13. 4人
イブキさん?!
まさかこんなところで会うとは……
『ベンチは大きから、ここに座ってもいいよ。』
は、はい……
それでは……お言葉に甘えて、隣に座らせていただきます……!
『どうぞ。』
私は食べながらも、たまにイブキの方を向きました。
本当に話せないのですね……
『なぜここ見つけたの?』
「!」頭の中に声があるのって、やっぱりちょっと怖いよね……
『悪い。僕にとってはいつも通りの事だから。』
あ、そっか……5歳からだもんね。
ちょ、ちょっと待って!
……ってことは、この魔法は5歳の時から知ってたの?
『一応そうだね。』
すごい……!
『えーと、さっきの質問、答えてもいいですか……?』
さっきの質問……あ!
確かさくらちゃんが……
「授業が終わった後、食堂で集合ね!」
完全に忘れてた!
「ごめん、ちょっと用事があって、行ってくる!」
『いってらっしゃい。』
さくらちゃん、どこに……?
私は森から食堂まで走った。
早く見つけないと……私、このバカ!
周りを見ても、全然見つからない……
「アヤメちゃんだ!」こ、この声は!
振り向くと、さくらちゃんが私の後ろに立っていました。
「ちょっと待ってね、アヤメちゃん!」なに……?
さくらちゃんは私を見つけた直後、ある名前を叫んだ。
「アキト!見つけたよ!手伝ってくれてありがとう!」
その人は、私のところまで走ってきた。
「あ、アキトさん?!」さっき授業で私に声かけられた人!
「また会えたね、アヤメさん。桜が君を探したいって言ってたから、僕も手伝っていたんだ。」
なるほど……え、ちょっと待って!
「桜って……二人は知り合いなの??」
「違うよ〜なんか良い人だから名前で呼んでるだけー」
え……
「じゃあ、昼ごはん食べますか〜!」
「あ、あの!私、いい場所見つけたんです!あそこで食べましょう!」
「いいね、アヤメちゃん!行きましょう!」
「行きましょう。」
私は二人を連れて、森の中まで行った。
「イブキ?」
『アキト?』
「ま、まさか、二人は知り合い?」イブキさんとアキトさんが??
「同じクラスだから。色々助けてもらった。」
「??」助けてもらった……
「まあまあ、細かいことは気にせず、一緒に食べましょう。」
「お……」ちょっと怪しい気がする……
食事の後、私たちはなぜか「選択科目、決めた?」っていう話題になった。
でもそういえば、選んでないんだよね、私とさくらちゃんも……
「呪い、格闘技、咏唱、薬草学、武器研究、生物学、占星学、歴史学……色々あるんだよね。」
「私、呪いに興味がある!あと格闘技」な、なんてあんなに怖いものに興味があるんだよ……
「アヤメさんは?」アキトさんいきなり私に聞いてきた。
「あ、はい、そうですね……咏唱いいかも。でも確か二つ選ぶでしょう?残りは……うん……」どっちも興味なさそうな科目だな……
『一つだけ、四人で同じ科目はどうですか?』
「いいね、イブキ!どっちにします?」
「わ、私はなんでもいいから、イブキさんとアキトさんにお任せします。」そういえば私、勉強嫌いだっけ……前の学校の成績も悪かったし……
もう五年前の事だから、あまり覚えてないんだよね。
『聖典祭は決闘で勝負を決める事が多いから、格闘技とかどうですか?』
聖典祭は、戦闘で決着をつけるのか……難しいそう……
「それいい!楽しそう!」さくらちゃん、格闘技だよ……楽しいわけがないでしょう……
「僕も異論ないよ。アヤメさんは?」
「いいよ。」多分……
「イブキさんとアキトは格闘技以外、何を選んだの?」さくらちゃんは聞いてみた。
「武器研究だよ。」
『呪い。』
イブキさんが呪いを選んだのは理解できるけど、アキトさんはなぜ……?
「昔から武器の使え方とか、作り方とか、興味があるから、試したいなあって思いました。」
なるほど……アキトさんは優しいイメージだから、武器研究はちょっと意外だなって思った。
「桜は身長もスタイルもすごくいいから、どんな武器でも扱いできる気がする。アヤメさんは細めの体だから、スピードを注視する武器はいいかも。短剣とか。」
な、なんかすごい……!
『アキトは武器オタクだから。』
「イブキって、たまに酷い言うよね。」アキトさんは苦笑してるけど、嬉しいそう。
「二人ってやっぱり、仲良しだな〜!まあ、私とアヤメちゃんもそうだけど。」さくらちゃん、すごく偉そうに言ってる……
この四人……なんか、いいね。