執着する子供
蓮くんは優しい子です。
お父さんと暮らす蓮君はたくさんお父さんに尽くしました。
お父さんは蓮君をたくさん殴りました。
蓮君は人が好きで、自分が嫌いなりました。
人に尽くそうと蓮君はたくさん頑張りました。
与えて与えて。欲しいから。与えて。
蓮君は父親のおかげで、すっかり自信を無くしました。
寂しい蓮君は、その分、学校で人を笑わせようと頑張りました。
もっともっと。
蓮君は、人に尽くす優しさが正しいと思って、たくさん笑わせようとしました。
おかしな行動を沢山しました。
高校にいった蓮君は、いじめられました。
家にも学校にも、居場所を無くした蓮君は、彼女にも振られ、身体だけを動かすようになりました。
醜い人間が憎くてしょうがない 自分のエゴを証明するために、身体だけ動かします。
23歳になった蓮君はとうとう疲れ果てました。
愛を求めて 人は自分を愛して当然で そんな中で 蓮君は自らを犠牲に、自分が思う'愛'を振りまきます
何も返ってきません。蓮君は怒ります。蓮君の頭の中はそのことしかありません。
仕事も、ミスばかり。気負って気負って、怒られる。
蓮君は疲れました。そして不機嫌になりました。常に怒ります。めんどくさいと思われます。重々承知と、蓮君は強がります。どこまでも強がります。
蓮君は手放せません。自らの正しさを。70億分の1の正しさを。
蓮君は気づきません。蓮君が蓮君でないことを。
蓮君が蓮君の人生を歩んでいないことを。
苦しみながら、蓮君は考えます。
蓮君は、受け入れることが出来ないのです。
蓮君自身を。立派な蓮君自身を。
どこまでも優しい蓮君自身を。
蓮君は認めません。
蓮君は壊れます。
蓮くんどうか認めてほしい。
蓮君が蓮君であることを。
蓮君は蓮君しかいないことを。