さんに役が立ったら……
『アヤメちゃんだって責任あるよ。抵抗しないと。』前にさくらちゃんが言ってたし……
「……」
「……」
や、やばい……空気が……
やっぱり、私は間違えたー
「やるね、アヤメさん。」ツ、ツキノさん……?「思ったより度胸あるじゃん。」
ほ、褒められた……?
『良いと思います。』イブキさん!
「そうだね。私は好きだよ、そういうアヤメさんも。」
「さ、賛成ってことですか……?」
「そうだよ、アヤメさん。もっと自信を持てば良いのに。」お姫様、本当に優しい……
お姫様は全員の提案したルールを記録したと、私たちは次の議題へ進めた。
却下しなかった……本当によかった……
「次は聖典祭の会場を決めるよ。」
せ、聖典祭の会場??私たちで決めて良いの?
「年級ことに会場が違うから、今年のアリーナは二年生が使えるって。他の場所を探そう。」
さ、探そうって言っても……
「条件は一つだけ。『大きい』みたいだけだよ。」
ざっくりだなぁ……
「学院は大きから、使えるホールとか?」フリントさん、意外と真面目だね……
「羽を使って飛べることは禁止じゃないから、アウトドアの方が良いかも。」ディランさんは妖精の特性を生かしたいから、相当勝ちたいかも……
『提案、ある。』
「どうぞ、イブキさん。」
「零界の広いところ、一つだけ知ってます。」
れ、零界?!
騒ぎとか起こらないの??
「……ダメなわけじゃないけど、生徒の皆さんを霊域から零界まで転移するのは相当難しいよ。できる人いる?」お姫様、却下しないんだ……
「…学院長なら……」
そんなにすごい人に頼れるの?!
「仕方ないね。その件について、あとでゆっくり話しましょう。」
も、もし本当に零界に行くなら……どうしよう。