12. ローガン先生
「悪いね、お手伝いしてもらって。」
「あ、いえ!当然ですから。」この量の本……魔法を使っても持てないよね……
「クラスの担任と木属性魔法の先生として、これからもよろしくね、アヤメさん。」
「は、はい!よろしくお願いします!」やっぱり、ここにいる皆さんは本当に優しすぎです。
「六使の皆さんには色々やらなきゃいけないことは沢山あるけど、その分、増える知識も他の生徒より多いよ。」
そう、なんだ……
ローガン先生がわざわざ教えてくれるのは、何かの意味あるかな……?
「でも、私はやっぱり、六使と絶対似合わないと思う……」
学級のトップとか、リーダーとか、私より向いてる人、絶対いるし!
「六使の評価は魔法能力とリーダーシップ以外にも、もう一つの要素があるよ。」
「何ですか?」気になる……!
「それは、調和力。」
調和力……?
初めて聞いた言葉だから、よくわからない……
「あ、いつの間にか教室に着いたね。ありがとう、アヤメさん。」
本当だ!もう着いた!
「本たちを机に置いてください。」
先生の机のところかな……
本を置いた後、私は一番近い席に座った。
そして、授業は正式に始まった。
「正式に魔法を教えたのは初めてだけど、多分皆さんはもう、少しだけ知ってるよね。」
「呪文を使って、空気中の精霊と共鳴して、魔法を発動する。それが基本。」
「呪文を使わずに魔法をかける人もいますけど、効果は呪文を使うより弱いです。戦闘と治癒以外はいいけど、真剣な対決の時は、オススメじゃないよ。」
思ったよりわかりやすい……!
「呪文を使わない人……そうだね、うちの学院長とか。」
学院長って、本当にすごい人なんだ。
「それで、今日の授業の目標はまず、魔法を成功させることかな。」
ローガン先生はホワイトボードに文字を書いた。
「木の精霊、XXの術、○○。」
「XXに入れる文字は主に4つ:初心者、中級者、上級者、超級者。○○の文字は、自由です。そうですね……」
「アヤメさん、お手本見せてもらってもいいですか?」
え……え??
「あ……はい!」た、立った……
「この種を、咲かせてくだい。」
目の前にあるのは、種でした。
水も土もいない、ただの種。
で、できるのかな、私……
説明もちょっと曖昧だったし……
「一番大事なのは想像力。この種の開花するの時のイメージ、想像してみて。」
「そして、呪文を唱えて。」
花の形……香り…大きさ…よし!
「木の精霊、開花。」え…え?
緊張しすぎて目を閉じたけど、何か忘れた気がする……
もう一度目を開いた時、私は驚いた。
せ、成功した!
「青で綺麗ですね。これは何の花ですか?」
「えーとですね、これは零域にある花、ブルーデージーって言うんです!」
「そっか。アヤメさん、ありがとうございました。席に戻っていいよ。」
「はい!」なんかわからないけど、自信がちょっとだけついた気がする。
私は席に戻って、思わず自分の手を見つめた。
私にもできるんだ……
本当に嬉しい……
「アヤメさん、アヤメさん!」
……呼ばれてる?左からだ。
左へ向くと、男の子の人間がいました。
「なん、何ですか?」
「よくやったね!」
褒められた……!
「たまたまです……でもありがとう。」
「あ、自己紹介遅れたね。アキトです。よろしくね。」
「よろしくお願いします、アキトさん!」
●○●○●
授業が終わった後、食堂に昼ごはんを買ったけど、座るところが全然見つからなくて……どうしよう。
……あれ?
森の中に道がある!
実は食堂の隣に小さな森があるけど、入る人はあまりいないよね。
入ってみる!
森の道は意外と歩きやすいからすぐ奥までたどり着いた。み、湖……?!
この学院は一体どれくらい大きいのだろう……
湖の隣に、ベンチまであるし……
べ、ベンチに、誰かいる。
『まだ会えたね、アヤメさん。』
イ、イブキさん!
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