14. 休憩
話が終わった後、私たちは解散しました。
『またね、アヤメさん。』
「イブキさん、またあとで!」
そういえば、この後に六使のミーティングもあったから、また会えるんだね。
「アヤメちゃん、アヤメちゃん!」
部屋に帰ったあと、私は通信機を使って、さくらちゃんと話しました。
「なに?」
「アキトって……どっかで見たことあるんだよね。」
「え?!初対面の人だと思いますけど……」でもさくらちゃんは零域の人だし、アキトさん似てるの人に間違ってるだけかもしれない。
でもイブキさんと話してる時、デジャヴを感じた気がする……そんなわけないか。呪いのせいで話せない人なんて初めて会ったし。
「そっかーでも二人はいい人だから、友達になれそう!」
さくらちゃんも、私と同じことを思ってるんだ。
「うん!」
「そういえば、六使のミーティングって先生に会えるの?そのまま選択科目のシートをアヤメちゃんに渡したけど……」
選択科目のシートはさっきほど書き終わったから、私とイブキさんに預けてました。
確か、今日が締め切りの日……でしたよね?
7時前に先生に渡すってローガン先生が言ってました。
六使のミーティングは先生に会えるのがまだわからないけど、一応アキトさんとさくらちゃんからもらったんだ。
「大丈夫だよ。任せて。」
「ありがとう〜!」
●○●○●
私はミーティングを始める前に、ローガン先生のところまで選択科目のシートを渡してきました。
「ありがとう、アヤメさん。この後六使のミーティングが始まるんだよね。」
「はい!」なんか、緊張する……
「頑張って。先生が応援しますよ。」やっぱりローガン先生は、すごく優しい人ですね。
「あ、ありがとうございます……!」
「ほら。友達が迎えに来たよ。」と、友達?!
振り返ってみると、イブキさんは私の後ろに立っていました。
「な、なぜここに?!」私がここに来ることなんて言ってなかったはずですが……
『職員室を通ったら、アヤメさんの声が聞こえました。』
え……なんか怖い……
『失礼いたします、先生。』
「またね、イブキくん、アヤメさん。」
「し、失礼します……!」さっきのショックからまだ回復してない……びっくりした……
『ごめんね、びっくりさせて。』
「あ、いえ!こちらこそ、迎えに来てくれてありがとうございます!」なんか嬉しい……
『ミーティングももうすぐだし、急ぎましょう。』
は、はい!
私たちは、教室まで走った。
そこには、ツキノさんがいました。
彼女の隣には、見たことのない扉があった。
あの扉の後ろ、何にもない……魔法って、こんなにすごいんだ!
「あら、君達も来たのか。一緒に入ろう。」
「は、はい、ツキノさん!」
中に入ってみると、妖精の3人組もすでに自分の位置に座ってる。
ディランさんとお姫様はいつも通り優しい顔していましたけど、空気がちょっと重い気がする……
フリントさんは……あ、こっちを見た。
……あれ?いつもは怒った感じたけど、今日はなんか、静か……?
私、ツキノさんとイブキさんが座ったら、もう一人が扉から入ってきました。
6人は揃ってると思うけど……?
「こんにちは、六使の皆さん。」この声は……!
タツ先輩!学院案内の時に色々助けてもらったな……まさかまた会えるとは……!
「アヤメさんとエリサ様以外は全員初対面かな。タツ・クリスと申します。六使の協力者として、ここにきました。これからもよろしくお願いします。」
協力者……?
「協力者はあなたですか……よろしくお願いします、クリス家の長男。」お姫様もタツ先輩のこと知ってるんだね……
「はい。俺は必要な時だけ話しますので、ミーティングはこのまま進めていいですよ。」
……傍観者って事かな?
「お説明ありがとうございます。」お姫様の視線はタツ先輩から私たちへ戻しました。
「第一回、六使ミーティング、始めます!」